2009年05月05日

◆ 豚インフルエンザ・まとめ

 豚インフルエンザについて、当初は情報が錯綜していたが、ようやくいくらか情報がまとまってきたようだ。現時点で、総合的に判断してみる。 ──

 当初の情報は、こうだった。
  ・ 新型のインフルエンザは、豚由来。
  ・ メキシコでは死者が続出している。致死率が高い。
  ・ パンデミックの恐れがある。大量の死者が出るかも。
  ・ 有効な治療法もわかっていない。


 現時点では、次のように判明している。
  ・ 新型インフルエンザが豚由来だ、というのは事実。
  ・ まったくの新型ではなく、よくあるA型の仲間にすぎない。
  ・ 強毒性ではなく、弱毒性。致死率は低い。
  ・ メキシコの死者数は誤報。実は7人。追加もあるが。
  ・ 治療にはタミフルが有効。(現時点では薬剤耐性なし。)


 以上のように、情報をまとめることができる。

 ──

 もう少し詳しい情報を紹介しよう。新聞記事から。
 死亡例の大半は、今回の新型インフルエンザの知識がないまま、症状が重くなるまで、ただの風邪だと思い、高額の負担につながる医療機関で受診せず、市販薬で治そうとした人たち。発症後 15日間を過ぎるまで治療を受けなかった人の 96%が死亡している。
 今回の新型インフルエンザでは、メキシコにほとんどの死者が集中していることが最大のなぞとされてきた。専門医によるこうした証言は、低所得者層の医療へのアクセスの悪さが、特に流行初期の段階で高い死亡率につながった可能性を裏づけるものだ。 現在はインフルエンザに関する知識が広まった結果、初期症状が出てすぐ通院する人が増えたこともあり、ここ数日は死者は出ていないという。
 潜伏期間は個人差があるが、家族間などで感染時期が特定できるケースから推定すると、感染後3〜7日たって発症する。39度程度の高熱とともにせきや鼻水が出て、頭痛や筋肉痛、腹痛や下痢症状を訴える。緑か黄色のたん、場合によっては血の混ざったたんが出る。発症後 72時間後ごろから、肺炎を併発して重症化、特に重い場合は多臓器不全を起こして死亡に至る例が多いという。
 発症して7日以内の抗ウイルス剤タミフル投与などの治療は明らかに有効だとした。
( → 朝日・朝刊 2009-05-05

 季節性インフルでも死亡者は一定数いる。国立感染症研究所の推計では、インフルが引き金の肺炎を含め、国内では 04〜05年冬季に約1万5千人、98〜99年に約3万3千人が死亡したとされる。( → 朝日・朝刊・2面 2009-05-05 )
 ──

 上の情報から、いくつかの結論を得られる。

 (1) 個人の対処

 個人はどう対処すればいいか? それは、上記の記事からわかる。
 特にあわてる必要はないが、重症である場合には、医者に行けばいい。また、高齢者や幼児や病弱の人も、医者に行けばいい。それ以外(つまり大多数の人々)は、普通のインフルエンザの場合と同様で、家で寝て直せばいい。
 詳しく言おう。
  ・ 発症直後 …… さっさと早退けして、家で寝る。あとは様子見。
  ・ 24時間後 …… このころピーク。だが、あわてる必要ない。
  ・ 48時間後 …… 免疫で、治りかけているはず。
              ・ 高熱が下がりかけていれば、OK。
              ・ 高熱がひどければ、医者へ。(または様子見)
  ・ 72時間後 …… 遅くともこの時点で、治りかけているはず。
              ・ 高熱が下がりかけていれば、OK。
              ・ 高熱がひどければ、必ず医者へ。


 記事によれば、72時間後までに行けば間に合うとのことだ。
 もともと衰弱している病人や高齢者などは別として、たいていの人は、72時間後まで待っても、特に問題ない。その時点でタミフルを処方してもらえば、以後はしだいに治癒していくはずだ。72時間後まで待っていい。
 逆の観点から言えば、こう言える。
 「 72時間後の時点で、治りかけていない場合、それ以後、ほったらかしにしてはいけない」(重要!)


