2008年08月23日

◆ 雨水タンクと打ち水

 雨水タンクと打ち水によって、水分蒸発量を増やすことができる。雨を雨水タンクに溜めて、その雨水を打ち水として散布する。 ──

 水分蒸発量を増やすためには、単に緑化すればいいのではなく、保水量を増やす必要がある。
 この点では、森林が良く、単なる芝生などでは不十分だ。芝生では雨水が流出してしまうからだ。
 ただし、雨水タンクを使うと、雨水を流出させずに無駄なく使うことができる。しかも、そのためのコストは激安で済む。

 ──

 まず、「水分蒸発量の増加」という目的がある。( → 陸地温暖化説
 そのためには、「森林の増加」や「屋上緑化」などがある。( → 陸地温暖化への対策
 ただし、これらはいずれも、コストがかかる。森林を造成するのには莫大な費用がかかるし、屋上に樹木を植えるのにも相当の金がかかる。(屋根を補強したりする費用が莫大にかかる。普通の個人住宅ぐらいでも、数百万円がかかる。太陽電池よりは安いだろうが。)

 その点、「雨水タンク」というのは、コストは最小で済む。なぜか? もともと「雨樋」(あまどい)というものが存在するからだ。
 通常、雨樋で集められた水は、そのまま下水に流される。ただし、その水を、途中で横に逸らして、雨水タンクに溜めれば、それだけで雨水は無駄に流されることがなくなる。
( ※ なお、雨水タンクがなければ、雨水は下水に流されるから、水分蒸発量は増えない。その一方で、都会の下水や河川では、洪水時の氾濫などの問題が生じるので、氾濫の防止などの費用が莫大にかかる。数百億円の貯水池や地下貯水タンクなど。各家庭やビルが雨水タンクを備えれば、この問題はなくなる。)
 
 ──

 こうして、雨水タンクに溜めた水を、あとは少しずつ散布すればいい。そのことで、水分蒸発量を増やせる。
 具体的には、「打ち水」という形になる。次のように。
  ・ 芝生への散布
  ・ 庭や街路樹への散布
  ・ 歩道や駐車場への散布


 これらの形で、雨水を少しずつ散布する。
 なお、散布するといっても、いちいち人間が散布する必要はないし、機械で散布する必要もない。雨水タンクの底部に小さな穴をあけておいて、あとは少しずつ水が流出して、広い範囲にひろがるようにしておけばいい。雨水タンクの位置を少し高い位置にしておけば、「水は高きから低きに流れる」とう形で、かなり広い面積にひろげることが可能になるだろう。(配管が必要になりそうだが。これについては、後述の「浸透トレンチ」を参照。)

 ともあれ、こうすれば、芝生や歩道などから、水分蒸発量を多大に増やすことが可能になる。その水分蒸発量は、森林と同じ程度になる。(その量は、降水量に等しいから、どっちにしても同じだ。)
 ただし、単に水分蒸発量を増やせばいいのではなく、「気化熱」の形で大地の熱を奪う必要があるから、地面はなるべく芝生や草木などの植物があることが好ましい。(保水力のないアスファルトに水を撒いても、効果は一時的なので、「焼け石に水」みたいになりかねない。 (^^);  ま、やらないよりはマシだが。)

 ──

 ともあれ、「雨水と打ち水」という形で、陸地温暖化を阻止することに役立てることが可能だ。特に局地的には、ヒートアイランドの効果を弱めて、都会の気温を下げる効果がある。

 なお、本項で述べたことは、一見、当り前のように見えるかもしれない。そこで、ポイントを指摘しておこう。
 「屋上緑化」とか「芝生」とかいう方法なら、すでにあちこちで報道されている。本項で述べたことは、単なる「緑化」ではない。「緑化」に「雨水タンク」を追加することだ。そのことで、水分蒸発量を増やすことだ。
 単に芝生があっても、それだけでは水分蒸発量を増やすことはできない。水の大部分は流れてしまうからだ。また、日持ちがしないので、雨の日の翌日ぐらいは効果があっても、数日後には効果がかなり減少してしまう。曇りの日には気温低下効果があるが、肝心の晴れの日にはもはや水分不足になる、というふうになりがちだ。つまり、芝生は、森林に比べれば効果が圧・的に劣る。
 しかるに、芝生に雨水タンクを組み合わせることで、芝生でも森林と同程度の効果をもたせることが可能になるのだ。だから、雨水タンクを用いることで、「保水量の増加」が実現する。しかも、森林を造成するのに比べて、圧・的に低コストで。
 これが本項のポイントだ。

( ※ 副次的に「洪水の氾濫防止」という効果も出る。)



 [ 付記1 ]
 こういうことは、国家が大々的に推進するべきなのだが、現実には、国家がだらしないから、民間企業がかわりにやっている。
  → 駐車場会社の実験 その1その2
 
