2009年05月12日

◆ ソ連風邪も豚インフルエンザだ

 ソ連風邪もまた、(一種の)豚インフルエンザと見なせる。「豚由来のインフルエンザ」という意味で。
 とすれば、(本来の)豚インフルエンザは、すでに世界中で広範に蔓延しているのだ。 ──

 「豚インフルエンザは怖い!」という騒ぎが起こっている。だが、豚インフルエンザなんてものは、騒ぐほどのことはない。
 そもそも、ソ連風邪(普通の季節性インフルエンザ)もまた、「豚インフルエンザ」と見なせるのだ。言葉の本義では。つまり、「豚由来のインフルエンザ」という意味で。

 本項ではこのあと、「豚インフルエンザ」という言葉の二重性を避けるために、あえて次のように使い分けよう。
  ・ メキシコ風邪  …………… 2009年4月から話題になったもの
  ・ 豚由来インフルエンザ …… (字義通り)


 メキシコ風邪(今騒がれているもの)は、豚由来インフルエンザの仲間の一つにすぎない。同じ仲間には、スペイン風邪やソ連風邪も含まれるようだ。また、これらはすべて同一系統(子孫関係)にあるらしい。次のように。

  スペイン風邪 → ソ連風邪 → メキシコ風邪


 この三つの風邪は、いずれも「A型H1N1型」である。
 しかも、いずれも同一系統(子孫関係)にあると推定されている。
 また、いずれも豚由来インフルエンザであるらしい。( → 参考

 最後の「いずれも豚由来」という点については、定説とはなっていない。だが、私としては、各種文献・報道などから、「その通りだろう」と判断する。たぶん間違っていないだろう。

 ──

 というわけで、「豚インフルエンザ、怖い」と大騒ぎするほどのことはないのだ。それは、急に現れた毛色の違うものではなく、見慣れたソ連風邪の亜種みたいなものであるにすぎないのだ。
 「幽霊の 正体見たり 枯れ尾花」
 みたいなものである。
 「新型インフルエンザ 正体見たり 季節性インフルエンザのそっくりさん」
 という感じだ。

 ──

 そう理解しておこう。特に医者は。……そうすれば、「医者による診療拒否」みたいな馬鹿げた騒ぎは起こらないで済むはずだ。
 先の「パニックの弊害1」という項目では、「豚インフルエンザでもない季節性インフルエンザに診療拒否」という話題を扱った。だが、たとえ本当に豚インフルエンザだとしても、そんなふうに怖がる必要はないのだ。むしろ、「医者はみんな、豚インフルエンザ(メキシコ風邪)にかかればいい」とすら言えるのだ。( → 豚インフルエンザとデマ

 とにかく、「メキシコ風邪なんて、ソ連風邪と同様だ」(どちらも豚由来インフルエンザで、たいして差はない)と理解するべきだ。
 
 教訓。

 人は未知のものには、やたらと怯える。子供が闇夜で幽霊を怖がるように。しかし、そこに光を当てれば、正体がわかる。
 だから今は、医学的な真実をはっきりと理解するべきなのだ。現状では、メキシコ風邪とソ連風邪の異同さえ、ろくにできていない医学関係者が多すぎる。世間のほとんどは、「前者は超危険、後者はほぼ安全」と思っている。そして、そういう世間の誤解に対して、たいていの医者は、それを是正するどころか、自分もまたその誤りに染まってしまっている。
 だからこそ、今は正しい医学知識を普及させることが大切なのだ。特に、勘違いして怯えている医者に向けて。
 


 [ 付記1 ]
 この問題には、言葉も影響しているかもしれない。「豚インフルエンザ」という名前から、「鳥インフルエンザ」に似たものだと類推されて、「危険なパンデミックの一種」と見なされがちだ。「新型インフルエンザ」という名称もまた同様。
 この意味でも、「ソ連風邪」と同類の「メキシコ風邪」という呼び名にして、双方を並置するのが一番いいかもしれない。
 「新型インフルエンザ」という名称は、好ましくない。何だか、エイズやエボラ熱みたいな感じだと連想されやすい。……つまり、命名の時点で、あえてパニックを起こしやすい命名にしている。困ったことだ。 

 [ 付記2 ]
 スペイン風邪とソ連風邪とメキシコ風邪の類似性については、下記を参照。
  → Slash Dot
 ここには、次の一文がある。
 「おそらくはヒトの世界ではH2N2に駆逐されたH1N1が、何らかの形で自然界に保存されており、それが何かのきっかけで再びヒトの世界に現れたものだと考えられてます。」
 ここで、「何らかの形で自然界に保存されており」というのは、「豚が宿主となって、そのウイルスを保存していた」ということだ。そう推定されているわけだ。
( ※ 上記リンク先は、これだけでは典拠としては信頼がおけないかもしれないが、別に複数の出典がある。)



 [ 参考 ]
 本サイトないし本項での記述に、かなり似た英文ブログを、あとでたまたま見つけた。「騒ぎすぎるな」という趣旨。紹介しておこう。
  → Would Getting Swine Flu Now Be A GOOD Thing?

