2009年05月07日

◆ 豚インフルエンザを促進せよ(!?)

 豚インフルエンザは、撲滅するよりは、促進した方がよさそうだ。病気を促進すれば促進するほど 被害が減る、という逆説が成立するだろう。(たぶん。)    (^^)v ──

 「豚インフルエンザを撲滅するべきだ」
 というのが世間一般の評価だろう。しかし私は、別の方針を提言したい。
 「豚インフルエンザを促進するべきだ」
 と。これは、断言するほど自信はないのだが、それが正しい処置であることを、私はかなりの強さで確信している。

 理由は、下記の通り。
  ・ 豚インフルエンザは、弱毒性である。
  ・ 同等の毒性のインフルエンザは、他にもある。(A型の亜型)
  ・ 他のものと違って、豚インフルエンザにはタミフルが有効だ。
  ・ どっちみち、何らかのインフルエンザの流行は、避けがたい。


 このうち、最後の点が重要だ。何らかの悪が避けられないのであれば、大きな悪よりは、小さな悪を選びたい。(これが根拠となる。)

 ──

 つまり、こうだ。
 「インフルエンザの撲滅、というのは理想だ。しかし現実には、すべてのインフルエンザを撲滅することはできず、毎年、何らかのインフルエンザが流行する。そのなかで、どのインフルエンザが流行するか、という選択の問題があるにすぎない。そして、選択肢のうちには、(タミフルへの)薬剤耐性を持つタイプと、持たないタイプとがある。とすれば、薬剤耐性を持たないタイプ(つまり豚インフルエンザ)が流行した方が、好ましい。そうすれば、タミフルで対処できるからだ」


 つまり、次の二者択一だ。
  ・ 薬剤耐性を持つインフルエンザ   (従来タイプ)

     …… 高齢者や幼児の死者が増える (タミフルが無効
  ・ 薬剤耐性を持たないインフルエンザ(豚インフルエンザ)

     …… 高齢者や幼児の死者が少ない (タミフルが有効)

 従来タイプのインフルエンザにかわって、豚インフルエンザが流行すれば、感染者の総数は増えるだろうが、死者の総数は減りそうだ。そして、大切なのは、感染者を減らすことではなく、死者を減らすことなのだ。
 以上が私の見解だ。

 ──

 もちろん、上記の見解は、医学的に検証されたわけではない。その意味で事実だと確認されたわけではない。人命に関することだから、あっさりと判断を決めつけるのは、早計だろう。
 とはいえ、現実には、その逆のことがあっさりと早計に判断されている。「豚インフルエンザを撲滅することが有効だ」というふうに。

 しかし、そうやって豚インフルエンザを撲滅すれば撲滅するほど、かえって従来タイプの季節性インフルエンザが流行するだろう。そして、それに対しては、タミフルは無効だから、死者はかえって増えることになる。
 つまり、(オバマ大統領を初めとして)人類は「豚インフルエンザの撲滅」をめざして熱中することで、かえって死者数を増やそうとしていることになる(らしい)。

 報道によれば、豚インフルエンザによる死者数は、現時点で、数十名程度らしい。現段階でも、少しずつ増えているようだが、だとしても、従来型インフルエンザによる死者数(= 日米1国で数万人)を大幅に下回る。
 もちろん、現時点では「感染者数がまだ少ない」という事実があるから、従来型インフルエンザに比べて安全だとは言えない。とはいえ、少なくとも、「タミフルで対処できる」という処方が存在している分、従来型インフルエンザよりは はるかに有利であろう。(人類にとって有利。)

 結局、人類にとって対処しやすいものをどんどん撲滅して、その結果、人類にとって対処しにくいものを増長させることになる。それが現状のめざす方向である。
 これもまた、人類の愚かさの典型か。
 

 [ 補足 ]
 なお、私の個人的な嗜好を言うのであれば、本項とは逆の方がいい。つまり、豚インフルエンザよりは、季節性インフルエンザの方がいい。どうせどちらかが流行するのならば。
 なぜか? 豚インフルエンザは、下痢性だからだ。下痢性のインフルエンザというのは、死ぬような苦しみを味わうことが多い。苦しいのがイヤだからだ。(根性なし?  (^^); )
 豚インフルエンザだって、季節性インフルエンザだって、私はどっちみち自分の免疫で治す。だったら私としては、どっちが流行しても、構わない。どちらかと言えば、下痢性の方が好ましくない。そういうこと。
 ただし、私が高齢者か幼児だったら、豚インフルエンザの方が絶対にいい。豚インフルエンザならばタミフルで治せるが、季節性インフルエンザならば(タミフルが無効なので)死ぬ危険があるからだ。「苦しむ危険と、死ぬ危険の、二者択一」となれば、どちらを選ぶかは自明だろう。

