2009年05月16日

◆ 豚インフルエンザの現状

 豚インフルエンザの現状について、ニュースの紹介をしておこう。日本と世界。
  ・ 日本では、二次感染者が出現した。
  ・ 世界では、感染者はすでに多数。死者は少数で、無視していい程度。 ──

 国内では二次感染者が出現し、世界でも多数の感染者が出現した。
 そこで、日本と世界とに分けて、それぞれ論じよう。

 日本の感染者

 日本でも感染者が国内で発生した。二次感染。政府やマスコミはこれで大騒ぎをしている。
 しかし、この件はすでに述べたとおりで、予想された事態だし、騒ぐことは何もない。政府は「感染の拡大を防ぐことが大事だ」と述べているが、とんでもないことだ。
 感染の拡大を防ぐことは、できない。ここでは、「できない」と理解した上で、「少しは感染を遅らせる」という措置しかとれない。とすれば、「大変だ、大変だ」などと騒ぐべきではないのだ。
 しかるに政府は、大騒ぎのあげく、次の方針を決めた。( 2009-05-16 )
   → 生徒感染なら臨時休校=政府対策、第2段階へ格上げ
 馬鹿げたことだ。こんなことをやっても、どうせは豚インフルエンザは流行する。そもそも、生徒感染なんかを言う前に、社会に感染がひろがるはずだ。学校だけ封鎖しても意味がない。
 これがいかに馬鹿げているかは、「季節性インフルエンザが最初に見つかった学校を休校にする」という策の馬鹿らしさを考えればいい。そんなことをしようが、季節性インフルエンザの流行を止めることはできない。
 休校によって豚インフルエンザの蔓延を阻止することはできない。その一方、パニックふうの騒ぎを蔓延させる。害だけがあって、益がない。

 ──

 【 追記 】 ( 2009-05-17 )
 17日の朝刊は大々的な騒ぎ。天地がひっくり返ったかのような過熱報道。
 しかし、国内感染者が出るということは、(このシリーズの)最初から私が指摘している。
   → 潜伏期と保菌者 ( カテゴリ一覧
 今回の事態は、とっくに予想されていたことだ。あわてる必要は全然ない。
 マスコミは「国内感染者が出ないように水際措置を!」と過熱報道し、そのあとで今度は「国内感染者が出た!」と過熱報道する。……こういうのは、自作自演じゃないの? マッチポンプ。最初から冷静に報道すればよかったのに。
 とにかく、マスコミは、「大変だけど冷静になろう!」と述べて人々の過熱をあおるべきではない。むしろ、「大変じゃない」と報道するべきだ。つまり、「これは季節性インフルエンザよりも軽い病気だ」と。

 なお、その項目でも記しているが、次のことを予想しておいた。
 「国内には感染者が流入するとしても、大流行にはなるまい」

 理由は、「温暖な季節だから」だ。
 ただ、予想に反して、最近、ちょっと温暖でない。今年の五月はちょっと涼しい。そのせいで、季節はずれのインフルエンザ(それもソ連型)がいくらか流行しているようだ。
 といっても、豚インフルエンザが大流行することはあるまい。この季節では、少しぐらいは流行しても、社会全体に大流行することはないはずだ。(冬じゃない。)また、もうすぐ五月下旬になるし、そうなればかなりポカポカするから、ウイルスは死滅していく。
 私としては、現状で、ほったらかしておいていい、と思う。
( ※ 学校は、休校の必要はない。そもそも学校だけが感染源であるはずがない。……とはいえ、「運動大会の中止」ぐらいはしてもいいだろう。健康増進のためのスポーツが、病人を増やすのでは、本末転倒だからだ。クラブ活動も1週間ぐらいは休止にしてもいいだろう。……せいぜいその程度。)
( ※ どうしても対策をしたいのなら、豚インフルエンザの対策よりは、季節性インフルエンザの対策の方がいい。タミフルも効かないしね。  (^^); )

