2009年06月05日

◆ タミフルと異常行動3

 「タミフルと異常行動の関係は、何とも言えない」
 という趣旨の報告を、厚労省(の作業部会)がまとめた。
 しかしこれは、妥当な結論とは言えない。 ──

 「タミフルと異常行動の関係は、はっきりしない」
 という趣旨の報告を厚労省(の作業部会)がまとめた。( 2009-06-04 )
 ニュースは、次の通り。(タイトルとリンクを示す。)

  → 10代の異常行動 1.5倍に=タミフルとの関連「結論は困難」
  → タミフル:現場に難しい判断…結論あいまい 厚労省調査
  → タミフル異常行動「関連ないとはいえない」 厚労省研究班
  → タミフル服用と異常行動、「明確な関連なし」 厚労省作業部会

 ただし、内容自体は、目新しいものではない。1カ月ぐらい前に報道されたとおりだ。本サイトでもにも述べたが、下記のとおり。
 服用しなかった患者の 1.54倍とする研究班の調査結果を発表した。ただし調査対象者が少ないため統計的に有意とはいえず、服用との因果関係を結論付けるのは困難だったという。
 ( → 時事
 ──

 しかし、 1.54倍もあるなら、次のように結論するのが妥当だろう。
 「 タミフルと異常行動の間には、関係があるらしい。ただし、統計的にサンプル数が少ないので、断定することはできない」


 つまり、「断定できない」のと「わからない」のとは、異なるのだ。
 確率検定の考えで言うなら、次のように差が出る。

 「タミフルと異常行動の間に、関係がある」…… 信頼度 ??%
 「タミフルと異常行動の間に、関係がない」…… 信頼度 ??%

 ここで、「ある」方は 70%ぐらいの信頼度だろうし、「ない」の方は 30%ぐらいの信頼度だろう。
 つまり、断定できるかどうかは別として、曖昧ながらも、何らかの知見は得られるわけだ。
 それが科学的な立場というものだ。

 ──

 実を言うと、同じ件は、外国でもかなり報道されている。ただし、報道の仕方は、(日本のマスコミとは)まったく異なる。次の英文検索を参照。
  → Google 検索「 tamiflu abnormal

 これを見ると、日本の今回の調査ばかりが引っかかる。「タミフルと異常行動」という調査をやっているのは、日本だけらしい。
 そして、その調査結果を報道する記事は、たいてい、次のように報道している。
 「 タミフルと異常行動には、関係がある(らしい)。タミフルを飲むと、異常行動が 54%も増えるということが、日本の調査でわかった」


 外国ではたいてい、そういうふうに報道している。なのに日本だけは、「わかりません」と結論する。
 同じ事実に対して、外国と日本とは、まったく別の結論を出す。
  ・ 54%の増加 …… 外国 「どうやら増えていますね」
  ・ 54%の増加 …… 日本 「わかりません」(サンプル数が少ないから)

 ただの馬鹿かな?
 いや、馬鹿なんじゃなくて、わざと隠蔽しているだけだ。

 仮に、「 54%の増加」でなく、「5%の増加」だったとしよう。その場合には、「サンプル数が少ないから、わかりません」とは言わないはずだ。
 「ほとんど差がないということが、確実に証明されました」
 と、大々的に宣伝するはずだ。

 つまり、二重基準。
  ・ 都合の良い数字が出たら …… サンプル数にかかわらず認める。
  ・ 都合の悪い数字が出たら …… サンプル数のせいにして認めない。

 これが彼らの方針だ。

 それは私の濡れ衣か? あらぬ嫌疑か? いや、違う。
 なぜなら、サンプル数の少なさは、最初からわかっていたからだ。「このくらいのサンプル数だ」というのは、調査を始める前から、だいたい予測がついていた。ただし、そのころには、「都合の良い数字が出る」と期待していた。それで、「その程度のサンプル数でも、ちゃんと都合のいい結果を得られるぞ」と楽観していた。
 ところが、実際に調査してみたら、「十代の子供では異常行動が起こる」という、都合の悪い数字が出た。そこで、あわてて、方針をひるがえしたのだ。「サンプル数が少ないから」ということを理由にして、結論をゴマ化そう、と。