 結局、豚インフルエンザと季節性インフルエンザのどちらを取るかは、「自分のエゴを優先するか、高齢者や幼児への優しさを優先するか」という問題だろう。
 そして、世間の大多数は、エゴイストである。自分が感染しないことが最優先である。高齢者や幼児が死ぬことなど屁とも思っていない。かくて、弱者はどんどん死ぬ。
 


 [ 付記1 ]
 念のために、あらためて解説しておく。
 本項の趣旨は、次の二者択一ではない
   豚インフルエンザの 「流行/非流行」

 かわりに、次の二者択一だ。 
   薬剤への 「耐性ウイルス/非耐性ウイルス」

 どうせ流行するなら、耐性ウイルスよりは非耐性ウイルスの方がマシだ、ということ。前者には対抗手段を失うが、後者には対抗手段があるからだ。

 ( ※ 注記。「耐性ウイルスには、リレンザがあるぞ」という見解は、却下する。リレンザは備蓄がないからだ。大量の備蓄があるのはタミフルのみ。)

 [ 付記2 ]
 どうして「あれかこれか」という二者択一が成立するかというと、次のことがおおむね成立するらしいからだ。
 「同じタイプのインフルエンザは、同時には流行しない」

 たとえば、A型なら、二種類のA型(亜型同士)は、同時に流行しにくい。特に、「A型H1N1型」という小さな型まで一致すると、同時に流行することはあまりないだろう。
 これはどうしてかというと、同じ型であれば、免疫が双方に効くからだ。たとえば、「A型H1N1型」の豚インフルエンザが流行すれば、それに対する免疫ができて、その免疫は、同じく「A型H1N1型」のソ連型にも有効となるだろう。
 これは、個人差があるので、必ずそうなるとは限らないのだが、おおむねそういう傾向がある。だから、同じ型のもの同士(亜型同士)については、「あれかこれか」という二者択一がおおむね成立するわけだ。

( ※ ただし、このことは、A型とB型では成立しない。A型とB型に同時に感染する例は、さして珍しくないようだ。 → Q&A



   ※ 以下は、特に読まなくてもいい。

 [ 注記1 ]
 念のために、注記しておこう。本項は、
 「これこれの医療政策を取れ」
 という医療の提言ではない。私は別に何の政治的権限もないのだから、そういう種類のことは言わない。
 私が言いたいのは、むしろ、
 「現状の医療政策には問題がある」
 という難点の指摘であり、
 「かわりにこういう医療政策をとれる」
 という発想の呈示だ。ここでは、「選択肢の呈示」だけがある。そのあと、「選択肢から選択する」ということは、他人に委ねられている。(権限のある人に。)
 
 で、本項の役割は何かというと、「新たな発想を示す」ことで、「発想のバリエーションをひろげる」ことだ。
 このように、発想の幅を広げるのが、本サイトの一般方針だ。何らかの決定と押しつけることとは違う。勘違いしないでほしい。
 私は別に、「自分が正しい」と主張して威張りたがっているわけじゃない。単に、世間の人々が「自分たちは正しい」と思いながら誤ったことをしているのを、指摘しているだけだ。(太陽光発電であれ、レジ袋有料化であれ、世間の人々の誤りを指摘する。)
 なお、そこでは、正誤の判定まではしない。自分の正しさを主張しない。他人にはない新たな視点を提出することだけが目的だ。

 [ 注記2 ]
 「豚インフルエンザを促進する」
 という本項の方針を読んで、
 「豚インフルエンザのウイルスをばらまく気か! 炭疽菌の犯人みたいに! そんなことをして、被害者にどう詫びるんだ!」
 という批判も予想される。  (^^);
 いやね。私は別に、「ウイルスをばらまけ」と言っているわけじゃない。ま、妥当な策としては、次のことだろう。
 「豚インフルエンザの感染拡大を、阻止しない

 つまり、何もしないことだ。(阻止するという現行の策とは逆。)
 特に、「促進」の政策を取る必要はなく、「阻止」をやめるだけでいい。「促進」を心に秘めながら。
 だから、「促進」というのは、レトリックな言葉とも言える。(誇張法。)
 というわけで、あまり字義通りに受け取って、頭に血をのぼらせないようにしてほしい。頭に血をのぼらせると、脳溢血で死ぬ恐れがあります。  (^^);
 
