2009年02月11日

◆ リレンザを飲むべきか? (改)

 タミフル耐性ウィルスが出回っているので、リレンザを処方されることがあるという。われわれは リレンザを使う(服用する)べきだろうか?

 ※ リレンザの服用方法は、器具による吸入です。
 ──

 本項は、2月09日に記述したが、その後、いろいろと判明したことがあるので、新たに結論を出すことにする。
 そこで、話を前半と後半とに、分けて記述する。




 【 2月09日 の記述 】


 この件については、私はかねて、
 「たかが風邪ぐらいでタミフルなんか必要ない」
 という立場だった。ただ、必ずしもそうは言えないようだ。
  → 高熱でリレンザを処方された例

 ある人の体験記。重いインフルエンザにかかったが、リレンザを処方されて、効果が大きかったらしい。

( ※ 例の「勉強ができるという蔑称」の彼女のサイト。有益な情報を提供してくれている。社会的貢献。……ここに感謝の意を表します。)

 ──

 かなり高熱が出たと言うことなので、このような場合には、薬の効果はあったようだ。あっさりと「薬を使うな」とは言えないようだ。

 風邪と言っても、重いのや軽いのや、いろいろある。重いインフルエンザの場合には、薬を使った方がいいとも言えるようだ。

 ただ、誰もがリレンザを使うと、今度はリレンザ耐性ウィルスが出回るようになるだろう。難しいところだ。

 私としては、特に結論を出さないでおく。はっきりとした正解はないようなので。

 ──

 一応のガイドラインは、
  ・ 幼児や高齢者は使うべき。(生死にかかわるので。)
  ・ 軽いときには使わない方がいい。
  ・ 重いときには使ってもいい。(ただし議論の余地あり。)



 【 2月11日 の記述 】


 話は三つある。

 (1) リレンザの副作用

 リレンザの副作用らしき事例がある、というニュース。(先にコメント欄に記述したものだが、本文に移転。)

 「リレンザ処方後に転落死、厚労省が注意喚起」
  → http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090129-OYT1T00901.htm
  → http://www.shinmai.co.jp/news/20090130/KT090129FTI090032000022.htm

 (2) リレンザの大量輸入

 リレンザが大量に輸入される、というニュース。

 「リレンザ、200万人分緊急輸入へ
  → http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090211-OYT8T00326.htm

 (3) 考察

 このあと、私なりに考察しよう。
 まず、(1) の異常行動だが、これは事例が一つなので、何とも言えない。そういう危険性は考慮するべきだが、これをもって「リレンザは危険だ」と判断するほどではあるまい。「危険性がある」と留意して使う程度でいいだろう。

 それより問題は (2) だ。これが非常に問題だ。
 なぜか? こんなに大量に輸入すれば、次の結果になるはずだ。
 「ほんの2〜3年程度で、タミフルの耐性ウィルスが蔓延して、タミフルはもはや無効になってしまった。とすれば、リレンザについても、同じことが起こるはずだ」

 では、その結果は? 元の木阿弥だろう。「インフルエンザへの薬がなくなる」という状況だ。そして、それは、次の二つのことを意味する。
  ・ 有効なインフルエンザの薬がないせいで、老人や幼児などが、死ぬ。
  ・ リレンザに耐性をもつようなパンデミックが流行する。


 これらはいずれも、大問題だ。看過できないレベルにある。

 ──

 以上のことから、次のように結論したい。
 「個人レベルでは、他人がどうなろうと構わないから、リレンザを使う人が多いだろう。しかし、それでは、上記の問題が起こる。ゆえに、個人レベルに任せるべきはない」
 「国家の方針として、リレンザは原則、使用を禁止するべきだ。ただし、高齢者や幼児は例外」

 つまり、簡単に言えば、次のようになる。
 「全面禁止でもなく、全面許容でもない。高齢者と幼児に限った限定利用」


 現実には、そうなっていない。インフルエンザになった人は、他人はどうでもよくて、自分だけは病気を免れようと思うから、どんどんリレンザを使うようになる。医者としても、医者の倫理から、目の前にいる人を救うことが優先されるから、リレンザを処方する。
 しかしながら、全員がそうすれば、将来的には、ひどい状況になる。現在、健康な人々が、病気を治す期間を一日程度減らすという目的のためにリレンザを使えば、将来では、莫大な数の死者が出る。
 そして、そういう愚かな方針が、現状だ。

