2009年06月09日

◆ 感染者を入院させるな

 豚インフルエンザの患者は通常、強制的に入院させられる。
 しかし、これは馬鹿げている。即刻、やめるべきだ。

 ( ※ 「半強制的」でなく「強制的」である。) ──

 現在、豚インフルエンザの患者は通常、強制的に入院させられる。
 (1) 福岡では全員、市内の病院に入院。( → 読売新聞
 (2) 山梨ではウイルスチェックを経てのみ退院可能。( → 山梨日日新聞
 (3) 静岡も同様。( → 毎日新聞

 入院は強制的で、退院するにも許可が必要である。

【 注 】 当初はこれを「半強制的」と記述したが、誤りだった。正しくは、「強制的」である。拒否はできない。典拠は → Wikipedia

 まるでペストかコレラみたいな法定伝染病ふうの扱いだ。しかしながら、インフルエンザは、ペストでもコレラでもない。このような過剰な対処は、法律を逸脱しているだけでなく、医学的にもまったく間違っている。
 たとえれば、これは、「強制収容所に閉じ込める」というような人権侵害である。

 ──

 ただ、次のように危惧する人もいる。
 「彼らを隔離したことで、社会に感染者が増殖しなければ、社会のメリットが上回る」
 しかし、これは成立しない。

 第1に、現在は、梅雨の時期であり、もともと感染者は増殖しない。例外的に、少数の人が感染するが、そこから感染者が増殖することは、ほとんどない。冬ならともかく、今の時期では、隔離の必要性はきわめて稀薄だ。実際、発見されない感染者はかなりたくさんいるはずだが、そこから次々と増殖していくことはない。日本全体でも、チラホラと生じる程度。隔離することのメリットは、きわめて小さい。(「社会的影響」なんて大げさ。数人程度のことを「社会」とは呼ばない。それはトカゲを「恐竜」と呼ぶような誇張。)

 第2に、秋冬の時期ならば、少数の感染者を隔離しても、まったく意味がない。どっちみち爆発的に増殖する。百人の感染者のうち、50人ぐらいを入院させても、残りの 50人を経て、爆発的に感染者が増える。「初期の感染者を入院させることで、インフルエンザの感染を止める」ということは、絶対に不可能だ。いくら入院者を増やそうが、秋冬の流行を止めることはできない。

( ※ つまり、感染者の増殖係数[増殖倍率]が、小さくても、大きくても、結果にはほとんど影響しない。)

 ──

 以上は、「無理だ」「無駄だ」ということを述べた。つまり、メリットがない、ということだ。
 以下ではさらに、「有害だ」ということを述べる。つまり、デメリットがある、と。

 第1に、このようなことは、感染者本人にとって迷惑だ。強制収容所に閉じ込められるのも同然。こんなことを言い出したら、世の中の酔っ払いを全員、強制隔離する必要がある。(……あ、そういう馬鹿げたことを、やった例がありましたね。どうせなら、中川大臣を留置場にぶち込めばよかったのに。  (^^); )

 第2に、このような方針が秋冬にも継続したら、世の中はパニックになる。感染者が千人、万人、十万人、……と爆発的に増えていくときに、「インフルエンザの患者は入院せよ」という方針が取られたら、とんでもない混乱が起こる。(日本人の1割が強制収容される、というような大混乱。)

 第3に、そのような方針が少しでも取られることで、病院の空きベッドが奪われる。そのことで、真にベッドが必要な患者が、治療を受けられなくなる。……これはきわめて重大な問題だ。一般に、救急病院に救急患者が運ばれたとき、「ベッドがありません」という理由で、救急車の要請を拒否することが多い。このこと自体は、当然のことだ。なぜなら、たとえ受け入れても、ベッドがなければ、どうしようもないからだ。治療を終えた患者を、いつまでも手術室に入れておくわけにも行かないし、路上に放り出すわけにも行かない。つまり、ベッドがないということは、治療不可能になるということを意味する。
 要するに、たかがインフルエンザの患者が、必要もないのに空きベッドを奪うことで、真に治療を必要とする救急患者が、治療を受けられなくなるのだ。インフルエンザの患者が百のベッドを奪えば、救急治療を受けられなくなった患者が百人死ぬ、というようなものだ。(そこまでひどくはないが、そういう傾向にある。)
  → 前項の新聞記事 ( 救急医療の破綻 )
 もう少し説明しよう。
 病院という医療資源は限られている。ベッドも医師も、供給不足気味だ。その状況で、どうでもいいインフルエンザを無駄にベッドで寝かせておくのは、きわめて無駄である。それで患者が救われるのならともかく、患者は「必要もないのに強制収容された」と思って不平タラタラであるはずだ。また、それで社会がメリットを得るならともかく、社会はメリットを得ない。(最初に述べたとおり。)

