2009年05月28日

◆ マスコミの無反省

 パニックふうの騒動のあとで、「インフルエンザへの対処がいくらか過剰だった」という趣旨のマスコミ報道が見られる。
 だが、マスコミは、反省しているようで、ほとんど反省していない。「まるきり過剰だった」「全然不要だった」と見なす方が正しい。 ──
   ( ※ 本項は、マスコミ批判です。医学的な情報はありません。)


 朝日(朝刊・特集 2009-05-28 )に、感染症情報センターの岡部所長へのインタビュー記事がある。その趣旨は、「対策がいくらか過剰だったが、感染拡大を防ぐ意味で有効だった」というもの。
 「いくらか過剰だった」というふうに反省しているように見えるが、検疫や一斉休校が「感染拡大を防ぐ(遅らせる)意味で有効だった」と評価している。
( ※ 読売の記事 2009-05-26 でも、同様のインタビューが掲載されている。)

 これを読んで、呆れた。前項で紹介した木村もりよが「日本には専門家が一人もいない」と述べた意味がはっきりした。感染症情報センターの所長がこれほど馬鹿でどうする? 

 ちなみに、次の記事がある。
 《 豚インフルエンザ「空港での検疫、効果なし」 WHOが指摘 》
 豚インフルエンザ感染の拡大に伴い、各国が空港での検疫を強化する中、世界保健機関(World Health Organisation、WHO)は28日、感染した搭乗客を洗い出そうとしても、空港での検疫に効果はないと指摘した。
 WHOのグレゴリー・ハートル(Gregory Hartl)広報担当は「もしも感染していたり、感染源に接触したとしても、空港にいる時点で症状は現れていないだろう。空港での検査、検疫は役に立たない。搭乗客の体温監視も、潜伏期の患者を見つけ出すことはできない」と、報道陣を前に述べた。
( → AFP ニュース 2009年04月28日)

 《 米、新型インフルによる休校勧告を撤回 》
 米疾病対策センター(CDC)は6日、新型インフルエンザの感染者が出た学校に休校を勧告する指針を撤回し、休校中の学校に授業再開を求める新指針を発表した。
 CDCは1日、「感染確認または感染の疑い例が出た学校では最大14日間、休校すべきだ」との指針を示した。だが、「症状が当初懸念したほど深刻でない」として、感染者に「最低7日間の登校停止」を求める一方、学校やクラス全体の閉鎖は不要との立場に転換した。
( → 読売新聞 2009年5月7日)
 つまり、WHO も CDC も、検疫や一斉休校には否定的なのだ。かなり早い時期に。なのに、世界の常識を知らないで、その反対のことを述べているのが、この所長だ。
 もう5月の末に近いのに、いまだに正しい認識を取ることができない。「豚インフルエンザはたいしたことはないな」というのが、世間の常識になりかけているのに、それを後追いするだけだ。世間が間違った情報に染まっているときに、それを正すことができず、徐々にそれを後追いするだけだ。
 こんな所長など、何の意味もない。

 ──

 比喩的に言おう。
 病気の患者がいる。その病気の名前は「無知」だか「馬鹿」だか知らないが、何らかの大規模な感染症である。それにかかった患者が大量にあふれている。ここで、岡部という医師が登場した。その医師は、何をしたか? 何もできないまま、ただ病気を見守っているだけだ。そうするうちに、この病気はどんどんひどくなり、いくつかの甚大な症状を出すようになった。(検疫とか一斉休校とか。)それでも、岡部という医者は、何もしないで、指をくわえているばかりだった。海外の医者は「ちゃんと治せ」と教えて、処方箋を教えてくれたたのに、岡部という医者は何もしない。やがて、5月の末になると、患者は症状を改善していった。自力で病気をいくらか治していったらしい。そのときになって、岡部という医者は、ようやく口を出した。「私が何もしなかったのは、正しかった。いくつかの症状が出たのも、正しかった。ただ、症状がちょっと重かったかな。でも、症状が出たのは、正しいことだったんだよ。最終的に治りかけつつあるんだから、私が何もしなかったのは正しかったんだ」

 無能という言葉は、彼のためにある。

 ──

 そして、これよりひどいのが、マスコミだ。感染症情報センターの所長が馬鹿なのは仕方ないが、よりによって馬鹿にばかりインタビューをしなくてもいいだろうに。どうせなら、木村もりよにインタビューをすればいいのに。(テレビ局の一部は、木村もりよにインタビューをしている。テレビの方がマシですね。)

 マスコミというのが、そんなに「権威」というものが好きなのならば、感染症情報センターなんていう無能な役所に頼らず、WHO や CDD という世界的な役所で尋ねればいいのだ。……というか、いちいち尋ねなくても、そこの広報センターで資料をもらって、それを記事にするだけでいいのだ。
 「 WHO や CDD ではこう述べています」
 という記事を仕立てれば、それだけで、日本政府の方針に対する巨大な指弾になる。
 なのに、そうすることもできずに、首相の三下みたいな感染症情報センターのお言葉を、ありがたくインタビュー記事に仕立てる。……情けなくて、涙が出るね。これじゃ、北朝鮮や中国の御用新聞と同じだ。政府の公式発表しか掲載しないのだから。そして、真実(世界の常識)を、国民の目から隠蔽しようとするのだから。

 こんなふうに、政府の宣伝ばかりを国民に振りまくマスコミは、有害無益だ。こういう連中が、パニックを巻き起こしたあとで、国民に「冷静になりましょう」と告げる。

 「おまえだろ!」と言ってやりたいね。

 ( ※ 「オマエモナー」だと脱力。  (^^); )



