2008年08月29日

◆ 電力エコの方法

 電力をエコにするには、太陽光発電、風力発電、原子力発電などの、どれが最適か?
 実は、発電するよりも、「省エネ」で電力消費を抑える方が有効だ。そのためには「電気料金の値上げ」をすればいい。  がく〜(落胆した顔) ──

 太陽光発電、風力発電、原子力発電などが、現状では「エコな発電」として知られている。しかし、それよりももっと良い方法がある。それは、発電量を増やすのではなく、電力消費を減らすことだ。つまり「省エネ」だ。
 たとえば、100ワットの電力を得るために、太陽電池パネルを10万円で購入するよりも、100ワットの省エネをすればいい。(発想の転換)
 具体的には、パソコンで intel Atom というような省エネのプロセッサを使うことで、電力消費を激減させることができる、という例がある。
 このように、新規の技術を使うことで、電力消費を減らすことができる。そういう技術開発をすることの方が、太陽光発電や、風力発電よりも、ずっと有効だろう。

 ただし、新規の省エネ技術は、必ず金がかかる。上記の intel Atom も、いくらかコストアップする。(太陽電池パネルに比べれば激安だが。)
 では、どうすれば、省エネ技術を製品で普及させることができるか? 経済学の原理に従えば、その方法はただ一つ。「電気料金を上げること」である。このことで、省エネの機器が普及する。
(ひるがえって、「省エネ機器に補助金を出す」というのは、無駄。政府やマスコミは、やたらとこういう補助金政策を打ち出すが。)

 さて。「電気料金を上げること」というのは、消費者に痛みを与える。そのせいで、評判が悪い。
 しかし、この問題は、解決が可能だ。次のようにすればいい。
 「電力消費の多い人には、罰金を支払ってもらうが、電力消費の少ない人には、逆に報奨金を与える」

 つまり、電力を無駄遣いする人は、毎月1万円か2万円を余分に支払うが、逆に、電力を節約する人は、毎月1万円か2万円をプレゼントしてもらえる。国民全体としては中立。……これで、国全体としては、省エネが大幅に推進される。(補助金なんかよりもずっといい。)

 では、「罰金と報奨金」というのは、どうすればいいか? 簡単だ。次のようにすればいい。
  ・ 電力税を課する。
  ・ 電力税の国家歳入と同額を、一律減税として国民に還付する。

 
 たとえば、現在の電気代が毎月2万円だとしよう。電気料金と同程度の電力税を課することで、電気代は倍増して、毎月4万円となる。家庭は毎月2万円の金を(税として)余計に払うことになる。国は、その税を集めて、国民全体に一律還付する。すると、どうなるか?
  ・ 普通の家庭では、税が2万円で、還付が2万円。(損得なし)
  ・ 浪費の家庭では、税が3万円で、還付が2万円。(1万円の損)
  ・ 節約の家庭では、税が1万円で、還付が2万円。(1万円の得)


 結果的に、家庭は、省エネに励む。少しぐらいコストが高くなっても、省エネ機器を購入する。電力消費の多い年代物の機器を使っていれば、省エネである最新機器に買い換える。こうして、国全体で省エネが大幅に進む。しかも、そのためには、特に補助金のような無駄な支出は必要ない。あくまで経済的な合理性によって省エネが進むだけだ。
 そして、国の制度は、そのような省エネの進展する速度をスピードアップするという効果がある。

 結局、電力でエコを推進するには、太陽光発電や風力発電をするよりも、省エネが最適であり、そのためには、補助金を出すかわりに、国の制度(税制)をちょっといじるだけでいいのだ。これが最も賢明。

 [ 付記1 ]
 国がそういうふうに制度を整えれば、あとは国民各自が、自分で最適の省エネを実行する。
 そして、国民各自の動機は、「世界環境を良くするため」ではなく、「自分が儲かるため」である。
 ここでは、実質的にはまったく同じことをしているのだが、動機だけが「世界環境を良くするため」から、「自分が儲かるため」に転じる。この「動機を変えること」が、国の制度改定の効果だ。
 うまいですね。無駄に補助金を出すよりは、こういう賢明な方法を取ればいい。

 [ 付記2 ]
 このことは、ちょっと実現しがたく思えるかもしれない。だが、別に、難しくはない。すでにガソリンでは同じことがなされている。
 第1に、「ガソリン税の一般財源化」というやつだ。国がガソリン税をかけて、それで得た収入を国の施策(国民へのサービス)のために使っている。
 第2に、ガソリン価格の値上げだ。最近、ガソリン価格が急上昇しているが、そのせいで、世界中で省エネが急速に進んでいる。日本では無駄なドライブが激減しているし、米国では大型車から小型車へのシフトが急速に進んでいる。
( ※ 日本では「最近では道路がすいていて、渋滞がなくなった。おかげで、所要時間は減るし、燃費は良くなるし、とてもありがたい」という声が聞かれる。
posted by 管理人 at 19:55| Comment(2) |  太陽光発電・風力 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ガソリン販売量が激減しているという。以下、引用。
 「 資源エネルギー庁が29日発表した7月の石油統計速報によると、ガソリンの国内販売量は487万6948キロリットルで、前年同月比6.8%減少した。3カ月連続の前年実績割れで、7月としては金融危機のあった1997年以来11年ぶりの低水準。ともに、その月として12年ぶり、11年ぶりの低水準だった5月、6月の流れが続いている。(2008/08/29-15:37)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200808/2008082900674 」
 これはちょっと古い記事だが、今日の新聞(朝日か読売)のどこかにも、同趣旨の記事があった。
 ともあれ、ガソリン値上げのせいで、ガソリンの消費量が激減するわけだ。
 (すぐ上の [ 付記2 ] の補足説明。)
Posted by 管理人 at 2008年09月12日 21:33
2011年の夏の停電についての追記。

 電力税は、需要を1割程度減らすのには有効だが、25%も減らすという極端な需要抑制には役立たない。

 もしやろうとすれば、ものすごく大幅な値上げを必要とするが、それではさまざまな弊害があるからだ。
 この件は、別項で述べた。

 → http://openblog.meblog.biz/article/4353431.html
 → http://openblog.meblog.biz/article/4382236.html

 つまりは、値上げ(という愚劣で無効な策)なんかよりも、ずっと賢明で有効な策を取ればいい。
 大幅な電力不足のときには、ただの値上げという安直な方法だけでは、対処が不可能になるのだ。(補助的に併用するのならばいいが。)
Posted by 管理人 at 2011年04月02日 11:17
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