2008年06月29日

◆ 太陽電池と緑化

 「太陽電池はすばらしい」という主張が多い。しかし、もっと低コストですばらしい方法がある。それは「緑化」だ。 ──

 たとえば、ビルの屋上に太陽電池を敷き詰めるよりは、ビルの屋上を緑化する方がいい。そのことで、都会のヒートアイランドを抑制できる。すると、水分の蒸発によって気温を下げることができるから、冷房の電力を減らすことが可能になる。
 一方、太陽電池を敷き詰めると、どうなるか? 太陽電池はほとんど黒に近い。そいつが太陽光を吸収すると、(真っ白な屋根に比べて)大幅に熱を吸収する。そのことで地上の気温が上がる。すると、冷房の電力もまた増える。
 つまり、太陽光電池で発電しても、気温の上昇の分で、効果が相殺される。ひょっとしたら、発電量よりも、気温上昇の効果の方が、かえって大きいかもしれない。「太陽電池を敷き詰めれば敷き詰めるほど、電力の消費量はかえって増えた」というふうになるかもしれない。
 ま、それほど極端ではなくても、メリットが大幅に減じることはたしかだ。莫大な費用をかけたあげく、効果は大幅に減殺される。その上、鳥の糞の掃除費用もかかりそうだ。
( → 太陽光発電の問題 の「鳥の糞」)

 それに比べれば、「屋上緑化」は、はるかにコストが少なくて済む。馬鹿高い「太陽電池」よりは、ローコストでエコになる「屋上緑化」こそ推進するべきだろう。



 [ 付記1 ]
 本項で述べたことは、前項(エコの意味は?)で述べたことと関連する。つまり、「電力消費という悪を減らすことばかりでなく、生態系の保護という善を大切にせよ」ということ。(普通の人は、省エネばかりを考えているが、真のエコとは、それだけではないのだ。)

 [ 付記2 ]
 本項で述べたことは、次項のこととも関連する。つまり、
 「今日のエコ政策は、エコ信者のエゴ政策である。彼らは自分の懐を痛めずに、他人の財布でエコをやろうとする。こういうエゴにだまされてはならない」
 ということ。

 [ 付記3 ]
 屋上緑化は、うまくやれば、社員の努力だけで済む。暇な社員が暇なときにやるだけでいい。(ただし素人任せだと敷設後が危険なので、十分に知識のある人の指導が必要だ。作業そのものは素人でもいいが、素人を監督するセミプロかプロが必要だ。)

 なお、
 「水をかける手間いらず」
 という工法も話題になっているが、こういうのはエコだとは思わない。それはエコロジーというよりはエコノミックだ。ちゃんと、
 「水をかける手間をかけて、せっせと水分を蒸発させる」
 というふうに仕向けるべきだろう。そして、そのための方法は、
 「家庭菜園」
 である。ビルの屋上で野菜を作るといい。そのためにせっせと水をやるといい。一般に、野菜というものは、かけた愛情の分だけ、おいしくなる。女と同じです。  …… イテッ。  (^^);
 
 [ 付記4 ]
 本項で述べたのは、(文中にも記してあるとおり)ビルの屋上緑化である。コンクリートのビルならば、建築の変更は不要で、単に土と植物を置けばいい。また、いちいち業者に頼むと馬鹿高くなるから、基礎工事以外は社員がやるべきだ。これならば高額にならない。([ 付記3 ]で述べたとおり。)
 一方、一般の個人住宅については、話は別だ。一般の個人住宅で屋上緑化をすると、屋上全面の緑化なら、とんでもない費用がかかる。改築のようなことまで必要になる。そんなことをするのは馬鹿げている。( 太陽電池ぐらいの面積[≒ 10平方メートル ]だけならばともかく。)
 「私は個人住宅で屋上緑化をしたら、費用がたくさんかかった」
 と文句を言う人もいるかもしれないが、勘違いしないでほしい。そういうのはただのぜいたくである。「屋上プール」や「屋上ヘリポート」をつくるかわりに、豪華な「屋上庭園」を作っているだけだ。ぜいたくの極み。

( ※ 個人住宅でどうするべきかは、すぐ下のリンク(↓)で述べてあるとおり。つまり、「白いペンキを塗ればいい」となる。)