 メキシコの場合は、さらにひどかった。上の引用記事によると、「発症後 15日間を過ぎるまで治療を受けなかった人の 96%が死亡している」ということだ。
 これはどういうことか? 「治療を受けないと死ぬ」ということか? 違う。次のことだ。
 「発症後 15日間を過ぎれば、たいていの人はとっくに快癒している。ところが、発症後3日間を過ぎても、まだ治らないという、重篤な患者がいる。そういう重篤な患者を、あろうことか、二週間(14日間)もほったらかしにしておく。(あるいは市販薬だけで済ませる。)……そういうふうに、重症者に対して いい加減な対処を取ると、重症者は手遅れになる。手遅れになってから病院に運んでも、患者は死んでしまう」

 これを「医者にかからないと死ぬ」というふうに読むのは正しくない。「特殊な重症者については、医者にかかることが必須だ」と読むべきだ。もちろん、大多数の人は、医者にかからなくていい。(間違えないこと!)
 だから、「新型のインフルエンザになったら、なるべくタミフルを飲もう」という発想は、間違いだ。
 特に、10代の子供ならば、医者に行かない方がいい。医者はやたらとタミフルを処方するだろうが、10代の場合、タミフルによる異常行動で命を失う危険性がある。
( ※ タミフルで子供が死んでも、医者は責任を取ってくれない。「薬剤会社のせいです」と言い逃れをして、他人に責任転嫁する。しかし、そんな責任転嫁をされても、死んだ子供の命が帰ってくるわけではない。無責任に薬剤を乱発する医者から身を守るためには、各人が留意をする必要がある。)
( ※ ただし、高齢者や幼児ならば、早めに医者に行くのもいい。とはいえ、普通の大人ならば、医者に行く必要はさらさらない。)
 
 (2) 社会の対処

 以上の方法を各人が取ることにより、被害を最小化することができる。
 とはいえ、被害を皆無にすることはできない。では、社会は、「豚インフルエンザは大変だ!」と騒ぐべきか?
 いや、社会は、大騒ぎするべきではない。そのことも、上の引用記事からわかる。
 「インフルが引き金の肺炎を含め、国内では 04〜05年冬季に約1万5千人、98〜99年に約3万3千人が死亡したとされる」

 とすれば、豚インフルエンザなんかに騒ぐよりは、普通の季節性インフルエンザの方に騒ぐ方がいい。
 特に、舛添厚労相みたいに、「季節性インフルエンザのワクチン製造をやめても、豚インフルエンザのワクチンを製造する」などという対処を取るのは、最悪だ。少数(豚インフルエンザ患者)の命を救うために、多数(季節性インフルエンザ患者)の命を見捨てることになる。

 なお、私の見解を言えば、こうだ。
 「ワクチンについては、豚インフルエンザのワクチン製造は、ゼロにした方がいい。ワクチン製造の能力に限界があるからには、生産力のすべてを通常の季節性インフルエンザへの対処とした方がいい」

 なぜか? その理由は、薬剤耐性だ。通常の季節性インフルエンザのウイルスは、すでにタミフルへの薬剤耐性を獲得したらしい。とすれば、ワクチンで対処するという方法が、残された方法として有効となる。
 一方、豚インフルエンザは、タミフルで治せるし、タミフルの備蓄もたっぷりある。心配することはない。
 すでにタミフルの乱用で、タミフルは季節性インフルエンザの治療薬としては無効化しかけている。とすれば、タミフルの大量の備蓄は、豚インフルエンザ用に回せばいい。そのかわり、ワクチンの方は、季節性インフルエンザに向ければいい。
 これが私の提案だ。簡単に言えば、「豚インフルエンザのワクチン製造はゼロにするのが最善である」となる。
( ※ だが、素人はこれを聞くと、きっと誤解するだろうな。特に、トンデモマニアは、きっと誤解するはずだ。「豚インフルエンザのワクチン製造をゼロにしろだと? おまえは死者を増やそうとしている!」という非難が予想される。連中は誤読がすごく得意。  (^^); )

 (3) 将来の予想

 ついでに、将来を予想しよう。
 なすべきことは (1)(2) だが、現実には、(1)(2) は完全実施されないだろう。予想される事態は、次のことだ。
  ・ 豚インフルエンザへのタミフル多用・乱用。
  ・ そのせいで、やがて豚インフルエンザに薬剤耐性がつく。
  ・ タミフルの備蓄はあっても、耐性ウイルスには無効になる。
  ・ 耐性ウイルスが猛威をふるい、高齢者や子供の死者が続出。
  ・ 一般の大人は、元の木阿弥。免疫力で治すようになる。