 [ 注記3 ]
 ちょっと皮肉を言おう。
 ブッシュは「イラクを救う」と称して、イラクを破壊してしまった。
 オバマは「人類を(豚インフルエンザから)救う」と称して、人類を(季節性インフルエンザで)死者続出にさせてしまう。
 どっちも似たようなものだ。
( ※ オバマじゃなくて、ノッチのせいだ、と言うなかれ。  (^^); )


 [ 注記4 ]
 本項の趣旨に反するようだが、次のことが言えそうだ。
 「少なくとも豚インフルエンザの流行の当初は、水際での阻止に努めた方がいい」
 理由は、次のことによる。(引用。)
  (スペイン風邪では世界中で)患者隔離と接触者の行動制限は広く適用されました。感染伝播をある程度遅らせることはできましたが、患者数を減らすことはできませんでした。
 このなかでオーストラリアは特筆すべき例外事例でした。厳密な海港における検疫、すなわち国境を事実上閉鎖することによりスペインフルの国内侵入を約6ヶ月遅らせることに成功し、そしてこのころには、ウイルスはその病原性をいくらかでも失っており、そのおかげで、オーストラリアでは、期間は長かったものの、より軽度の流行ですんだとされています。
( → 新型インフルエンザ情報室
 このことが成立しそうだ。スペイン風邪も、大流行したのは、一冬限りだ。翌年には、大流行は収まっている。とすれば、最初の時期をうまくしのげば、あとは何とかなるらしい。
 今回は……
 うまく行けば、この半年間をしのげば、何とかなりそうだ。(ただしその可能性は低い、と私は思う。)
 現実的には、今年の秋から世界中でかなり流行するだろうが、その際、外国で流行していても、日本では水際で阻止すれば、日本でだけは流行を最小化できるだろう。その間、外国で流行しているうちに、ウイルスは病原性を弱めるだろう。
 何だか、「自分だけ良ければいい」という発想みたいだが、これはしょうがないですね。別に、健康人のエゴで弱者を死なせるわけじゃない。国ごとの対処の差であるにすぎない。「馬鹿はインフルエンザにかかり、利口はインフルエンザにかからない」ということが、国レベルで成立するだけだ。
 「馬鹿は風邪を引かない」の反対で、「馬鹿だけが風邪を引く」というふうになるわけだ。国レベルでは。  (^^);

 [ 注記5 ]
 細かな話。薬学の話。(読まなくてよい。)

 豚インフルエンザには、タミフルとリレンザの双方が有効だという。ただし、アマンタジン・リマンタジンには耐性があるという。
  → 出典 (著者のプロフィールもあり)

 アマンタジン・リマンタジンは、豚インフルエンザに処方されたわけではない。だから、処方されて耐性ができたのではない。もともと耐性があったのだ。というのは、もともとアマンタジン・リマンタジンの乱用で、世の中のインフルエンザはアマンタジン・リマンタジンへの耐性のあるものばかりになってしまっていたからだ。
 このことからも、次の教訓が得られる。
 インフルエンザには、薬剤は乱用するべきではない。乱用すれば、耐性ができる。すると、薬剤はもはや処方できなくなる。(実際、季節性インフルエンザに対して、タミフルは処方できなくなっている。)
 逆に、乱用しなければ、薬剤耐性のないものが流行するから、薬剤は有効になる。そのことで、少数の重症者には薬剤を処方できる。(実際、豚インフルエンザに対して、タミフルは処方できる。今のところは。)
posted by 管理人 at 13:16| Comment(2) |  インフルエンザ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最後のあたりに [ 注記4 ] を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2009年05月07日 22:21
神戸で、「Aメキシコ型」(←個人的には、今回のウイルスに対する名称はこれがいいと思う、「新型」と言う表現は、意図的にウイルスの脅威を煽っているようで不愉快だ)インフルエンザの国内感染が確認された。
季節柄重症化しないとは思うが、取り合えず快方に向かうことを願う。
本題はここから。
今回の神戸の高校生と言い、成田で隔離された感染者と言い、今感染したことは、見方を変えれば幸運と言えるでしょう。
この時期にウイルスが国内で感染したのなら、今年の秋から冬にかけてはもっと大流行することは明らか。しかもその時は空気が乾燥してウイルスが活性化しているので、今感染するより危険度大。
でも、今感染した人は、体内に免疫ができるので大流行の際も安全ですからね。
それなのに、マスコミが「新型」などとAメキシコ型インフルエンザの脅威を不必要に煽るせいで、感染者やその周辺に対する偏見が助長されている。インフルエンザそのものよりもこちらの方が余程問題だ。マスコミも政府も、偏見問題に対する責任をどう取るつもりなのか?
Posted by アルネチズン at 2009年05月16日 12:19
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