 【 関連項目 】
 後日に記した、次の項目も参照。
  → 陸地温暖化への対策

  《 趣旨 》
 太陽電池は炭酸ガスを吸収するが、そもそも炭酸ガスの吸収は無意味である。むしろ、水分蒸発量の増加をもたらすことが大事であり、そのためには屋上緑化役立つ。ただし、屋上緑化よりも、もっといい方法もいくつかある。

( ※ なお、緑化するならばどこで緑化してもいいのであって、あえて高コストの屋上緑化をする必要はない。太陽電池ならば、屋上に設置するのが普通だが、緑化するならば、屋上にとらわれる必要はない。具体的な例で言うと、緑のカーテン ならばコストは激安だ。)
 


 【 参考サイト 】
  → 屋上緑化について詳しい説明

 このサイトでは、屋上緑化について非常に詳しい話が記してある。単に莫大な金をかけて屋上緑化をしても、造園業者の食い物にされるだけだ、というような批判もある。( → NHKへの投稿

 全体の趣旨は、「屋上緑化で万事OK」というおめでたい主張への批判。その点では、私の「太陽光発電批判」に似ている。それの屋上緑化版。  (^^);
 ただ、私もそうだしこの人もそうだが、一方的に全否定しているわけではなくて、建設的な提案をしている。「現状の方針は駄目だから、このように方針を変えるべし」という提案を示している。
 ともあれ、詳しい情報が多く、とても有益だ。参考となる点が多々ある。
posted by 管理人 at 15:10| Comment(12) |  太陽光発電・風力 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
太陽電池の方が、緑化よりも、光電変換効率が良い。太陽電池は17%以上あるが、緑は2%以下である。太陽光を有効利用しているのは明らかに太陽電池の方である。
 しかし、水分蒸散による冷却や、酸素発生や、ものによっては食べ物を作るので、緑化の方が良いと考える事もできる。ただし、太陽電池がこれらのものを提供できる工場を駆動すれば、太陽電池の方が高効率になる。
Posted by 地下水 at 2008年07月20日 21:09
効率の高いものをほんの一部で採用するよりは、効率の低いものを大々的に採用する方が、効果は高いのです。
  17% × 10 < 2% × 1000

 これを理解するための概念が「コスト」です。
 人間のなし得る量の全体(総支出)は一定なのですから、効率の高い(しかし高価な)ものを少しだけやっても無意味なのです。
 比喩的に言うと、栄養価の高いビフテキを一切れだけ食べて、あとは飢えてしまうより、栄養価の低い米ばかりを毎日食べている方が、よほど有益です。餓死しないで済むのだから。
 効率ばかり考えていると、総量というものを理解できなくなります。
Posted by 管理人 at 2008年07月21日 21:08
シャープのホームページで調べてきた。結果は、1平米の太陽電池の電力で、11.5m四方の大木に相当する、CO2を吸収する。
 つまり、太陽電池の方が、CO2吸収の効率が百倍以上よい。この効率の良さは、決定的である。
 2年後の堺の量産工場の稼動と、大量生産による価格廉価にも期待したい。
 ちなみに、10m四方の大木で、年間25kgから35kgのCO2を吸収する。
 また、屋上緑化の番組で、屋上に木々を植えるには、土の重量が重過ぎるので、特別な溝を持つ構造の軽い敷物で、根の部分だけ土を深くして、土の量を減らす必要があると紹介していた。
 排水溝のつまりや、湿気、屋上の傷み、重量制限などの問題がある。
 そして、当然の事だが、多くの屋根は、屋上にはならず、緑化は困難で、太陽電池が推奨できる。
Posted by 地下水 at 2008年08月25日 21:04
本文にも書いてありますが、「ローコストでエコになる」ということです。太陽熱の利用効率ではなくて、資金あたりの効率です。

 太陽の光なんか、地球上にいくらでも無料で大量にあふれているんだから、そんなものの利用効率を高めても意味がありません。
 お金は、いくらあっても足りないので、お金の利用効率を高めることが必要です。

