米国では太陽光発電がかなり進んでいるという。というのは、新技術によるコストダウンがあるからだ。 ──
「太陽光発電を推進せよ」
と政治家やマスコミが主張するとき、その理由は、
「大量電池を大量生産することによるコスト・ダウン」
であった。しかし、これについては、私が批判した。大量生産によるコストダウンなど、ありえない。歴史的に見て、太陽電池はここ数年の間にものすごく量が伸びたが、価格はたいして低下していないのだ。量は 10倍近い値にまで増えたが、価格は年に1割を大幅に下回る低下率にすぎない。(その価格低下の理由は、デフレかもね。大量生産じゃなくて。 (^^); )
──
大量生産によるコストダウンは、あるか?
いまだ大量生産がなされていない商品(実験室の手作り商品)ならば、大量生産によるコストダウンはある。しかし、すでに大量生産をしている商品は、コストダウンの効果はたかが知れているのだ。
なぜか? そのことは、経済学ならぬ経営学からわかる。大量生産で下がるコストは、固定費だけである。たとえば、「研究開発費」だ。生産量を2倍にすれば、1台あたりの「研究開発費」の負担は半分になる。……このことは、少量生産品では有効だが、大量生産品ではほとんど無効だ。なぜなら1台あたりで、少量生産品では開発コストが多大だが、大量生産品では開発コストはもともと少ないからだ。もともと少ないものが、さらに半減しても、ほとんど効果はない。(たとえば、90%が半分になれば有効だが、5%が半分になっても効果は少ない。)
──
というわけで、
「大量生産による(大幅な)コストダウン」
という政府やマスコミの主張は、まったく成立しない。その一方で、
「技術革新による(大幅な)コストダウン」
ならば成立する。このことは私は何度も指摘してきた。そして、そのことをようやく、朝日も報道した。
「技術革新で既存品の半額のコストで済む薄型のパネルが開発された」
ということだ。( 2009-01-28 朝刊・国際面)
つまり、(大幅な)コストダウンの方法として、「大量生産」は無効だが、「技術革新」ならば有効なのだ。だから、今われわれがなすべきことは、新しい太陽電池のための「技術革新」をなすことなのだ。
その一方で、古臭いゴミを生産する工場を大量に建設して、ゴミみたいな太陽電池を大量生産することは、「ゴミの生産」をすることになる。(どうせ廃棄される無用のゴミをつくるだけだからだ。) それは、エコであるどころか、エコに逆行する。
工場にゴミのような設備を作ったり、家庭の屋根にゴミのようなパネルを載せたりして、どうするんですか? そのために大量の補助金を出す、というのに至っては、滅茶苦茶すぎる。エコという名の浪費をしているだけだ。
──
では、日本では、どうするべきか? 次のいずれかの案がある。
第1の案。……米国に生産委託すればいい。その分、日本の太陽電池生産工場は、すべて廃棄すればいい。シャープは太陽光発電の工場を建設するというが、そんな時代遅れの工場など、赤字を出すだけだから、さっさとつぶしてしまえばいい。
第2の案。……米国の技術を導入すればいい。そうすれば、日本にある工場を稼働させることができるので、工場が無駄にはならない。(現在の技術で生産すれば無駄だが。)
第3の案。……日本でも技術革新をすればいい。そして、技術革新をするまでは、生産をやめればいい。
このうち、どれがまともか?