 ──

 とすれば、ここでは、もはや一人一人に判断を委ねていてはいけないのだ。したがって、
 「リレンザを使うべきか」
 という質問には、正解はない。これは、一人一人の問題ではないからだ。むしろ、国家的に、次の方針を取るべきだ。
 「リレンザの利用を制限する」
 という方針を。
 (リレンザだけでなく、タミフルについても。)

 ──

 現状のままでは、各人が最善の方法を選ぶせいで、国家的には最悪の道を選ぶことになる。(「合成の誤謬」である。)
 そうあってはならないのだ。それを避ける知恵が必要だ。

 ……これを、新たな結論とする。



 [ 付記1 ]
 厳密に言えば、少しは楽観ができる。タミフルやリレンザに変わる、別の新薬が開発中だからだ。(前に書いた。)
 しかし、それもやがては頭打ちだ。次々と耐性ウィルスが出てくれば、どの薬も効かなくなる。
 一度の失敗で懲りればいいのだが、二度、三度、と失敗しないと、人々は失敗に気づかないのかもしれない。
 リレンザ耐性ウィルスは、いつ出回るだろうか? ……いつとは知れず。ただし、それが近年中に出回ることは、確実だろう。

 [ 付記2 ]
 「日本だけがやめても仕方ない」
 ということは、理屈では成立する。しかし実際には、タミフルやリレンザを日常的に大量に利用しているのは、主に日本である。他の諸国は、備蓄に回すのが優先されて、日常に使うことは優先されていない。日本はその逆。
 この点は、日本が諸外国に学ぶべきだろう。日本が今のような政策を取っていれば、日本は世界各国の備蓄を無効化しているようなものだ。狂気の沙汰とも言える。
 狂気の医療政策。



 【 追記 】 ( 2009-03-13 )
 リレンザにも、タミフルに似た副作用があるそうだ。
 リレンザは、タミフルに似た構造をもち、作用機序もタミフルに似ている。そのせいだろうが、タミフルのような副作用があるそうだ。
 このことは、すでにいろいろと報道されているが、実例が先日の朝日新聞(朝刊・声欄・投書)に掲載されていた。
 2月下旬の掲載で、今となっては時機を失してしまったのだが、次のような内容だった。
 「親が十代の子供にリレンザを服用させた。子供が治ったあとで、『おまえはちっとも暴れたりしないでよかったね』と言ったら、子供は否定した。『たしかに暴れたりはしなかったが、怖い夢を見て、滅茶苦茶に暴れ回りたくなった。こんな体験をしたのは初めてだ。』と」


 とすれば、起きあがって暴れ回るかどうかはともかく、内面心理では暴れ回りたくなる効果がかなり広範に見られる、と考えていいだろう。
 そして、これは、「インフルエンザで高熱になれば、異常行動をするのは、よく見られる」ということとは、まったく別の次元だろう。

 実は、タミフルやリレンザが、脳に対して悪影響(興奮作用ふう)をもたらす、ということは、生理学的に判明している。簡単に言えば、麻薬のような効果がある、と考えていいだろう。(幻覚作用という点では麻薬にかなり似ている。)
 そして、「高熱になれば異常行動をなすのは珍しくない」という理由で、インフルエンザの患者に麻薬を処方するのは、どう考えたっておかしい。高熱の患者が異常行動をするのと、麻薬中毒者が幻覚症状を起こすのを、同じことだと見なすのはおかしい。
 
 そもそも、異常行動が十代の子供に集中しているということからして、そこには何らかの特有の理由がある、と考えていいはずだ。仮に、タミフルやリレンザが何も悪影響を及ぼさないのであれば、異常行動が十代の子供に集中するということは、統計的にありえないからだ。
 