 結論。

 インフルエンザという病気は、きわめて軽い病気だ。少数の重症者はともかく、大部分の人々にとっては入院は必要ない。季節性インフルエンザと同様、自宅静養で治せる。
 なのに、入院の必要のない患者を、無理に入院させれば、デメリットばかりがあって、メリットはない。そんな馬鹿げたことは 即刻、やめるべきだ。



 [ 付記1 ]
 じゃ、入院しないで、どうすればいいか? もちろん、普通のインフルエンザと同じ。自宅静養していればいい。
 ただし、注意。これは、「社会に出て動き回ってウイルスをまき散らせ」という意味ではない。念のため。
 なのに、ここを誤解する人が多い。「入院しなくてもいい」という言葉を聞くと、「外で動き回ればいいということだな」と勝手に誤解する。こういうふうに、勝手読みして、勝手に誤解する人は、世間にかなりいる。(たとえば、トンデモマニアとか。)
 誤解に注意。
 
 [ 付記2 ]
  「ほぼ強制」と表現したが、形の上では「強制」でなく「自粛」かもしれない。「自粛しろ」という変な日本語と同様で。  (^^);

  → 本文中で訂正したように、「半強制」ではなく「強制」である。

 ただし、法的には、「半強制」を経ての「強制」となる。
  → http://d.hatena.ne.jp/sube-sube/20090430/p1

 最初は半強制で「入院の勧告」だけが出る。これは拒否できる。ただし、拒否すると、まもなく「強制」の処分に変わる。そうなったら、ひどい目にあいそうだ。新聞にも報道されて、全国民の耳目を引いて、非難が集中するかもしれない。
 となると、監禁者がやって来たら、無駄に抵抗しない方がよさそうです。

( ※ なお、強制措置が定められていることからして、次の秋冬には、パニックが必然となる! 現状は数百万人を強制収容する制度になっているからだ。しかも、それを改める気もないようだ。)
( ※ 反対しているのは、本サイトと、小児科学会ぐらい。)

 [ 付記3 ]
 どうせ強制収容するのであれば、病院でなく、ホテルに隔離する方が、まだマシだろう。理由は二つ。
 第1に、病院を使えば空きベッド(と医療サービス)を奪うが、ホテルを使えば他の医療サービスを奪わない。他の患者にとって有利。
 第2に、隔離される本人にとって有利。というのは、入院すると、ベッドに縛り付けられるからだ。1週間も。それは、たまったもんじゃない。自由に動きたい。ベッドなんて、最悪だ。

 よく考えよう。そもそも、感染者が治療を受けることはない。感染者は単にタミフルを飲んで寝るだけだ。寝るのも最大で3日間。あとは起きていていい。なのに、ベッドに縛り付けられるなんて、最悪だ。ここはどうしても、ちゃんとしたホテルにしてもらいたい。
 また、強制措置であることからして、ロイヤルスイートという一泊30万円クラスにするべきだろう。そして、それを提供することができないのであれば、感染者を自宅に戻すべきだ。(自宅静養してもらうだけでいい。行動制限はあっても構わない。)
 誰にしたって、自宅が一番いい。強制収容なんて、あまりにも非人間的なことなのだ。それがわからないような知事がいたら、「狂人」というレッテルを貼って、強制的に気違い病院に措置入院させて、1カ月ぐらいベッドに縛り付けてしまえばいい。  (^^);

 [ 付記4 ]
 現実的な対策としては、次のことだ。
 「感染が判明したら、もはや抵抗できない。ゆえに、感染が判明しないように、検査を拒否する
 検査を拒否することは合法です。これだけが人権蹂躙(じゅうりん)を避ける、唯一の策。……本サイトを読んだ読者だけは、これによって、収容所送りを免れるでしょう。  (^^)v



