2008年06月29日

◆ エコ値上げ

 「エコのため」という名目で、電力料金の値上げが構想されている。太陽光発電や風力発電のコストが、通常の8倍にもなるので、そのコストを利用者に転嫁しよう、という政策。 ──

 記事を引用しよう。
 太陽光や風力発電費用、料金転嫁で……経産省が新制度検討に
 経済産業省が、太陽光や風力など新エネルギーによる発電でかかったコストを電気料金に転嫁する新料金制度の検討に入ることが28日明らかになった。
 太陽光の発電コストは、1キロ・ワット時あたり約46円で、石炭火力や原子力の約8倍に上るため、経産省はコスト転嫁のための新料金制度を検討する。
( → 読売・朝刊 2008-06-29
 これは「エコのためのコスト転嫁」という政策だ。朝日がかねがね推進するものであり、それがとうとう、政府をも動かすようになったわけだ。

 ──

 しかしこれは、「他人のフンドシでエコをやる」という方針だ。朝日がエコのために金を払うのなら、それは朝日の勝手だろう。特定の企業がそうするのも、その企業の勝手だろう。しかし、「国民の財布に手を突っ込んで、勝手に8倍もの金を奪う」というのでは、泥棒も同然だ。「エコ」というぜいたくな趣味のために、勝手に金を奪い取る。

 考えてもみてほしい。現状では電力料金の値上げが話題になっており、「家計は苦しい」という話がしばしば話題になる。なのに、電力料金が8倍にもなったら、いったいどんなことになるのか? 想像するのも怖いくらいだ。
 ま、現実には、「今すぐ8倍になる」というわけではない。しかし「8倍のコストの方法を取る」という事実は変わらない。
 現実には、8倍(800%)どころか、8%ぐらいのアップにしかならないかもしれない。つまり、百分の1で済む。しかしそれは、「エコの効果もまた百分の1にすぎない」ということの裏返しにすぎない。
 つまり、効果があれば、莫大なコストアップ。コストアップが少なければ、効果もまた少ない。
 現実には、「効果も少なく、コストアップも少ない」という道を取るのだろう。しかし、そんなものは、「ただの自己満足」にすぎない。なぜなら、最終的に「すべて太陽光発電にする」ということは不可能だからだ。あくまで百分の1ぐらいの範囲で自己満足するしかないからだ。
 要するに、これは「省エネごっこ」にすぎない。そういう下らないお遊びのために、莫大な費用を支出するわけだ。まことに愚劣。
( → 太陽光発電の補助金

 ──

 さて。以上の話は、これまでに記したことの蒸し返しにすぎない。このあとは、もっと別のことを語ろう。

 実を言うと、上記のような政府の方針は、「効果が少ない」だけでなく、「かえって逆効果になる」恐れがある。つまり、「太陽光発電を推進すれば推進するほど、温暖化ガスが増える」というふうになる。そのわけを示そう。

 太陽光発電を推進して、料金を値上げすると、どうなるか? 「値上げはいやだ」と思った大口需要家は、こぞって逃げ出すだろう。つまり、民間の発電業者や自家発電に逃げるだろう。そして、そこで使われるエネルギーは、石油である。そのせいで、かえって炭酸ガスの排出量は増える。

 図式的に言うと、こうなる。
  ・ 多くの 企業や家庭 …… 使用量の 1%ぐらいを太陽光発電にする。
  ・ 一部の大口需要家 …… 使用量の 50%ぐらいを自家発電にする。


 たとえば、自動車産業の工場では、大量の電気を使う。そこに「太陽光発電のための課徴金」というものがかかると、馬鹿らしい。だから、電力を電力会社から購入するのをやめて、自家発電にする。そこでは大量の炭酸ガスを排出することになる。
( ※ たとえ炭酸ガス排出の課徴金がかかるにしても、8倍ものコストがかかる太陽光発電に比べれば、圧倒的に有利である。)

 こうして、結果的に、「太陽光発電を推進するせいで、炭酸ガスの排出がかえって増える」という結果になる。

 結論。

 「他人の費用負担でエコをやろう」というふうな、他人のフンドシをアテにする方法では、うまく行かない。それはエコではなくて、エゴである。そんなエゴを貫けば、他人もまたエゴゆえに、押しつけられたことを回避する。
 そして、それは、身勝手な行動ではない。科学的な合理的な行動なのである。「8倍ものコスト負担をかけてエコをやろう」というのは、ただの狂気の沙汰だ。そんな狂気の沙汰をやるくらいだったら、さっさと逃げ出す。それが正常な頭の持主のやることだ。
 今日のエコ政策は、エコ信者のエゴ政策である。彼らは自分の懐を痛めずに、他人の財布でエコをやろうとする。こういうエゴにだまされてはならない。




 【 注釈 】

 自家発電では、炭酸ガスの排出量が多い。なぜかというと、電力会社の電力は、原発などでまかなわれているからだ。その分、炭酸ガスを排出しない。
 詳しく言うと、火力発電の分は半分以下である。日本全体だと、石炭発電をする北海道電力の分があるが、それ以外の東電や関電では、原子力と水力だけで、半分以上になる。
 この件、具体的な数値は → 関西電力のサイトを参照。 原子力 45%,水力 11% などだ。他は石炭・石油・ガスなど。
 というわけで、工場が自家発電にすると、炭酸ガスの排出量は2倍以上増えてしまう。そして、そのようになることを、政府は推進する。「電力料金の値上げ」という形で。
 


 【 参考 】

 8倍という値は、根拠がわからなかったので、ちょっと調べてみた。たしかに8倍である。
  → 原子力と石炭の発電コスト
  → 太陽光発電の発電コスト

 [ 注記 ]
 ただし、8倍という数値は、「現状の太陽電池を使った場合」の数値だ。
 一方、「新技術の太陽電池を使った場合」には、発電コストは大幅に低下する。実際、さまざまな技術開発が進んでいるようだ。研究段階だが。
   → Google 検索

 こういう技術が開発中なのだから、こういう技術の開発のためにこそ資金を投じるべきだ、というのが私の主張だ。
 高コストの古い技術を大量生産しても意味がない。低コストの革新的な技術を開発することこそ大切だ。
 しかし、頭の悪い文系の人々は、「補助金を出して、大量生産を援助すればいい」という発想しかない。「技術開発こそ大切だ」という発想がないのだ。
 経産省であれ、朝日であれ、技術のことを何も知らない連中が、国家の金を浪費する。エコという名の壮大な浪費。……そして、そのせいで、新技術の開発は遅れてしまうのだ。
  → 太陽光発電の補助金



 【 関連項目 】


  → 太陽光発電の問題
 ( ※ 最後の方には、新たに加筆した箇所があります。 [ 余談 ] など。)
posted by 管理人 at 15:11| Comment(0) | エネルギー・環境1 | 更新情報をチェックする
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