 結論。

 リレンザは、タミフルと同様で、あまり使うべきではない。特に、十代の子供には、なるべく使わない方がいい。
 病気を治すのを一日ぐらい早めるために、生命にかかわる重大なリスクを負うというのは、あまりにもハイリスク・ローリターンであって、馬鹿げている。命を賭ける危険を冒すのは、それに見合うメリットを得られる場合に限るべきだ。
 医者というものは、やたらと薬を処方したがる(処方箋代を請求したがる)が、そういう医者の言うことは、あまり聞かない方がいいだろう。
 仮に、あなたの子供が異常行動で死亡したとしても、医者は子供の命を返してくれない。せいぜい「それは製薬会社のせいですよ」と責任転嫁して、「処方箋代は返ししませんよ」と言うだけだ。



 【 関連項目 】
 タミフルについての既存の話は:
   → サイト内検索
posted by 管理人 at 19:15| Comment(4) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご承知かとは思いますが、リレンザは飲み薬ではなく、吸入薬です。
Posted by MacWin王国 at 2009年02月11日 21:44
わかっているんですけど、「薬を飲む」とは言うけれど、「薬を吸う」とは言わないので。

ここでは服用方法は関係ないので。使用説明書じゃないし。
Posted by 管理人 at 2009年02月11日 22:07
リレンザの服用方法は、吸引であり、嚥下ではない。こんなことは医学関係者ならば誰でも知っているだろう。で、そのことについて、「リレンザは飲むものじゃないぞ」とどこかに書いて、鼻高々の人々がいる。本項の悪口を言っているらしい。

 本項のコメント欄の最初にあるのは、
「ご承知かとは思いますが、リレンザは飲み薬ではなく、吸入薬です」
 ということだから、親切で述べてくれているのだと思う。別に問題はない。

 一方、本項の悪口を言っているつもりの人もいる。しかし、それは勘違いなので、指摘しておこう。

(1) 本項では、「飲む」と書いているのは、題名とその説明部分(リード)だけ。ここでは、タイトルの文字数を縮めるために、「服用する」のかわりに「飲む」を使っているだけだ。また、「飲むべきか?」という質問を呈示しているだけで、「飲むべし」というふうに私が語っているわけではない。

(2) 冒頭のタイトルと質問部を除いて、本文は、すべて「使う」と書いている。別に、勘違いして、間違った記述をしているわけではない。

(3) 仮に、本文で「飲む」という言葉を使ったとしても、「薬を飲む」という言葉の延長上にあるので、「飲む」を広義で解釈すれば、問題ない。(嚥下なんて言葉は普通は使わない。)だいたい、「薬を飲む」という言葉に対して、「薬は液体じゃないから飲めない!」と語ればいいのか? そんな人の主張は、私は飲めませんね。 ( ← この言葉にも反論しそうだ。日本語音痴の彼らは。)

(4) そもそも、話の本質がズレている。服用の方法をどうするかを論じているのではなくて、リレンザか無かを論じている。トンチンカンな方向で論じるのは、中川(前)大臣と同じだ。
 「私は酒は飲んでいません。『ゴックン』はしていないから、酒を飲んだことにはなりません」
 しかし、「ゴックン」かどうかじゃなくて、「酒か無か」を論じているのだ。そこがわからないで、飲み方の方向に話を転じてしまっているのが、中川(前)大臣だ。論旨のすり替え。

 ──

 結局、本項について「飲むと書くのは間違いだ!」と指摘して悪口を言っているつもりの人々は、頭が中川(前)大臣と同様なのである。ひどい頭。頭がもともと酔っ払っている状態。……そういう馬鹿げたことをするのは、トンデモマニアぐらいだろう……と思ったら、案の定、トンデモマニアだった。

 ──

 リレンザについては、「国民の莫大な生命を救うか否か」という、重大な問題がかかっている。ならば、それについて、医学的に積極的に論じるべきだろう。にもかかわらず、話をすり替えて、「ゴックン」かどうかというようなことばかりを考えている連中がいる。……こういう連中は、国民の命を奪うのも同然だろう。
Posted by 管理人 at 2009年02月23日 00:08
最後に 【 追記 】 を加筆しました。
  タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2009年03月13日 19:24
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