2009年05月22日

◆ 日本感染症学会

 日本感染症学会という専門学会がある。これが「緊急提言」というレポートを出した。
  → 日本感染症学会 ──

 日本感染症学会という専門学会がある。これが本来は、豚インフルエンザを扱う専門の学会であるようだ。
 それがどうして人に知られないかというと、ずっと沈黙を守っていたからだ。私は本サイトでどんどん見解を出していたのに、この学会は1カ月ぐらいずっと沈黙同然。

 ただし5月21日になって、ようやく、「緊急提言」というレポートを出した。上記ページにもリンクがあるが、念のために記すと、これだ。(PDF)
  → http://www.kansensho.or.jp/news/090521soiv_teigen.pdf

 ──

 内容は、箇条書きふうに、列挙されている。それぞれの見出しを示すと、次の通り。(着色部は私が注目した点。)
  • (1) 過去の我が国における新型インフルエンザ流行の実態から学んでください
  • (2) 新型インフルエンザは、いずれ数年後に季節性インフルエンザとなって誰でも罹患しうる病気です
  • (3) 新型が流行すると青壮年層の被害が甚大となるのには理由があります
  • (4) 流行初期から一般医療機関への受診者が激増します
  • (5) 重症例にはウイルス性肺炎よりも細菌性肺炎例や呼吸不全例が多く見られます
  • (6) 一般予防策ではうがい、手洗い、マスクが効果的です
  • (7) 医療従事者の感染予防にはサージカルマスク、手洗い等が効果的です
  • (8) 全ての医療機関が新型インフルエンザ対策を行うべきです
 このうち、(3) の点については、次項で言及した。そちらを参照。

 (3) 以外の点については、私は前から同様のことを述べていたので、いちいち言及しない。(そもそも私の見解の方が、ずっと長くて詳しい。)

 なお、(8) は「診察拒否するな」という見解に合致する。大騒ぎをして診察拒否を正当化しようとした医者たちは、爪の垢でも煎じて飲んでもらいたいものだ。(舛添も、診察拒否をする医者を批判するときに、この言葉を引用すればよかったのだが。……当時は、日本感染症学会は黙っていたから、仕方ないか。それならせめて、私のサイトから引用すればよかったのにね。  (^^); )

 ──

 本項ではとりあえず、専門学会の見解を紹介しておいた。

( ※ 比べてみればわかるが、私の見解は専門学会の見解とほぼ同様だ。ただし、私が真似したわけじゃない。専門学会はずっと黙っていたが、私はずっと前からそう主張していたからだ。……ひょっとして、専門学会の方が、私のサイトを見て真似したのかもね。??    (^^); )

 


 [ 付記1 ]
 上記の「緊急提言」を読んで、「すばらしい」と称賛する医者が、ネットにたくさんいる。
 馬鹿言わないでほしい。感染学会は、ここ1カ月ぐらい、ずっと黙っていたのだ。最も必要なときに、ずっとサボっていたのだ。そして、それとほぼ同じ内容のことを、ひたすら情報提供していたのは、私なのだ。
 私の情報は、ネットで検索すれば、容易に見つかる。それを読みもしないで、同じ内容をずっと後から出した感染学会を称賛するようでは、ネットリテラシーが低すぎる。
 はっきり言っておこう。感染学会の「緊急提言」は、「証文の出し遅れ」だ。前項でも述べたように、政府はすでに方針を転換してしまっている。その方針転換は、18日の時点で、すでに示されている。下記項目の後半を参照。
  → 病気よりもパニックの拡大
 政府が方針転換を示してから、三日も遅れて、緊急提言を出している。これでは明らかに「証文の出し遅れ」だし、「緊急」になっていない。比喩的に言えば、患者が死んでしまってから(または病気が治ってから)、効果的な処方薬を処方するようなものだ。出し遅れ。

 今回の「緊急提言」は、内容としては妥当だが、たった一つ、難点がある。その題名だ。「出し遅れ提言」というのが、妥当な名称だ。

( ※ おまけに、内容が稀薄すぎる。「まとめ」としての意義はあるが、詳しい説明はない。これに比べれば、私のサイトの方が、圧倒的に詳しい。この一カ月間の私の提供した情報量に比べれば、「緊急提言」もとい「出し遅れ提言」の分量は、あまりにも少なすぎる。)

( ※ ちょっと笑える話もある。上記の「緊急提言」を読んで、「すばらしい」と称賛する医者には、「診察拒否は正しい」と大々的に主張していた連中がいるのだ。あのときは「診察拒否は正しい」と大々的に主張して、今度はその反対のことを言う「緊急提言」を称賛する。……自己矛盾していることに気づかない。頭が分裂的。医者より患者になるべし。)

