2009年06月10日

◆ スペイン風邪と過剰免疫

 スペイン風邪では、若者の死者が多かった、と報告されている。その原因を推定する研究が見つかった。理由は「過剰免疫」である。 ──

 免疫というものは、一般には有益だ。ただし、免疫が過剰になりすぎると、かえって有害だ。その一例として、「花粉症」がある。(度を過ぎて、「免疫異常」と言われるほどの過剰な免疫。)
 似た例に、リウマチもある。これもまた、免疫過剰(過剰免疫)の現象だ。

 さて。これをインフルエンザと結びつけて考えた研究者がいた。「インフルエンザで感染者が死んだのは、過剰免疫のせいでは?」と考えた。そして、
 「インフルエンザの感染者に、リウマチ薬を投与すれば、死者が減るだろう」

 と仮説を立てた。

 ここまでの話を聞くと、例によってトンデモマニアが大騒ぎしそうだ。  (^^);
 ともあれ、この実験が動物レベルでなされた。その結果は、「インフルエンザの感染者(動物)に、関節リウマチ薬(abatacept)を投与すると、救命効果あり」だった。以下、ニュース。

  ──
 《 関節リウマチ薬が豚インフルエンザに有効な可能性 》
 科学者らは、免疫系に影響を及ぼす薬剤がインフルエンザに対する有望なツールとなる可能性を模索してきたが、この概念がマウスにおいて具現化されたことが、新しい研究によって示された。
 研究の結果、abatacept投与群の生存率は80%であったが、対照群では50%に過ぎなかった。また、abatacept投与群のほうがウイルス排除が早く、体調不良も少なく回復も早かった。この薬剤はメモリーT細胞の免疫応答も抑制した。
( → 海外ニュース
 記事によると、研究者は、次のように述べている。
 「豚インフルエンザでは、実際にこの種の過剰免疫応答の徴候がみられる。メモリーT細胞は、侵入したウイルスを撃退するが、過剰免疫応答の一因にもなる。多くのインフルエンザ、特に流行性のウイルスの場合、体調不良や肺炎の真の原因は免疫応答である


 ──

 ここまでは、ニュース。このあとは、私の考察。

 このことは、スペイン風邪(の死者)に当てはめることができる、というのが私の考えだ。
 スペイン風邪では、どういうわけか、若者の死者が多かった。それが不思議だった。
 「若者の方が、免疫力は強いのに、どうして免疫力の強い若者が多く死んだのか?」

 このことが長らく不思議だった。
 だが、その理由は、今回の実験から、判明する。「免疫力が強いのに死んだ」のではない。「免疫力が強いから死んだ」のだ。……「過剰免疫」という形で。
 
 ──

 ここでは、死因は、一種のショックだろう。インフルエンザのウイルスそのものが死をもたらしたというよりは、ウイルスに対する体内システムが暴走したせいで異常(ショック)が起こって死が発生したのだ。
 だから、死ぬ人は、もともとそういうふうにショックを受けやすい体質の人に限られる。(アレルギー反応に似ている。アレルギー物質そのものが悪いというより、アレルギー反応を起こしやすい体質に原因の大半がある。)
 
 つまり、インフルエンザのウイルスに感染しても、たいていの人は死なない。だから、たいていの人は、「インフルエンザで死ぬぞ、死ぬぞ」と大騒ぎする必要はないのだ。もともと死ぬような体質ではないからだ。
 もちろん、自分がその体質にあるかどうかは、わかっていないから、死ぬ危険は確かにある。とはいえ、「インフルエンザにかかると、莫大な死者が出る」というふうに大騒ぎするほどのことはない。死ぬ人は、あくまで、そういう(アレルギー体質のような)特別な体質を持つ人に限られている。ペストで死ぬのとは全然違うのだ。(ペストならば誰もが死ぬ危険にさらされるが。)

