これは未来のコミューターとして、有望だろうか? ──
記事と写真は、下記にある。そちらを参照。
→ http://wiredvision.jp/news/200904/2009040822.html
一部引用すると、下記。
1回の充電でおよそ56キロメートルを走行可能だ。ツインモーターにより、最高時速56キロが可能。また、『Segway』に乗る運転手が顔面から転んでしまうのを防ぐのと同じバランス技術を採用している。重量は136キログラムだ。これは、コンセプトモデルであり、量産モデルではないのだが、「面白い」「興味深い」と思う人が多いようだ。特に、エコの信者は、盲目的に信じてしまうようだ。
しかし、私の見解を言えば、これは駄目だ。
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(1) 価格
価格はどうか? 記事には、こうある。
「購入価格、保険費、維持管理費、燃料費などを合わせたPUMAの全費用について、平均的な自動車の価格の3分の1から4分の1になると両社は示唆しているという」
平均的な自動車の価格とはいくらか? 150〜200万円か? とすると、価格は 50万円ということになる。本当か?
ちなみに、現行のセグウェイの価格はどうか? 日本では手数料込みで 77万円だという。米国では 5000 〜 6000ドルだという。英国では 5000ドル程度だという。……ま、どっちみち、50万円程度だ。
つまり、時速 20キロぐらいの一人乗りの簡易版が 50万円。なのに、時速 56キロで二人乗りの豪華版が 50万円。……ありえな〜い。
現行のセグウェイの価格が 50万円なら、新しい椅子式セグウェイはどう考えても百万円程度にはなる。コストは相当大幅に上がるはずだ。
( ※ ブレーキだって、速度が3倍になれば、容量は9倍になる必要がある。重量が2倍になれば2倍になる必要がある。ブレーキは20倍程度の能力が必要になる。他にもあれやこれや。)
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(2) 対抗車
こんなオモチャみたいなものに 100万円を払うくらいなら、もっとマシなものはありそうだ。
第1に、軽自動車。国産車で一番安いのは三菱ミニカで、58万円。( → 価格コム )
値引きしてもらえば、50万円。ちゃんとした軽自動車がこの価格で買える。インドのタタ・モーターズの廉価車でなくなって、日本でもけっこう安値で買えるのだ。
第2に、よりまともな対抗車として、既存の電気自動車がある。これは先に、「ライト・コミューター」という項目で紹介したもの。
→ タカオカ自動車工芸
これなら、80万円程度で、ちゃんとした電気自動車になる。椅子式セグウェイみたいなオモチャとは違う。しかも、量産しないで 80万円程度だから、量産すれば大幅にコストは下がるはずだ。
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結論。
セグウェイの特徴は、2輪車であることだが、そのため、倒れないように制御するために、莫大なコストがかかっている。そのせいで価格が上がる。
そんなことをするよりは、素直に4輪式にすればいい。つまり、単に車輪を二つ余計につけて、ハンドルもつければいい。それだけのことだ。高度なコンピュータ式の自動制御装置などは不用だ。
「エコならば何でもすばらしい」
と思う人が多いが、エコロジーよりはエコノミクスに着目するべきだ。無駄に金をかけてエコごっこをするのは、ただのお遊びにすぎない。ま、各人が勝手にお遊びをするのは勝手だが、「そのために莫大な税金を投入せよ」というような発想はやめてもらいたいものだ。
[ 付記 ]
「エコのために莫大な税金を投入せよ」
という政策は、政府が次々と実行している。このたび新たに、「自動車の買い換えのために、多額の奨励金を出す、という政策を示した。
13年以上経過した自動車を廃車にして、新車に買い替える際に1台あたり最大25万円の奨励金を出す。古い車の買い替えでない場合でも、低燃費車の新車購入費用を1台あたり最大10万円補助する。財政支出は3700億円規模に上る見通しだ。古い自動車を買い換えると、クリーンになってエコになるから、という言い分らしい。おまけに景気対策も兼ねているつもりらしい。しかしその財源は、国民の血税だ。つまり、人の財布に勝手に手を突っ込んで、無理やり自動車を買い換えさせる、という政策。
どうせなら、失業して自殺しかねない人のために金を使うべきだろう。そして、さらに言えば、(浪費の)金を一円も使わないで、景気対策をするべきだろう。それが最善の策だ。
何であれ、エコの名目で浪費をするというのは、最悪なのである。
[ 参考 ]
「金を一円も使わないで、景気対策をする」というのは、可能か? 可能だ。その件は、私が何度も経済政策として述べたとおり。
そのポイントは? 政府が無駄な金を浪費するかわりに、国民が必要な金を使えばいい。
つまり、教育費であれ、医療費であれ、住居費であれ、食費であれ、各人が自分にとって最適の用途で金を使えばいい。それなら、浪費はゼロだ。
では、その金はどこから得るか? 各人が未来から借りればいい。各人は、未来から借りて、未来へ返す。では、誰が貸すか? シャイロックか? いや、政府だ。政府が手数料ゼロで大金を貸すことこそが、景気回復をもたらす。その政策を「中和政策」という。
これは「政府が浪費する」というケインズ政策とはまったく異なる。