 つまり、「大騒ぎしたあとで、元の木阿弥」である。というか、「大騒ぎしたせいで、耐性ウイルスが出現して、元の木阿弥になってしまう」とうことだ。本来ならば、耐性ウイルスの出現を避けることができて、タミフルはずっと有効であるはずなのだが。
( ※ 世の中の大半の人が非耐性ウイルスに罹患していれば、耐性ウイルスは流行しないだろう。そのせいで、タミフルは有効であり続けるだろう。)

 (4) 結論

 私の結論は、「タミフルを乱用するな」だ。
 そうすると、少数の弱者の生命を守るために、大多数は風邪を引く期間が1日だけ延びることになる。そういうトレードオフ関係にある。
 逆に、大多数が、風邪を引く期間が1日だけ延びるのを拒絶すれば、少数の弱者が生命を失う。そして、それが現状だ。そのことは記事で指摘されている。ふたたび引用しよう。
 「インフルが引き金の肺炎を含め、国内では 04〜05年冬季に約1万5千人、98〜99年に約3万3千人が死亡したとされる」
 人類は、インフルエンザによる大量死を避ける手段を得たのに、その手段を使いすぎたせいで、かえって、その手段を無効化してしまったのだ。何という愚かさ。
 そして、その愚かさが、一度ならず、二度も繰り返されるだろう。それが豚インフルエンザについての人類の将来だ。



 [ 付記 ]
 実を言うと、上記のことは少しだけ正確さを欠いている。というのは、今はまだリレンザが使えるからだ。とはいえ、やがてはリレンザも使えなくなるだろう。
 豚インフルエンザも、同様の経過を取るはずだ。当面はタミフルが有効だが、やがてタミフル耐性ウイルスが出現して、豚インフルエンザにタミフルが効かなくなる。やむなくリレンザを使うが、その後、リレンザ耐性ウイルスが出現して、豚インフルエンザにリレンザが効かなくなる。
 人類は、失敗を一度なした。そのあと、失敗を避ける機会を与えられている。しかし、その機会を、人類は見逃すだろう。おそらく、何度も同じ失敗をするだろう。……それが私の予想だ。
 そして、現在は、そういう愚かな経路をたどっている最中である。騒ぎすぎて、未来のことを見通せないせいで、人類は自殺の道をまっしぐら。頭のレベルは豚並みか。
 
 [ 余談 ]
 さらに冗談半分で予想しよう。本項を読んだ人の感想を予想すると、こうだ。
 「頭のレベルは豚並みだと? おまえはどうしてそんな皮肉ばっかり言っているんだ! 人類が自殺の道をまっしぐらなのが嬉しいのか! この悪魔! おまえは人々を敬う気持ちはないのか!」

 そう文句を言われたら、あっさり頭を下げます。
 「ごめんなさい。どうぞ勝手に、お好きなようにしてください。タミフルの乱用をしてください。そうすれば、当面、病気にかかる日数を1日減らせますよ。お得ですよ。ですから、どんどんタミフルを乱用してください」

 あるいは、さらにこう言う。
 「トリスを飲んでハワイに行こう。タミフルを飲んで豚インフルエンザを避けよう。さあ、皆さん、誰も彼も、みんなでそろってタミフルを乱用しよう!」
 あ、……お尻から何かがはみ出ちゃった。甘い言葉を言って人をたぶらかすと、つい黒い尾の先が出ちゃうんですよ。   (^^); 
 


 【 追記 】
 タミフルについては、別途、ひどい副作用があることが判明した。それは「下痢」だ。
 副作用としての下痢によって、ひどく衰弱して、ひどい目にあうことがあるという。
   → 知恵袋2
   → タミフルで下痢になった例 ← 重要!

 この件に関しては、下記項目の最後でも、いろいろと言及している。
   → 豚インフルエンザは新型でない
posted by 管理人 at 17:42| Comment(1) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
管理人さん、はじめまして
トラックバックされたサイトから、ここに来ました。
理路整然と書かれているとおりだと思います。
政府、マスコミの騒ぎすぎです。
政府は国民に危機を煽って、延命を図る狙いでしょう。
マスコミは危機を煽って、視聴率を上げ、紙面を埋めたいのでしょう。
タミフル関連会社は大儲けしたいのでしょう。
タミフルを開発した会社の大株主、ラムズフェルド前国防長官、新自由主義者たちは大儲けし、これからも大儲けするでしょう。
日本はその手先になっています。
手先になった日本は、小泉改革で医療体制を弱体化させ、(北米型インフルエンザだけでなく全てで)治療体制を脆弱にしました。
Posted by 愛てんぐ at 2009年05月06日 07:45
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