 ただ、駐車場会社の実験としては、ちょっとピンボケ気味である。駐車場に芝生を植えたら、芝生がボロボロになってしまう。だから駐車場では、芝生ではなくて、別の形にする方がいい。
   → 画像検索「グラスパーキング」
 ここでは、穴あきブロック による緑化の例がある。

 ただ、話を戻せば、先の駐車場会社のように、基礎的な実験をするべきだ。つまり、駐車場という用途に限らず、芝生や保水舗装などを、いろいろと調べるべきだ。
 さらに、本項に即して言えば、雨水タンクを利用した場合の効果も調べるべきだ。

 [ 付記2 ]
 単純に言えば、次の比較。
  ・ 屋根に真っ黒な太陽電池をつける。(300万円)
  ・ 家庭に雨水タンクをつける。(2万円以下)
    あとは散布パイプ(浸透トレンチ)に数千円程度。


 Aさんの家では、太陽電池にしました。それで発電した電力で、クーラーをガンガン効かせました。屋根が真っ黒で熱いので、クーラーが必要なんです。
 Bさんの家では、雨水タンクと緑のカーテンにしました。クーラーを付けなくても、空気がひんやりするので、特にクーラーは必要ありません。ま、日中の二時間ぐらいは付けるかもしれないが、夕方や夜になれば不要。屋根は白ペンキを塗って、屋根裏にも断熱材を付けたので、もともと室温はたいして熱くならないんです。
( ※ 1階よりも2階の方がずっと暑い、という家では、断熱材を付けるだけでも多大な効果がある。屋根裏に発泡スチロールを敷き詰めるだけでも十分。ただし、通気が悪化しないように注意。)

 [ 付記3 ]
 雨水タンクの水を庭に散水するには、「浸透トレンチ」というものを用いるといい。穴あきの塩ビ管を地中に埋めて、そのまわりに砕石を埋め込むもの。雨水は塩ビ管から、砕石を経て、地中に浸透する。
( ※ 似たものに「浸透枡」があるが、これは大工事になるので、金がかかりすぎる。)
 ここで、注意。浸透トレンチを設置する場合は、雨樋から直接浸透トレンチに流し込むよりは、いったん雨水タンクに貯水してから(あとで晴れた日に)浸透トレンチに移す方がいい。自治体は「雨の日の洪水防止」のために浸透トレンチを推奨しているが、本項では「晴れた日の水分蒸発量の増加」を主目的としているからだ。
 ただし、雨の日にも雨水タンクからあふれた分については、浸透トレンチに流し込むようにするといいだろう。(下水に流すべきではない。)これなら雨の日の浸透トレンチとしても役立つので、特に問題はない。
 なお、浸透トレンチは、補助金が出ることがある。(雨水タンクと同様。下記の通り。)

 [ 付記4 ]
 雨水タンクには、自治体から半額程度の助成金(補助金)が出ることがある。自分の自治体はどうか調べてみてもいいだろう。どの自治体が該当するかは、下記。
   → http://rainwater.be-us.net/

 なお、雨水タンクと浸透トレンチとの併用は、特に問題ないだろう。双方を併用した場合、大型の雨水タンクを設置したのと同じことになるからだ。小型の1と1に対して補助金をもらうのと、大型の2に対して補助金をもらうのとは、どっちにしたって同じことだ。

 雨水タンクや浸透トレンチへの助成金(補助金)は、洪水対策のようだ。だが、私としては「地面に散布すること」を条件にして、水分蒸発量の増加を推進した方がいい、と思う。
(雨水浸透枡に限って補助金を出す自治体もあるが、これはピンボケだろう。雨水を地中に入れて、地下水にすることが大切なのではなく、雨水を地中に入れて、空中に蒸発させることが大切なのだ。雨水を河川に流さない、という点ではどちらも似ているが。)

 ※ なお、地面への散布といっても、自動車の洗車では駄目だ。洗車の水は流れて排水路に捨てられてしまうので。(ただし節水の観点からいえば、自動車に雨水を利用するのもいい。コスト的にはとても得をする。雨水タンク代の元はすぐに取れる。)

 [ 付記5 ]
 安価に済ませたければ、大型のゴミバケツを使ってもいい。価格は 120リットルで 1万円弱。「セキスイ ポリペール」という用語でネット検索すると見つかる。
( ※ ただし、バケツの下部に蛇口が付いていないので、そのままでは雨水タンクにならない。自分で穴をあける必要がある。日曜大工の上手な人向け。)

 さらに安価に済ませたい人のために、「コンテナ」(プラスチックケース?)を使う、という例もあった。激安。
   → http://www001.upp.so-net.ne.jp/kusui/rain.html

 なお、これらの場合は、自治体の補助金はもらえそうにない。かえって損するかも。  (^^);



 【 関連項目 】
  → 陸地温暖化への対策 (前々項)
posted by 管理人 at 20:32 | Comment(0) | エネルギー・環境1 | 更新情報をチェックする
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