ペレットストーブというものがある。木材を小さなペレット状に加工したものを燃やすストーブ。
これは、エコだと言われている。本当にそうか? ──
ペレット・ストーブは、化石燃料のかわりに、バイオ燃料を使う。その意味で「エコだ」と言われる。自治体では、ペレット・ストーブを推進するために、補助金を出しているそうだ。(朝日・朝刊・生活面 2009-01-23 )
では、これは本当にエコか? それが問題だ。
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そもそも直感的に、「エコだ」と感じる人もいるだろうし、「駄目だ」と感じる人もいるだろう。
「エコだ」と感じる人は、「化石燃料じゃない」というだけで短絡的に「エコだ」と感じるわけだ。
「駄目だ」と感じる人は? 「バイオ資源をそっくりそのまま燃やしてしまうのではもったいない」と感じているはずだ。そして、そこから、思考が始まる。
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「バイオ資源をそっくりそのまま燃やしてしまう」とは、どういうことか? 「ピュアな資源をそのまま燃やしてしまう」ということだ。つまり、その前に別の形で利用しない、ということだ。
石油で言えば、重油をそのまま燃やしてしまうのは、ピュアな資源をそのまま燃やすことになる。一方、レジ袋などのプラスチックの形で一次利用してから、二次利用の形で燃やせば、リユース(再利用)していることになるので、資源が無駄にならない。
資源を燃やすというのは、最も安直な利用法であるから、最終的な利用法であるべきなのだ。とすれば、ピュアな資源をそのまま燃やすペレット・ストーブは、無駄が多いということになる。
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ただ、ペレットストーブに使うのは、小規模な断片状の木材だから、普通の用途には使えない。最善でも、割り箸ぐらいにしかなるまい。値の付く商品にはなるまい。そこで、「ペレット・ストーブにするぐらいしかあるまい」という発想になる。
しかしながら、ペレット・ストーブの場合、ペレットを運ぶのに大量の燃料を使う、という問題がある。価格で言うと、ペレットの価格と、ペレットの運賃が、拮抗するぐらいにまでなってしまうらしい。運賃がかかりすぎ。(朝日の記事による。)
そこで、「全国のあちこちにペレット生産工場をつくればいい」という提案もあった。しかし、それでも、あまり良い方法とは言えない。
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私としてはむしろ、次のことをお勧めしたい。
「古新聞を燃やすストーブ」
これならば運賃がゼロでも済む。近所の古新聞の集積所から、古新聞をもらってくればいいだけだからだ。コストはゼロ。(力仕事は少しいるが。何だったら、人に頼めばいい。1回千円ぐらいでやってくれるだろう。ほんのちょっと動かすだけなのだから。)
この方法の最大の美点は、次のことだ。
「ピュアな資源を燃やすわけではない」
つまり、木材をいっぺん紙として利用する。そのあとで、紙を回収して、再利用して、新聞紙にする。さらに、新聞紙として利用された低品質の紙を、燃やして利用する。
これならリサイクルが2回、なされたことになる。 (^^)v
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では、製材所から出る細切れの断片は? 紙として利用すればいい。高級紙にはならなくても、中級紙にはなるだろう。(古新聞のついでに回収して、紙にすればいい。)
ごく小さな断片だけは、そのまま燃やしてしまってもいい。ペレットに加工するまでもない。
一般に、リサイクルというものは、なるべく低コストにすることが必要だ。そのためには、あれこれと加工することは好ましくない。「リサイクルのために多額の金をかけよう」というのは、「リサイクルのために大量のエネルギーをかけよう」というのとほぼ同じだ。それでは発想が本末転倒である。
ペレット・ストーブは、「ペレットに加工する」という時点で、かなり本末転倒になってしまっている。「薪を割るのは不便だから、ペレットにすればいい」という発想だが、「不便さを解決するためにエネルギーを使う」というのでは、全然エコになっていない。で、「そのために自治体の補助金を使う」というのでは、何をやっていることやら。
