2008年10月15日

◆ 毒物検出の生物センサー

 中国産のインゲンに農薬が入っていたと判明した。ここではまず事実関係を明らかにするべきだが、そのためには機械のセンサーよりも、生物のセンサーを使うことが有益だろう。簡単に言えば、犬の鼻だ。 ──

 報道によれば、基準値の 3万倍以上の高濃度の有機リン系殺虫剤(ジクロルボス)が検出されたという。この濃度からして、明らかに人為的な混入だろう。つまり、畑で間違って入ってしまったというレベルではない。
 とすれば、「どこで農薬が入ったか?」という問題がある。ただ、それを知るには、情報を得なくてはならない。事実を知らなくてはならない。そのためには、
 「どの商品に農薬が入っているか?」

 ということを知る必要がある。ところが、これがさっぱりわかっていないようだ。

 過去の中国産ギョーザの例では、複数の商品から同様の農薬が検出された。被害者は一度に 10人も出たし、千葉県や兵庫県という複数の場所で被害が生じた。したがって、「農薬は製造過程で混入した」と強く推定される。……ここまでは問題ない。「中国が問題だ」と決めつけていいし、「中国製品は危ない」と思ってもそう間違いではない。

 今回の中国産インゲンは違う。被害は一人だけだ。となると、どこで被害が生じたか、まったくわからない。つまり、開封前に入っていたのか、開封後に(家宅に入って冷蔵庫を開けた誰かが)毒を入れたのか、どちらとも決めかねる。
 ま、別に、「家族が農薬を入れたのだ」とは断言しないし、空き巣が入れたのかもしれないが、とにかく、論理的には、はっきりとしない。
 となると、既存の製品を、大量に検査する必要がある。「第二、第三」の毒入り商品を検出する必要がある。

 しかし、である。通常の化学的な方法では、これは容易ではない。インゲンをいちいちすりつぶしたりしたら、莫大な手間がかかる。一万個のインゲンをすりつぶして、「一つも見つかりませんでした」という可能性もある。コストばかりやたらとかかる。
 また、インゲンは「百個に一つ」ぐらいの割合あったとすれば、検査から漏れてしまう可能性も十分にある。かといって、全量をすりつぶしたら、残っている商品がなくなってしまうので、これもまた困る。(非破壊検査ならばそういうことはないが、すりつぶすという方法では駄目だ。)

 なお、通常は、「すりつぶす」というような破壊的な方法で検査するようだ。(ガスクロマトなどの機器を使う。)
  → 毒物検査会社のサイト
   「有機リン系農薬66項目スクリーニング 85,000円」


 なお、この価格は、検体一つあたりの価格であろう。(推測だが。)
 1万個を検査すれば、その1万倍の値段が必要だ。1万個まとめてすりつぶせば、費用は1回分で済むが、どこに入っていたかはわからなくなる。1万個のうちの1つに入っていたのか、百個に入っていたのかも、わからなくなる。
 いくつに入っていたかを正確に知るには、1個ずつ検査する必要がある。だが、そうすれば、検査コストも莫大になる。そういう問題がある。

 ──

 そこで、本項で提案するのが、「生物センサー」だ。簡単に言えば、犬の鼻である。農薬が入っていれば農薬の匂いを検知できる。だから、犬の鼻だけで、農薬の有無を判定できる。また、じっくり調べれば、どこに入っていたのかも、判定できる。(非破壊検査で。)
 こうして、ローコストでスクリーニング(抽出)ができるから、その後に、厳密な機械的検査をすればいい。(定量的検査。)

 ──

 一般に、動物の鼻というものは、非常に高感度である。メチャクチャに感度が高い。人間の作った機械など、全然感度が足りない。
 哺乳類というものは、元来、恐竜のいる昼間でなく、恐竜のいない夜間に棲息していた。また、恐竜が滅びたあとも、夜行性の肉食獣が多かった。(夜行で獲物を襲うわけだ。)だから、光がなくても行動できるように、臭覚センサーがものすごく発達していたのだ。
 その後、霊長類(猿ですね)という哺乳類が誕生した。こいつは、樹上にいるので、肉食獣の心配をする必要がなくなった。(森の樹上にいれば、そもそも肉食獣もあまりやってこない。)……こうして、猿の仲間は、臭覚センサーをかなり退化させていった。かわりに、毒入りの果実を検知できる味覚を発達させていった。舌ばかりがやたらと発達して、鼻は退化していった。(食いしんぼだなあ。  (^^);  )

 ところが、今になって、人類は新たな敵に出会うことになった。それは、肉食獣ではなく、同じ人類である。同じ人類が毒物を食べさせようとする。ところが、味覚というのは、口に入れないとわからないから、きわめて危険である。
 そこで、食わなくてもわかる「臭覚センサー」に頼ればいいのだ。ただし、人類自体の「臭覚センサー」は退化してしまっているから、犬の「臭覚センサー」に頼ればいいのだ。

 ──

 と、ここまでは、猿の仲間である人類もわかる。(このページに書いてあるんだから、誰でもわかる。)
 ただし、わかっても、実行しない。  (^^);
 たとえ賢明な方法があるとわかっても、人類は常に馬鹿げた方法を取るのだ。特に、日本人は。
 私としては、ここで、「生物センサー」もしくは「臭覚センサー」がある、ということを、はっきりと指摘しておこう。何のために? それを知っても実行しない人類の愚かさを指摘するために。

 [ 付記 ]
 経済学の世界だって、人類は、自分を救う方法を知りながら、自分を救う方法を取らない。「そんな方法はトンデモだ」とか言って、自分たちを救う方法を拒否する。かわりに、「公的資金の投入」なんていう方法を取って、今後ずっと続くような長年の不況をあえて選ぼうとする。その損失は、莫大だ。数百兆円にもなりそうだ。そのせいの死者も、百万人単位で増えるだろう。
 人類はこれほど愚かなのである。それほど愚かな人類が、「生物センサー」もしくは「臭覚センサー」という賢明な策を、取るはずがないでしょう。
 「犬みたいに下等な方法を使えるか。おれ様は頭がいいんだから、おれ様の開発した高価な機械を使う方がいい。その方がずっと優れている」
 と威張りながら、莫大な金を浪費するに決まっている。自惚れ屋というのは、そういうものだ。
posted by 管理人 at 19:45| Comment(0) | 医学・薬学 | 更新情報をチェックする
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