 [ 付記2 ]
 この緊急提言は、私の見解に比べて、明白に抜けている点がひとつある。それは「耐性ウイルスの出現」への配慮だ。
 「タミフルの乱用は、耐性ウイルスの出現を招くので、タミフルを乱用するべきでない」
 この見解が抜けている。この見解は、私だけでなく WHO も示しているし、そもそも、「タミフルを乱用するべし」なんて方針を取っている国は世界に一つもない。(どこでも重症者や虚弱者に限定している。)
 政府の方針との整合性を重視して、政府に逆らえないのかもしれないが、こんなに重要なポイントを抜かすとは、困ったことだ。
 この分だと、1〜2年後には、豚インフルエンザに「タミフル耐性ウイルス」が出現する可能性がある。そうなったとき、責任を取れるのか? 取れないのであれば、ちゃんと「タミフルの乱用を避けましょう」と声明しておくべきだ。今からでも手遅れではないから、続報の形で、提言に続編を付けるべきだ。
posted by 管理人 at 19:46| Comment(3) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
その提言に

>短期間に10万人以上がICU に入院することになります。このことからも感染症を専門とする本学
会の立場からは、S-OIV は現時点でも軽症であると言い切ることはできません。

のようなことが書いてるのだが、あなたはそんなことを言っていたか?普通の風邪と同じだから騒ぐなと言い続けてただけでは?
Posted by のぐー at 2009年05月23日 00:14
それ、私もちゃんと読みましたよ。あなたはちゃんと読んでいないの?
 
 「発症時の臨床的重症度は季節性インフルエンザ(seasonal influenza)と同程度ではないかと楽観視する意見も強まっています。しかし、米国CDC が中心となってまとめた米国カリフォルニア州内の4 月15 日から5 月17 日までの流行状況の報告1)では5%以上の例が入院し、その1/5(全体の1%)はICU で治療を受けたことも明らかにされております。
 これをわが国に当てはめると、毎年の季節性インフルエンザと同様に1,000 万人以上がS-OIV に感染した場合、短期間に10 万人以上がICU に入院することになります。このことからも感染症を専門とする本学会の立場からは、S-OIV は現時点でも軽症であると言い切ることはできません。」

 第1に、楽観視する意見が強まっている。そして、それは、私だけの見解でなく、世間でどんどん広まっている見解だ。少なくとも以前に比べれば、はるかに「楽観」の意見が強まっている。(当初はペスト並みの扱い。それよりはずっと軽いのが現時点では共通認識。)
 第2に、「軽症であるとは言い切れない」だけ。真っ黒だというのが否定されたが、真っ白だとは言えない、というだけ。どっちにしろ、「真っ黒だ」と世間が騒いでいたときに、「ほとんど白だ」という見解は正しいと判明している。ただし、純白とまでは言えないだけ。「純白じゃないら、おまえは間違っている」とあなたは言いたいんですね。そういうのは、誤読。話の趣旨を理解していない。ただの揚げ足取りか、いやがらせ。
 第3に、「これをわが国に当てはめると」という仮定は、単純計算で成立しない。初期の死者数が全体に当てはまるわけがない。メキシコだって、初期の死者数は非常に高率だったが、それが全国に波及したとき、どれだけの死者が出たか? 今現在、豚インフルエンザは収束して、この1週間は死者ゼロです。

 話をちゃんと読めば、以上のようにわかります。一部分だけを抜き出して、曲解するのは、誤読。日本語読解力の欠落。いちいち文句を言う前に、ちゃんと文章を読みましょう。

> 普通の風邪と同じだから騒ぐなと言い続けてた

 学会だって基本的に同様ですよ。例外があるというなら、私だって例外的なことはいくつか留保していますよ。「初期の死者数」とか「若年の死者数」とか。
 私の主張を「季節性インフルエンザと完全に同じだ」と思っているのなら、あなたの勘違いだし、誤読も極まれり。
Posted by 管理人 at 2009年05月23日 00:35
すぐ上の引用文の箇所、学会は書き直した方がよさそうですね。早とちりして、
 「短期間に10 万人以上がICU に入院することになるぞ! 大変だ! すごい病気だ!」
 と大騒ぎする粗忽者がたくさん出そうだから。
 そういうのが少なくとも一人はいます。
Posted by 管理人 at 2009年05月23日 01:03
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