新型インフルエンザ(パンデミック)への対策としては、英国製のワクチンが効く、という話を書いたことがある。半年ほど前。
しかし、その後、ワクチン実用化に向かって進展がないようだ。 ──
前項では、タミフル、リレンザ、万能ワクチンの話をした。そのいずれも、あまり有効ではない。
・ タミフル …… 利用者が多すぎて耐性ウィルスが蔓延。
・ リレンザ …… 吸入するという利用法が不便。
・ 万能ワクチン …… 研究途上。実験室段階。
こういう不完全なものより、ちゃんとまともなものがある。グラクソ社のワクチンだ。この件は、前に書いた。
→ 医薬調査の問題(インフルエンザ・ワクチン)
このワクチンは、欧州では承認されたが、日本では承認されていない。その後、「認可される方向だ」という情報を得て、その旨を記したのだが、それからさらに半年近くたった現在でも、情報に進展がない。
Google で検索しようとして、「この1年間」という条件のもとで、
「グラクソ社 ワクチン インフルエンザ 日本」
という単語で検索すると、見つかったのは、私の項目だ。 (^^);
要するに、ほとんど情報がない。
念のため、グラクソ社のホームページに行って、あれやこれやと検索したりして調べたのだが、やはり情報は皆無だ。
──
結局、どういうことか?
どうも、グラクソ社のワクチンは、認可される方向になっていない。マスコミも報道すらしない。最良の薬が抹殺されてしまっている。
なぜか? これも、先の項目で示したとおりだろう。つまり、日本のワクチンは、国産各社で独占されている。だから、外国企業は、参入できないのだ。厚労省が内部で圧力をかけて、外国製品を閉め出しているのだろう。
よく考えると、ワクチンというのは、ちょっと農産物っぽいところがある。卵の農業団体あたりが圧力をかけているのかも。(規模的には小さすぎる気もするが。 (^^); )
あるいは、やはり、天下りのせいかも。
ま、本当の事情は、よくわからない。しかし、一番肝心のワクチンについては、これを使えない状況にある、ということを理解しておいた方がいい。
タミフルの耐性ウィルスがどうのこうの、万能ワクチンがどうのこうの、という話は、たいして重要ではないのだ。それらの有無で死者数が大幅に増減するわけではない。(どっちみち、当面の死者数にはたいして影響力を持たない。)
一方、グラクソ社のパンデミック用ワクチンは、死者数に大幅な影響力を持つ。そしてそれが、日本ではちゃんと使えない状況にある。論じるなら、こっちだろう。
[ 付記 ]
グラクソ社のワクチンのほかに、インフルエンザの新薬もある。現在、いくつかが開発中。詳しくは、下記ページを参照。
→ インフルエンザ薬、国産化・「新型」にも効果期待
富山化学工業,第一三共,塩野義製薬の3社で、インフルエンザの新薬(タミフルやリレンザの代替品)が開発中だという。近く実用化されそうだ。
( ※ ただしいずれも、乱用されて、そのあげく、耐性ウィルスが出回るようになるかも。前項で述べたように。 (^^); )
2009年01月30日
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