 世界の感染者

 世界ではどうか? 米国の状況を示す。( → 日経のニュース
  ・ 感染者は 10万人以上 (推定)
  ・ 死者は5人

 いずれも米国の数値。10万人で5人の死者なら、これはもう無視していい程度だ。
 老人や病人ならば、もともと健康が弱まっている。季節性インフルエンザですら、かなり多くの死者が出る。豚インフルエンザでも、いくらかは死者が出る。しかし、老人や病人など、特殊事情にある人は別として、普通の人なら、死ぬことはまずありえないだろう。(リレンザもあるから、重病化する前に治療される。)(メキシコのように放置されれば死ぬこともあるが。)

 ──

 ただし、次のニュースもある。
 メキシコでは4月末までに6000〜3万2000人が感染したとする推計をまとめた。2万3000人が感染したとすると、致死率は 0.4%に上るという。
( → 読売新聞 2009-05-12
 これは間違いではないが、これをもって、「致死率が高い」と即断してはならない。ちゃんと、よく読もう。これは「メキシコで」という限定が付く。「医療制度がまともになくて、重症化しても病院に行けない」という貧困国におけるデータだ。
 この注意点は、次のニュースにも、少し説明してある。
 新型インフルエンザの感染者は9日現在3400人を超えたが、死者は新たに報告されたカナダの1人を加えても、メキシコと米国の3か国計48人に限られている。全体の致死率は約 1.4%だ。
 季節性インフルエンザの致死率 0.05% 〜 0.1%に比べると高く見えるが、メキシコでは医療機関で治療を受けずに快方に向かった感染者が数多く存在すると考えられ、実際の致死率は今後さらに下がると予想されている。
( → 読売新聞 2009-05-09
 現時点では、感染発生源のメキシコの死者がやたらと多くカウントされている。「豚インフルエンザによる死者は、季節性インフルエンザによる死者の4倍だ」と米サイエンス誌は示したが、これはメキシコの分を含めての数字だ。これはメキシコの特殊事情による。(病気による死者というよりは、貧困による死者だろう。)
 一方、メキシコ以外では、ほとんど死者は出ていない。こちらの数字の方が、インフルエンザの病原性の数値としては正しい。とすれば、やはり、全然騒ぐ必要はない。

 先進国ではどうか? 先進国でも、数人の死者はいる。しかし、そんなのは、無視していい。
 だいたい、季節性インフルエンザによる死者をカウントすれば、毎年数万人になるのだ。どうしてそっちを報道しないで、ほんの一握りの豚インフルエンザの死者を報道するのか? 馬鹿げている。
 数万人の死者を無視して、数人の死者ばかりを大々的に報道する愚。……というか、そっちばかりに目を奪われる愚。

 結論。

 豚インフルエンザによる被害は無視していいレベルだが、豚インフルエンザについての世間の狂想曲はまだまだ続くだろう。
 人々の頭がすでに悪いウイルスに感染してしまっている。(?)
 


 [ 付記 ]
 次の報道もある。
 「新型インフルエンザの感染者は、…… 15日現在の人数は 37カ国・地域で約8000人に拡大。死者は米国、メキシコで増え、4カ国で計72人となった」
 ( → MSN産経ニュース 2009-05-16