 [ 付記1 ]
 やっぱり、「日本疾病対策センター」の設立が必要だろう。その所長として、木村もりよを据えるべきだ。そうすれば、状況は大幅に改善するのだが。

 [ 付記2 ]
 と書いたあとで、新たなニュース。木村もりよが、民主党の参考人として呼ばれて、国会証言した。政府のインフルエンザ対策を批判する。
 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090528AT3S2800C28052009.html
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090528-OYT1T00503.htm
 http://nerituti.iza.ne.jp/blog/entry/1056728/
 http://blog.imadokipc.com/archives/2009/05/post_776.html

 たいしたものだ。役人として呼ばれながら、野党のために証言する。当然、冷や飯を食うのを覚悟だし、場合によってはクビになるのも覚悟だろう。(「お役所の掟」というのを書いて政府を批判した検疫官は、とうとうクビになってしまった。彼女もその覚悟はあるのだろう。)

 彼女のことを批判する人もいるが、日本では大部分が「パニック騒動」の賛同者だ。「パニックにならずに合理的に行動せよ」と訴えて、世界標準の方法を訴えているのは、彼女と私ぐらいだろう。
 一方、他の連中は、「世間はパニックになるな」と言いながら、世界標準からハズレた独自の方針を取ることで、世間をかえってパニックに追い込んでいる。

 まともなことを言っているのは、日本では彼女と私だけだ。……ただし、それゆえ、風当たりも強いようだ。
( ※ 前項のコメント欄でも、さっそく彼女への中傷が舞い込んだ。世間とちょっと毛色の違う意見を吐くと、たちまち中傷が舞い込む。)
( ※ ただ、中傷なら、まだマシかもしれない。民主党も、マスコミも、一般大衆も、はたまた多くの医師も、彼女の言っていることを、ろくに理解できないはずだ。話の内容には踏み込まず、「どんな悪口があるか」ということしか理解できまい。悲しいかな。それが日本の現状だ。)
 
 [ 付記3 ]
 木村もりよの国会招致で、政府が反論した。
 厚労省の塚原太郎大臣官房参事官は28日の会見で「機内検疫を始めた4月下旬時点でウイルスの病毒性は不明で、メキシコでも相当数の患者が亡くなっていた。検疫の実施は適切だった」と反論した。
( → 毎日新聞 2009年5月29日
 これは、ほとんど嘘である。
 形の上では、嘘は言っていない。しかし、「4月下旬時点でウイルスの病毒性は不明」というのは正しいが、「5月1日の時点でウイルスが弱毒性だということは、ほぼ判明していた」のである。( → 本サイトの記述
 遅くとも5月5日ごろには、弱毒性だということは判明していた。とすれば、それ以後には、ものものしい検疫は不必要だった。
 特に、検疫で発見されたあとの「隔離」は必要なかった。( → 5月10日の項目

 [ 付記4 ]
 なお、民主党が木村もりよを国会に招致したことは、称賛に値する。どうせ自分の政治のために利用しようという魂胆だろうが、だとしても、少なくとも真実を取り上げたという点で、嘘ばかりを流布するマスコミよりも百倍も好ましい。(民主党は、彼女の言っていることはわからないだろうが、だとしても、国会に招致したことは、称賛に値する。馬鹿のまぐれ当たりみたいなもので。  (^^); )
 彼女を利用して儲けようとするマスコミがあるなら、どんどん出てほしいものだ。そのことで、日本人の生命が救われるからだ。
 政府の垂れ流した嘘ばかりを垂れ流す官報みたいなマスコミは、善良に見えても、国民の生命を奪う。そんな偽善マスコミに比べれば、彼女を自分のために利用しようとする人々の方が、日本にとってはずっと有益だ。
 善意ある優しい殺人者よりは、悪徳な強欲な救済者の方が、ずっとありがたい。
 無知のまま治療して患者を殺す優しいヤブ医者よりは、治療費1億円を取って難病を治す悪徳医の方が、ずっとありがたい。
posted by 管理人 at 18:53| Comment(2) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この日本での豚インフルエンザパニック、外から見ていて滑稽なくらいでした。このパニック状態、まるで国や政府が国民をわざと不安定な方向に煽っている感じでした。こんなこと、許されるんでしょうか?まるで軍事色一色だった第二次世界大戦時のようです。”一億火の玉!”だとか”贅沢は敵!”だとか。洗脳じゃないですか。
Posted by 遠子 at 2009年05月30日 06:45
先日東京から出張でやってきた知人に聞いた衝撃の現実。彼の日本の会社の構内には、本社(アメリカ)からやってきた社員を一歩も入れてはいけないという社のルールが出来たそうです。それはアメリカ人社員はみな病気だろうが健康だろうが、会社から1km離れたホテルに隔離され、マスク越しでの会話しかさせてもらえないそうです。これっておもいっきり人権の侵害なのでは???

コロラド州の学校が夏に日本に行くプログラムがあったけれども、すべてキャンセルしたそうです。これはこっちのニュースでやってました。そうですよね、楽しみで行くのに、バイ菌扱いされるんですから。

ここまでくると日本の経済、危ないのでは?昔から夜になると閉まってしまい、世界で一番高い離着陸費がかかる滑走路が2本しかない(しかも大型機は決まった滑走路しか使えない)不便な成田空港よりは、24時間開いている、新しくて大きな韓国のインチョン空港の方(もちろん成田よりも格段に離着陸費は安い)にアジアの拠点を移そうかという話も出ていたくらいですから。いい加減目を覚ました方がよさそうですよ。
Posted by 遠子 at 2009年06月02日 02:53
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