第3の方法は、私が昔からずっと主張していたことだ。しかしながら政府もマスコミも、そうはしなかった。政府やマスコミがしたのは、次のことだった。
第4の案。……「古臭い技術のまま、古臭い製品を大量生産する。それでは誰も買ってくれないから、国による補助金で大量に普及させる」
つまり、政府の金で、粗悪品を大量生産するわけだ。かつてソ連でやった方式。クズみたいな工業製品を補助金で大量生産する、という方式。……これは最悪だろう。
──
なお、別の話題もある。気候や地域の話題だ。
上記の朝日の記事によると、米国で太陽光発電パネルを敷設しているのは、米国でも南カリフォルニア地方に限られるという。というのは、ここらでは、条件が整っているからだ。
「太陽が照りつけ、ほとんど雨が降らない独特の気候条件」
「もともと他州に比べて電力料金が高い」
( ※ 後者の理由は、過去に電力自由化による大失敗があったから。)
ここでは、前者が大切だ。米国で太陽光発電が進んでいるのは、独自の気候があるからだ。(南カリフォルニアといっても、ピンと来ないかもしれない。わかりやすく言えば、アリゾナ砂漠の周辺である。こんな感じ。 → Google ストリートビューの画像 )
逆に、日本は気候の条件が悪い。日が強い夏至のころには梅雨なので、太陽光を利用できない。冬になれば晴天が多いが、冬の光は弱いので効率が劣る。(しかも、太陽光発電パネルは、ほぼ水平なので、冬の日光をまともに利用できない。)
要するに、日本という気候条件では、太陽光発電はいちじるしく効率が悪い。
──
結局、日本と米国では、条件が全然違う。
・ 日本には、適した気候がない。
・ 日本には、低コストの技術がない。
そこで、条件がまったく整っていないから、「補助金」という社会主義政策を取る。「大量の金をつぎこんで解決せよ」というわけだ。
しかしこれは、馬鹿げている。戦艦大和を作るのも同然だ。すでに時代遅れとなったものを、ひたすらせっせと構築する。そのために大量の資金や資材を投入する。その結果は? 役立たずのまま自沈するようなものだ。
こういうことをやろうとする連中を「馬鹿」という。
──
環境馬鹿の例。
「米国ではオバマさんがいて、太陽光発電を推進しているから、日本でもやりましょう」
「どうやって? 革新的な技術で?」
「いや、大量の補助金を投入することで。莫大な金を無駄に投入すれば、莫大なエネルギーの節約ができます」
漫才みたい。 (^^);
「僕らもオバマさんの真似をしたいよ!」
「あんたの名前は?」
「おバカさん」
【 追記 】
(検索などで来て)本項だけを読んで、誤解する人が多い。だが、話のつまみ食いをされても困ります。
誤解を避けるため、まずは次の項目をご覧ください。
→ 太陽光発電の嘘(Wikipedia)
そのあと数項目、続きます。それらもご覧ください。
また、関連する話題は、下記の関連項目をご覧ください。
【 関連項目 】
→ サイト内検索 「太陽光発電 嘘」
2009年01月29日
過去ログ

しかし、現在の技術でも、家で発電した電気を家庭で使用する方法ならば、、送電ロスを考慮に入れれば,十分実用の域に達しているとおもいます。通常の家庭なら、電力会社に売電できるレベルですな
気候的にも、電力需要のピークは真夏の太陽のでているときなのですから、家庭で発電してくれれば、電力会社の最大発電量を減らして、過剰な設備投資を抑えることになりますね。
>通常の家庭なら、電力会社に売電できるレベルですな
そういう見え見えの嘘に引っかかるのはやめましょう。
仮にそれが事実であるなら、補助金なんて1円も必要ないんですよ。なのに50万円〜200万円ぐらいの補助金を取ろうというのは、どういうわけ?
たぶん、どこかのブログ(アフィリエイトで本を売るために嘘ばかり書くブログ)にだまされたんでしょう。真相が何であるかは、本日以降の項目で示します。(連載)
一応自分の見解の弁解をさせてくださいね
経済的メリット なし(補助金なしで家庭で導入する意味はない)
売電 本当(一年中家にいて、発電能力を上回る消費をする人はいない しかし導入コストを回収できるほど売電できない)
トータル環境負荷 疑問(発電して売電したり使用したりできるが、投入エネルギーに対して十分なリターンがあるとはいえない)
結論としては、明かりをつけたりお湯を沸かしたりする能力はあるが、環境負荷はむしろ増える。しかし、これからの技術革新によっては劇的に変わる可能性は十分にある。
自分としては、電力会社のピークの発電量を抑えるために実用性があるというのは、間違ってないとおもいます