 [ 参考1 ]
 続報。「感染源を特定する」という動きが、いまだにある。
 《 感染経路特定へ 福岡市、感染研に支援依頼 》
 (福岡市は)感染経路や感染源の特定に向け国立感染症研究所(東京)の実地疫学専門チームに支援を依頼。9日午後、チームの3人が市役所を訪れ、発生状況などの報告を受けた。
( → 読売新聞 2009-06-09
 いったい、何のつもりか? 感染源を見つけて、「おまえが悪い」と詰りたいのか? あるいは、新たな感染者を見つけて、隔離するつもりか? とんでもない人権侵害だ。
 こんなことを続けるつもりなら、次の秋に、福岡市役所の役人に感染者が一人でも発生したら、役所全体を強制閉鎖するべきだろう。ついでに、役人全体を強制収容所に閉じ込めるべきだ。(ホテルや病院に入れるのは問題だから、どこかの学校[閉鎖中]にでも閉じ込めればいい。何だったら、豚小屋でもいい。  (^^); )

 それにしても、福岡市が馬鹿なのは仕方ないとして、国立感染症研究所が馬鹿の尻馬に乗るとはね。呆れた話だ。国立感染症研究所がそれほど馬鹿だとは思わなかった。
(ま、ここの感染症情報センター長が、あちこちで馬鹿をさらしているから、組織全体が馬鹿に「右にならえ」なのだろう。ひどい組織。)(この情報センター長の馬鹿さ加減については、本サイトでも二度ぐらい言及した。)
 
 [ 参考2 ]
 世界で最も過剰な対策をしているのは、中国だ。世界で物笑いのタネになっているが、またまた奇怪なニュース。
 《 米ニューオーリンズ市長隔離…新型インフルの疑い 》
 米ルイジアナ州ニューオーリンズ市のネーギン市長が、搭乗した米国から中国に向かう飛行機で新型インフルエンザに感染した疑いがある乗客が見つかったことから、訪問先の上海のホテルで隔離された。
( → zakzak
 福岡の市長も隔離されればいいのに。ついでに、舛添と橋下も。
 


 【 関連項目 】

  → 強制的な隔離は必要か?
  → 強制的な隔離の弊害
posted by 管理人 at 20:02| Comment(4) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
[ 付記3 ]を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2009年06月10日 00:40
ウチの場合、保健所から感染判明の連絡後、救急車と保健所の車によって強制連行されました。深夜業務で大変だなぁと思う反面、細菌兵器から身を守るような見事なコスチュームとマニュアル通りにやらなきゃといった仕草が噴飯ものでしたが...
連行された病院の感染者病棟において、私は普段着のまま病室への出入りを許されましたが、主治医の先生は病室へ入る際、立派な防御服を新たにまとって出入りしていたのには驚きを隠せませんでした。中には白衣も着ずに私服で出入りするアンちゃん系のお医者さんもいましたので、病院側としても足並みが揃っていないようでしたが。ちなみに、ちょっとした説明や質疑応答の中で、アンちゃん先生は頼りがいのある先生に思えましたが、主治医の先生はちょっと...
病院、保健所関係者においても、マニュアル通りに一通りこなしてみようという気持ちも分からぬわけではありませんが、傍から見ていてママゴトのお遊びにしか見えませんでした。きっとあの方々も馬鹿げたことと思いながらも、クソ真面目な性格が許さなかったんでしょう。それとも、真面目な振りしてインフルエンザごっこを楽しんでいたのでしょうか?そうだとすれば、もてあそばれた感染者や感染病棟から出入りする濃厚接触者と接近するリスクを背負わされた通院患者にとって傍迷惑な話です...
Posted by 通りすがり at 2009年06月10日 00:42
付記3について、実際に現場で感じたことそのものでした。
A型感染判明時にリレンザを処方されていたため、新型感染判明時に強制連行された病院では何の治療もなく、ただ病室に閉じ込めて、検温と美味しくない食事が出るだけです。テレビもなければ娯楽もない、食べ物や飲み物を買ってくることも許されない、極めて退屈な長時間をベッドで過ごさねばなりません。今後も強制入院が継続されるのであれば、多めの本やワンセグ携帯等の退屈しのぎとつまみや飲料物を持ち込まないと耐えられない処遇にあうことを広く伝えてあげたい心境です。
ですから監獄や独房並みの扱いは即刻やめて、普通のビジネスで十分なのでホテルの収容に変えてもらえたら強制入院も多少は楽しめそうな気がします。なんてことは財源的にも厳しいわけですし、重篤化の危険性が少ない一般人には元々治療なんか不要ですし、自宅静養にするのが当然の措置となるべきなのに、あちこち馬鹿が多くて困ります。
Posted by 通りすがり at 2009年06月11日 00:01
「半強制」を「強制」と書き換えました。

 ※ 強制措置なので、拒否はできません。
   典拠は、本文中に記してあります。
Posted by 管理人 at 2009年06月11日 00:35
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