 [ 注記1 ]
 厚労省(の作業部会)は、(行動指針としての)対処だけは妥当だ。「十代の若者にはタミフルを処方しない」と。
 だが、これはおかしい。矛盾がある。「タミフルが異常行動をもたらすとは言えない」と結論したのであれば、「十代の若者にはタミフルを処方しない」という対処は、結論に矛盾している。では、どうして、結論に矛盾した対処を取ったのか?
 要するに、厚労省(の作業部会)は、真相はわかっているのである。「タミフルは危険らしい」と。
 ただし、わかっているけど、口に出せないのだ。だから、口に出した結論(危険性の否定)と、実際の対処(危険性の認識)とが、矛盾しているわけだ。
 要するに、彼らは、わかっているけど、口に出して言えないのだ。「王様は裸だ」と言えないのだ。
 彼らはどうやら、臆病風 に吹かれている。これもまた、かぜ かな?   (^^);
 
 [ 注記2 ]
 4月19日の報道では、厚労省(の部会)は、同じ 1.54倍というデータから、次の方針を示していた。
 
 「タミフルとの因果関係は否定できず、深刻な異常行動に絞った新たな研究を実施すべきだ」と指摘。
( → 読売新聞 4月19日
 ところが、1カ月半たって、その方針は抹消されてしまった。かわりに、今回のように、「何とも言えない」「不明だ」という表現に変化してしまった。
 データの捏造でなく、結論の捏造か。

 ──

 結論。

 「タミフルと異常行動の関係は、不明である」
 のではない
 「厚労省は『タミフルと異常行動の関係は、不明である』ことにしたがっている」
 のである。つまり、真実を隠蔽したがっている。── それが今回の報道からわかったことだ。
 


 [ 付記1 ]
 上記の記事では、興味深いデータもある。
 08〜09年の流行期に生死にかかわる重大な異常行動が179件報告されたが、服用した患者と服用していない患者はいずれも約4割で差はなかった。
( → 日経
 「服用した患者/服用していない患者」の被害者数(実数)を比較して、「いずれも4割」と述べたのでは、何の意味もない。実数でなく比率を調べるべきだ。すると、たとえば、次のようになるはずだ。(179人中)

  ・ 服用した患者  ……… 70名(4割) …… 被害率 3% 
  ・ 服用しなかった患者 … 70名(4割) …… 被害率 2%
  ・ 服用したか不明 ……  39名(2割) …… 被害率 2%


 ここでは、被害率が問題だ。
 そもそも、服用した患者は、服用しなかった患者よりも、総数が少ない。そのなかで、被害者数がどちらも 70名になったとすれば、服用した患者の方が、被害率は高かったことになる。
 ここでは、被害者数のなかで実数を比較しても、意味がないのだ。
 
 同じ間違いは、次の例(間違いの例)でも示せる。

  「オーストラリアの豚インフルエンザ患者は、現在 1000人。
  アメリカの豚インフルエンザ患者は、現在 10000人。
  ゆえに、アメリカの方が、オーストラリアの 10倍も被害がひどい」


 これは間違いである。なぜなら、アメリカの人口は、オーストラリアの 10倍ぐらいあるからだ。人口が 10倍で、感染者数が 10倍なら、「どちらも同じぐらい」という結論になる。
 ところが、愚か者は、そのことが理解できず、実数だけを比較する。厚労省がやっているのは、そういうことだ。

 [ 付記2 ]
 十代へのタミフルの処方は、ここしばらく中止されている。では、その結果は? 
 「タミフル中止で異常行動が減ったというデータはない」
 ということだ。しかしながら、問題は、そんなことではない。
 「タミフル中止で夢遊病自殺(という異常行動)が減ったというデータはあるかどうか」
 だ。ただのインフルエンザで、夢遊病自殺(という異常行動)をした人は、まだどんどん出現しているのか?
 実は、次の報道がある。
 「使用制限が医療現場に徹底された 08年度以降、タミフル服用者の転落・飛び降りは報告されていない」
( → 朝日・朝刊・社会面 2009-06-04 。ネットにはなし)
 この事実が大切だ。