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朝日はやたらと、「エコの推進のために税金を使おう」という記事を掲載する。「それで公共事業になるから景気回復」という論法。
だが、形の上だけで「エコになればいい」というのは、形の上だけで「金をもらえばいい」というようなものだ。その裏にある事情を見失っては、元も子もあるまい。
「ペレット・ストーブでエコになります」(しかし加工や運搬に莫大なエネルギーを使います。そのためのコストは自治体に負担してもらいます。)
「交通事故で大金を得られます」(しかし健康や所得の被害で、その大金に相当する損失をこうむります。)
こういうふうに表と裏があっても、表だけを見て、「得をした」と思う連中が多い。朝日はその典型。「エコはすばらしい、だから税金を出せ」と推進する連中は、たいていがそうだ。
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「エコという名の詐欺」に引っかからないようにしよう。彼らは、「そうすれがあなたは得をしますよ」というふうに言うが、その分、社会のどこかに負担を回そうと企んでいる。そして、彼らの言葉に引っかかった連中がいるせいで、その分、あなたは何もしなくても多額の金を奪われる。「消費税増税」というような形で。
例。「太陽電池の推進で公共事業を推進します。グリーン・ニューディールです。エコと景気回復の一石二鳥!」(だけど3年後に消費税増税で 20万円負担してもらいます。でもそれは内緒。)
世の中、詐欺師が多すぎる。
【 参考 】
→ Wikipedia
→ ペレット・ストーブ日記
利用者の体験記。詰まってしまったとか、故障したとか、あれこれのトラブルがいっぱい書いてある。うまい話ばかりを信じて、詐欺師に引っかかりやすい人は、これを読みましょう。朝日というエコ詐欺師を信じている人は、必読。
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薪ストーブで火事、という話題もある。
→ UA、住宅兼スタジオが全焼
→ Yahoo!知恵袋
「エコ詐欺」については、以下の例もある。
[ 例1 ]
「太陽熱温水器」という例がある。「太陽熱温水器」というのは、元を取れないことが多いようだ。原理がどうこうというより、悪徳業者が多いせいで。工事費がかかりすぎ。……自作ならば大丈夫だが。
なお、太陽熱温水器の自作については → 「省エネと太陽熱」の最後の「関連項目」
[ 例2 ]
「太陽光発電」という例もある。朝日などは「太陽光発電を推進せよ」と述べている。だが、それを信じた読者が太陽光発電を購入して、ひどい目にあったそうだ。
朝日や業者の口車に乗せられて、「お得ですよ」という言葉を信じたが、実際には大損。想定外のコストがやたらとのしかかる。少しでも損失を免れるために、生活リズムが全然狂ってしまった。毎朝、早朝や深夜に家事をするハメになる。60歳の高齢なので、すごくつらい。太陽光のせいで、人生明るくなるどころか、人生真っ暗になってしまった。……という体験談。
これは、朝日に掲載された。( → 朝日・朝刊・声欄 2009-01-25 )
[ 補足 ]
エコな熱源がほしいなら、ペレット・ストーブよりも、もっといい方法がある。それは、「コジェネ」だ。
熱エネルギーを取るのが目的であれば、コジェネにするのが最も効率的だ。発電をして、そのときに出る熱を熱エネルギーとして暖房や給湯に利用する。このことで、「熱効率アップ」という原理で、省エネになる。一番よさそうだ。
コジェネは、発電が目的であれば、大量の熱の使途に苦しむことが多い。だが、もともと熱の利用が目的であれば、コジェネを使うことに何ら問題はない。
( ※ 問題があるとすれば、初期投資の多さであろうか。ここで「補助金」よりも「融資」の形で税金を使うのであれば、特に問題はないだろう。融資ならば金は返ってくるからだ。)
関連する話題として、次の項目がある。
→ 木質バイオマス発電
2009年01月26日
過去ログ

http://greenz.jp/2008/10/30/kamiyosaku/
ありがとうございました。