 どんどん増えているが、これも予想通り。何度も述べたが、豚インフルエンザの流行は止められない。世界中で流行する。今は 37カ国・地域だが、やがては全世界になるはずだ。
 しかしそれは、季節性インフルエンザと同じことである。別に、どうってことはない。
 どうせ報道するなら、「世界中で流行しかけているが、メキシコを除けば、死者はほとんど出ていない」と報道するべきだろう。
 マスコミというのは、何事もセンセーショナルに報道するのが仕事だと思っている。困ったものだ。
posted by 管理人 at 18:47| Comment(7) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
朝青龍がインフルエンザかも? ……というニュースがあった。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090516-00000013-dal-fight
 http://www.sanspo.com/sports/news/090516/spf0905160502001-n1.htm
 http://www.nikkansports.com/sports/sumo/news/p-sp-tp3-20090516-495033.html
 症状は「『せきとたんがひどく、胸も痛い』と言っている。37・2度の熱がある」とのことだ。
 ただし、「インフルエンザの検査も受けたが陰性だった」とのこと。「ただのかぜですね」という診断で、「インフルエンザではない」という判断らしい。
 ──
 しかし、これは妥当ではないと思う。インフルエンザの検査で「陰性」であることは、「インフルエンザではない」ことを意味しない。たとえインフルエンザであっても、初期はまだウイルスが多く繁殖していないので、陰性になることがあるからだ。陽性ならば「インフルエンザである」と言えるが、陰性であることは「インフルエンザでない」とまでは言い切れない。
 ま、「微熱を出しているほど発症しているのに、それでもまだ陰性だから」という判断なのかもしれない。
 しかし、ただの鼻風邪ならば、「せきとたんがひどく、胸も痛い」というほどの症状にはならないだろう。
 私が医者ならば、「インフルエンザではない」と断言したくない。「インフルエンザになった可能性は半々」と診断したい。その上で、「念のためにリレンザを服用する」というのをお勧めすると思う。
 普通の人と違って、力士がインフルエンザになると、リスクが高い。豚インフルエンザである可能性は少ないと思うが、ソ連風邪である可能性はいくらかあると思う。その意味でも、タミフルでなくリレンザが適当だろう。副作用もあまりない。
 リレンザには「予防的服用」という用途もあるのだし、私だったら、リレンザの服用をお勧めしたいですね。(私の判断が裏目に出ても、たいしたことはない。相撲診療所の判断が裏目に出たら、かなりやばい。)
 世間は豚インフルエンザに目を奪われすぎるせいで、ソ連風邪のことをすっかり忘れてしまったかのようだ。
Posted by 管理人 at 2009年05月16日 23:07
本当にマスコミと政府は、リスク評価ができないですよね。なんなんでしょうか? 教育の問題か、科学リテラシーの問題でしょうか。
Posted by マスコミにはバカしかいない at 2009年05月17日 00:28
真ん中へんに 【 追記 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2009年05月17日 08:31
マスコミ、特にテレビ局は大騒ぎしたくてしているのでリスクとか関係ないんじゃないですかね。
大騒ぎしたほうが視聴率稼げるので、テレビ局からしたら大騒ぎして世間がパニックになった方が得。
そこまで明確に考えてパニックを誘導してないとは思いますが、視聴率至上主義である構造上、テレビの騒ぎ方(あおり方)は必然である気がします。
でも、新聞はもううすこし冷静に客観的な記事をかけるはずで、今の状態では存在意義がなく、むしろ有害です。
Posted by T.M. at 2009年05月18日 13:10
うちはアメリカのミネソタ州に住んでいて、毎年夏には孫の顔見せにじじばばのうちへ行くのですが、今年は”かえってくるな〜!”の一点張り。取りつく島もない感じです。ミネアポリスからと、デトロイトからの便で豚インフルエンザの感染者が出ましたが、みな乗り継ぎでカナダから、もしくは東海岸からの人々でした。いずれもミネソタ州に住んでいる人ではありません。ミネソタでは現在約44人ぽっちりほどが感染している程度です。日本など400人近く感染しているではないですか。我が家のまわりでも、子供の学校でも感染者はなく、申し訳程度に”今こんな病気が一応あるみたいですよ”という紙を学校からもらっただけです。実家は東北で、まだ感染者が出ていないからコワいのでしょうか?ちなみにヨーロッパでは、あまりの日本の過剰反応に、”日本に行くと日本インフルエンザ(豚インフルエンザ)になる!”と言われているとかいないとか。
Posted by 遠子 at 2009年05月30日 06:20
学校閉鎖にして、行くところがないから繁華街にみんなで集まってカラオケしに行ってたら、かえってみんな感染しやすいのでは?学校を休みにする意味がまったくないと思います。
Posted by 遠子 at 2009年05月30日 06:24
治る薬が存在するのになぜ騒ぐのでしょうか。理解できません。
Posted by 遠子 at 2009年05月30日 06:26
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