2009年05月06日

◆ 豚インフルエンザは新型でない

 豚インフルエンザを「新型」と表現する人が多いが、実は「新型」でも「新種」でもなく、ただの「亜型」にすぎない。
 ここを混同して大騒ぎしないようにしよう。 ──

 豚インフルエンザは、ただの「亜種」(亜型)にすぎない。つまり、ありふれた変異をしたものだ。そのことを指摘しておこう。

 豚インフルエンザは、A型インフルエンザH1N1型の亜型である。つまり、ソ連風邪や香港風邪を含むH1N1型というたくさんの種類のうちの、その一つである。
 これは決して「新種」ではない。よくあるH1N1型の一つにすぎない。……その意味では、「新型」という言葉そのものが不適切である。従来の型とまったく同じ型であるからだ。(「新型」でなく「新亜型」であるにすぎない。)

 ──

 なのに、豚インフルエンザを「新型」と呼ぶ人の多くは、これを「新種」のように扱っている。
 たとえば、次の報道がしばしば見られる。
 「豚インフルエンザは、現在は弱毒性で、他の季節性インフルエンザと大差なくても、他のインフルエンザと混じりあったり変異したりするうちに、感染力の強い危険なタイプに変化するかもしれない」

 
 なるほど、この記述は、間違いではない。しかし、同じことは、A型インフルエンザH1N1型のすべてに当てはまる。特に豚インフルエンザだけで騒ぐ必要はないのだ。
 つまり、豚インフルエンザがパンデミックになる確率も、他の季節性インフルエンザ(特にH1N1型)がパンデミックになる確率も、大差ない。特に豚インフルエンザだけを危険視する必要はないのだ。次の報道がある。
 WHO緊急委員会の田代真人委員は「病原性が若干強くなる可能性は否定できないけれども、強毒型のウイルスに変化する可能性はまったくありません」と述べた。
( → FNNニュース 2009-05-03
 豚インフルエンザよりは、鳥インフルエンザ(H5N1型)の方が、はるかに危険だ。H5N1型は強毒性になりがちなので、これがパンデミックになる確率の方がはるかに高い。危険視するならば、こちらだろう。

( ※ なお、A型のほかに、B型やC型もあるが、こちらは免疫が続くので、特に危険視するには当たらない。 → Wikipedia

 ──

 結論。

 豚インフルエンザは、新しいことは新しいが、新種ではなく、ありふれた(弱毒型の)A型インフルエンザの亜型にすぎない。そんなものに大騒ぎするほどのことはない。
 どちらかと言えば、(強毒型になる)鳥インフルエンザ(H5N1型)の方に着目するべきだ。鳥インフルエンザでない限りは、大騒ぎをする意義はない。騒いでも、メリットはなく、デメリットばかりがある。
 したがって、当面、豚インフルエンザについては、「静観する」というのがベストの策だ。やたらと騒がない方がいい。騒げば騒ぐほど、かえってデメリットが増える。

( ※ どういうデメリットがあるかは、前出の「パニックの弊害」という話を参照。また、次項(予定)も参照。)
 


 [ 付記1 ]
 豚インフルエンザの特徴としては、「下痢」があるようだ。感染者の4〜5割(つまり半分弱)に、下痢の症状が出るという。
  → 時事通信
 このことから、次の注意点が得られる。
 「下痢の場合、栄養摂取の障害が起こり、体力が衰弱しがちである。その場合は点滴などによる栄養摂取が必要となる。つまり、病院に行く必要性が出る。これを放置すると、重症化しやすい。」
 つまり、病気そのものが致命的だというよりは、放置することで体力が衰弱し、致命的になりやすい。ただの「点滴」という平凡な処置を取らないせいで死んでしまうことが起こりやすいのだ。
 点滴なんて、何の薬も使わないで、ブドウ糖を使うだけであり、治療とも言えないような治療だが、それがないせいで致死率が高くなる。
 こんなところに、メキシコの死亡率が高かった理由があるのだろう。にもかかわらず、「致死率が高いから、すごく危険な病気だ」という誤解が出回ったわけだ。
 ひょっとしたら、「豚インフルエンザは危険だ」という理由で、看病しなかったから、放置されて、死んだのかも。メキシコってひどい国。……と言いたいところだが、日本もまた同様でした。 ( → 診療拒否の例
 
 [ 付記2 ]
 最近、下痢性のインフルエンザが流行っているそうだ。私の知人もかかった。それで、豚インフルエンザを疑う人もいる。
  → 知恵袋1

 しかし、場合によっては、「真犯人はタミフルだ」ということも考えられる。というのは、タミフルには「下痢」という副作用があるからだ。  (^^);
  → 知恵袋2
  → タミフルで下痢になった例 ← 重要!
 
 つまり、疑似的「豚インフルエンザ」(下痢性)は、最近ちょっと流行しているのだが、その真犯人は、(豚インフルエンザでなく)タミフルであった、というわけ。
 タミフルを飲まなければ、普通のインフルエンザで済んだのに、タミフルを飲んだら、ひどい下痢になって瀕死みたいな状況になってしまった、ということもある。風邪は治っても、下痢で死にかける。
 「犯人は警官だ」というような意外感。
posted by 管理人 at 15:31| Comment(3) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回のインフルエンザでは、高齢者の死亡者が少ないそうですね。既存のインフルエンザに似ているために免疫が働いているということもあるのでしょうか。
Posted by poimandres at 2009年05月06日 21:48
サンプル数が少ないので、まだ何とも言えないでしょう。最初のころの死者総数からして全然間違っていたし。
Posted by 管理人 at 2009年05月06日 22:04
今回のインフルエンザウイルスを「新型」と表現するから、過剰対応が発生するのでしょう。
そもそもインフルエンザウイルスなんてのは、発生すれば最初は必ず「新型」で、概ね1年以上経過すれば、「新型」でも何でもない状態に落ち着く。
なので、今回のウイルスにも、「新型」などと不必要に騒ぎ立てるのでなく、従来の命名法に則った命名が必要ですね。
かと言って、「豚インフルエンザ」と言う命名では、今回のウイルスの構造上や感染経路からも問題があろう。
やはりここは、「Aメキシコ型」と呼ぶべきでしょう。ウイルスの構造が「Aソ連型」と類似な上、「Aソ連型」「A香港型」と言う、従来のウイルスの名称とも整合性が取れます。
Posted by アルネチズン at 2009年05月16日 22:13
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