 ──

 さらに言えば、死を免れる方法も、かなり簡単にわかる。
 対象は、そういう(アレルギー体質のような)特別な体質を持つ人だけであり、対策は、そういう(アレルギーのような)過剰免疫を抑制すればいい。そのためには、リウマチ薬(のような薬)を投与すればいいわけだ。

 ともあれ、この問題を解決するには、ウイルスそのものを撲滅する必要はなく、限られた人々を対象に、体内の暴走をきちんと制御すれば足りる。「このウイルスは危険だ」と世界中で大騒ぎする必要はないのだ。

 というわけで、このように、「過剰免疫を抑える」という形で、インフルエンザによる死者数を減らすことができそうだ。豚インフルエンザに限らず、あらゆるインフルエンザについて。

( ※ ただ、現時点では、あくまで推定。)
( ※ なお、ここでは、感染者数と死者数とを、分けて考えていることに注意。)

 《 注記1 》

 インフルエンザについて、「鳥インフルエンザ由来のパンデミックが来ると、怖い! そうなったら、大変だ、大変だ!」と大騒ぎするオオカミ少年のような医療関係者が多い。
 しかし、彼らの言葉は、なかばは嘘である。そのどこが嘘であるかを、本項は説明したことになる。「過剰免疫」という概念で。

 《 注記2 》

 なお、本項で述べたことは、物事の一面をついているとは思うが、全面的な真相だとは思えない。「重症になったのは過剰免疫だけが理由だ」とは言えないと思う。他にも理由はあったはずだ。(たとえば、ウイルスの繁殖が肺で起こることなど。)
 ただ、若年者に死者が多い、ということだけは、このことで説明がつく。また、誰もが死ぬわけでもない、ということも、このことで(かなり)説明がつく。
 一般に、医学的な現象は、複数の要因が複雑にからまっている。本項で述べたことは、物事の一面的な真理だ、とだけ認識するのが妥当だろう。



 [ 付記1 ]
 このあとは私の想像だが、花粉症の薬もまた、インフルエンザ患者に対しても有効かもしれない。というのは、花粉症の薬もまた、同様の効果(過剰免疫の抑制)をもつことから、リウマチ薬と同じような効能がありそうだからだ。
(ただし、一部の重症者に限る。)
 
 [ 付記2 ]
 基本的な知識として、次のことに留意するといい。
 「インフルエンザによる死者というのは、スペイン風邪も含めて、インフルエンザそのものによって死んだのではない。インフルエンザにともなって併発した肺炎などによって死んだのだ。インフルエンザそのものは、人を殺さない」

 豚インフルエンザの重症者にも当てはまるが、治療は、タミフルなどによってインフルエンザ・ウイルスを撲滅することではない。それは副次的なことだ。重症者の治療とは、肺炎の薬(抗生物質など)を投与することだ。……インフルエンザの重症者を治すというのは、インフルエンザを治すことではなくて、併発した肺炎を治すことなのである。……混同しないようにしよう。(重症者にタミフルばかりを大量に与えても意味はない。)



 [ 余談 ]
 余談だが、「パニック」もまた、「過剰免疫」に似ている。社会における危険物に対処しようとするのはいいのだが、それがあまりにも過剰になりすぎて、かえって社会に害悪をもたらす。……パニックとは、「社会心理的な過剰免疫(過剰対応)」と定義できるかもしれない。

 パニックは、インフルエンザにおける致死的な生体反応と同じように、非常に有害なのである。パニックをもたらすマスコミは、インフルエンザよりももっと悪質なのだ。
 その具体的な例は、前出「感染者を入院させるな」のコメント欄に見出される。感染者を隔離することで、感染者の人生を七日間も奪う。これではインフルエンザと同様に( or それ以上に)有害だ。
 現行の制度では感染者は必ず強制収容される。ナチスの強制収容と同様に。
 このままでは、秋冬になったとき、国民の1割が強制収容されてしまうのだ。できるかできないかではなく、そういう制度になっている。このような狂気がはびこっているのだ。「社会心理的な過剰免疫(過剰対応)」という、一種の病気として。
posted by 管理人 at 20:50| Comment(0) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
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