 エキサイトによる自動翻訳は、下記の通り。
 《 現在豚インフルエンザにかかるのは、良いことでしょうか? 》
 保健当局は、比較的温和な豚インフルエンザ(感染しているもののほんのわずかは死んだ)が何かより致命的なものに変異できたという警告です。
 しかし、当分、それはかなり無害です。
 そのうえ、ウイルスの1つのバージョンに親しむ人々は時々その後の、そして、変異しているバージョンへの免疫を確立するかもしれません。 例えば、ロサンゼルスタイムズは現在の大発生に関して以下を書きます。
 ラルフ・トリップ(ジョージア大学のインフルエンザの専門家)は、ウイルスのタンパク質を作る指示に関する彼の早めの分析が、世界中で最大200万人を殺した1957年のインフルエンザの大流行にさらされた人々が、何らかの免疫を新種に持っているかもしれないのを示したと言いました。
 それによって、なぜメキシコで、より年取った人々を割いたかがわかるかもしれません。(そこでは、豚インフルエンザが最も致命的です)。
 同様に、National Public Radioは以下を含んでいた話を走らせました:
 聖バードのものとロイヤルロンドン病院のジョン・オックスフォード教授は、用心深い楽観主義の何らかの理由があると言います。
 「惑星のほとんどの人々が何らかのメモリを持って、1978年以来H1N1ウイルスを偶然見つけているので、ある意味で、それは最も軽いシフトの1つです。」と、オックスフォードは言います。
 厚生省職員は、この新種のウイルスをH1N1と呼んでいますが、また、それは、今日広い流通中であることのウイルスの種類です。 そして、それには、おもしろい歴史があります。 1920年代、30年代、および40年代までそれは優位なインフルエンザ・ウイルスでした。 オックスフォードは、それが1957年に見えなくなったと言います。(その時、それは別のインフルエンザ・ウイルスによって置き換えられました)。 しかし、次に、H1N1の緊張は1977年に突然再現しました…
 このウイルスのdescendentsはまだ循環しています。 彼、大部分がだれを住ませるかというメモが遭遇していた状態で持っている、新たに、現れたH1N1ウイルスは軽い病気だけを開発したように思えて、彼は、それが私たちが皆、さらされているからである遠戚(1970年代に現れたH1N1ウイルス)に推測します。
 「おそらくその逃げられたウイルスは、現在、このブタものに直面して何らかの利益を提供するでしょう。」と、オックスフォードは言います。
これは鉄で包まれた保証ではなく、博覧な思惑です。
 本当に、今日、と世界保健機関の高官は得て、回復するその民族を言いました--豚インフルエンザは将来、現在、豚インフルエンザにかからない人々より同様のウイルスから保護されるでしょう。
 明確に、福田桂治(米国疾病対策センターのインフルエンザブランチの元長官の疫学者、および現在のWHOの「インフルエンザチーフ」)は、一般に、インフルエンザ感染症が「2、3の年」の間いくらかの免疫を与えると言いました。 (数年間の「ウイルス自体が十分変化するので、それはちょっとあなたの身体のための新種のウイルスであり」、人々が再び影響されやすくなった後に、福田は、それをレポーターに言いました。)
 豚インフルエンザが現在、それほど致命的ではありませんが、より致命的になるように変異できるなら、それは潜在的に致命的な将来の変異への少なくとも何らかの抵抗を組み込むのを助けるかもしれないので、現在豚インフルエンザにかかるのが、良いことであるかもしれないかどうかに関する疑問を挙げます。
 注意: 私は医学か健康管理専門家ではありません、そして、これは健康管理アドバイスか情報を構成しません。 最初に医師に相談せずに、あなたはどんな医学の、または、健康関連の決定もするべきではありません。
 私が指摘しているすべては豚インフルエンザにかかることへの恐怖が現在大げさであるということです、少なくとも他の健康上の問題を持って、ゆったり過ごさない人々にとって、ウイルスはまだ比較的無害です。



 【 関連項目 】

 → 豚インフルエンザは新型でない
   ( 豚インフルエンザを「新型」と表現する人が多いが、実は「新型」でも「新種」でもなく、ただの「亜型」にすぎない。)
posted by 管理人 at 19:29| Comment(0) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
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