 [ 付記3 ]
 なお、以上の二つの記事(付記1,2)を読むと、矛盾が感じられる。
 日経の記事では、「生死にかかわる異常行動が4割」であるが、朝日の記事では「使用制限が医療現場に徹底された 08年度以降、タミフル服用者の転落・飛び降りは報告されていない」である。
 日経の記事に従うと、厚労省の調査では、「転落・飛び降り」でないことまで、「生死にかかわる異常行動」と計数していることになる。
 この点からすると、厚労省の調査はかなり歪んでいるようだ。基本的な分類の時点で、そもそも歪んだ分類をしているようだ。
 例。
   「タミフルを飲んでいないのに、うわごとを言って寝返りを打った」
   → 「タミフルを飲んでいないのに、生死にかかわる異常行動をした」

 こういう分類をしているのでは? その疑いが強い。

 私が思うに、1.54倍という数字は、大幅に歪んでいると思う。「使用制限が医療現場に徹底された 08年度以降、タミフル服用者の転落・飛び降りは報告されていない」という朝日の報告からすれば、「自殺するような重大事故は、(ほぼ)タミフルを飲んだ患者だけから起こった」というふうになるはずだ。その場合、数字は、1.54倍ではなくて、(ほぼ)無限大になるはずだ。
 ただし、数字が(ほぼ)無限大になるとしたら、その調査は「比率」を出したことにならない。比率を出すとしたら、何らかのまともな(極端でない)数字を出す必要がある。
 そこで、「変なうわごとを言ったのも異常行動と数える」という(甘い)基準を取って、その(甘い)基準の上で、1.54倍という数字を出したのだろう。
 元の調査を見ていないから、はっきりしたことは言えないのだが、どうも、そういう懸念が強い。
( ※ そもそも、詳細データを発表していないところからして、相当に怪しい。自分たちのデ統計処理のインチキさを隠蔽しているとしか思えない。本当ならば、異常行動の種類を何種類かに分けて、細分して実数を示すべきなのだが。……隠していますね。)
( ※ ただし、タミフルを飲まなくても2階から飛び降りた、という例は、少数ながら、実際に報告されている。 → 出典
 
 [ 付記4 ]
 ネットをぶらついたら、次の文章が見つかった。
 事実としてアメリカ、ヨーロッパ諸国などタミフルをほとんど使っていない国々では異常行動の率が少ないと言う事実
( → 小児科医のブログ
 典拠は記してないが、嘘や間違いではあるまい。
 これからすると、欧米では「タミフルと異常行動」という調査がなされていないのは、当然である。なぜなら、「タミフルを飲んで異常行動が起こるかどうか調べましょう」というふうに、あえてモルモットになりたがる奇特な人々はいないからだ。そんなふうにモルモットになるのは、馬鹿な黄色い猿に任せておこう、と思っているのだろう。そして、黄色い猿が、次々と異常行動で死ぬのを見たら、「タミフルは危険だから十代には処方しない」という方針を取るのだろう。いや、その方針を取るまでもない。もともとタミフルを大量使用していないのだ。
 欧米がやっているのは、タミフルで死ぬかどうかを(人間で)人体実験することではなくて、(人間でない?)黄色い猿にタミフルという薬を売りつけることだけだ。
 何しろ、もはや耐性ウイルスができて、季節性インフルエンザには役立たずになった薬だ。こういうゴミみたいなものを売って儲けることこそ、彼らの目的。
 そして、そのためには、厚労省とおかかえ学者を、たらし込むことだけが目的だ。  (^^);
 毒というものは、自分では飲まないで、馬鹿な他人に売りつけるべきものなのだ。
( ※ 「副作用があります」と注意書きをしておけば、合法である。わかっていながら飲んで死んだ方が悪い。馬鹿は死ななきゃ治らない。)
 


 【 関連項目 】

  → 統計の嘘(タミフル)
  → タミフルと異常行動
  → タミフルと異常行動2
posted by 管理人 at 19:38| Comment(1) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いや、よく言ってくれました。同感です。薬の権益を得たいための、アメリカの工作です。
Posted by ぱぱにゃ at 2009年06月15日 23:41
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