 たとえば、あなたの家の屋根に照射する太陽光をすべて奪われても、痛くも痒くもないが、あなたの所得から300万円を奪われたら、痛くて仕方ない。そういうことです。
 論点を取り違えないでください。技術者は良くこういう勘違いをするが。この件は、下記を参照。

 ──

( ※ ともあれ、太陽電池の関係者では、コストを無視して技術的な効率ばかりを考える技術者が多すぎる。普及するか否かは、発電量あたりのコストしだいだ、ということが理解できないようだ。)

 以上、
http://openblog.meblog.biz/article/1204741.html
 から引用。
Posted by 管理人 at 2008年08月25日 21:42
失礼しました。価格の話ですね。昨今性能が良くなっているとはいえ、家庭用では年間8万円の発電力しかなく、20年後には70%出力になって廃棄されるとして、136万円の積算発電力があります。価格は300万円もしますから、164万円もの赤字で、全然おすすめできません。
 今後の研究で、現行のタイプの機器の発電力が1.3倍程度まで上がると考えると、195万円まで廉価すると、未来に投資できる、普及のブレークスルーになる価格に初めてなります。
 それまでは国費をつぎ込んで研究する、研究課題に過ぎず、世間の経済にのせるのは、おっしゃる通り、詐欺かもしれません。(^^;;
 ただし、世界規模で2.5GW普及しており、1兆円産業を超えており、5年後には3.89倍になる経済予測があり堅調です。2004年度の世界の発電能力は4031GWです。この調子で新技術開発と生産が続くと、2031年には、積算8237GWになり、世界の発電能力のオーダーになり、完全にソーラー社会が到来します。狸の皮算用の様ですが。(^^;;;
Posted by 地下水 at 2008年08月29日 20:02
太陽光発電のコスト計算は、こちらでしています。
http://openblog.meblog.biz/article/1198846.html
の [ 付記1 ]
Posted by 管理人 at 2008年08月29日 20:06
私の論点は、来るべき、石油枯渇、原子力廃棄物、CO2の増加、に対応する電源が必要であるということです。緑では、太陽光の2%以下しか活用していない。バイオマスは、食料危機を生みかねない。太陽光発電は、緑の100倍以上のCO2を削減できる。緑を電源にするのは困難で、問題解決につながりにくいのでは?と思うのです。
 薄膜太陽電池は、従来の1/100の薄さで済みます。CISG薄膜太陽電池も販売が始まりました。それだけ原料価格が抑えられる可能性があります。量子ドット型太陽電池は、3倍の量子効率に成功しました。効率が3倍に上がるのです。発電量が3倍になり、経済にのるかもしれません。内閣が「太陽電池価格の半減」を政策目標にしました。シャープの新工場では年1GW生産を目指します。原子炉が1つ毎年、エコエネルギーになるのです。
 現状評価だけで開発中の技術を切り捨てるのは、余りにも惜しいのでは?と思いますが。
Posted by 地下水 at 2008年08月30日 20:50
地下水さんへ。

何度か返事を書きましたが、もうやめます。どう考えても、あなたは私のサイトの文章を読んでいません。私が書いていないことを書いてあると勘違いしているし、逆に、私がすでに書いてあることを返事として求めています。

特定の一項目だけをつまみ食いするだけでなく、他の項目を読んでください。せめて「太陽電池」または「太陽光発電」という用語で検索した項目ぐらいは、ちゃんと読んでください。知りたいことはすでに書かれています。
Posted by 管理人 at 2008年08月30日 21:10
最後に [ 付記4 ] を加筆しました。
 タイムスタンプは下記 ↓
Posted by 管理人 at 2008年08月31日 22:16
最後に 【 参考サイト 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは下記 ↓
Posted by 管理人 at 2008年08月31日 23:17
やはり日本では土地が高いので、土地代を考慮すれば、緑化より太陽電池の方が、遥かにコストが低い。
Posted by 地下水 at 2009年08月29日 21:02
緑化の土地代はただですよ。土地を買収するわけじゃありません。そんな無駄なことをするはずがない。

 一方、太陽電池には、土地代がかかります。たとえば、シャープの太陽電池発電所がそうです。
 ただし、土地代をかけても、家庭用の太陽電池よりは安価で済みます。家庭用の太陽電池はものすごくコストが高い。設置費など。だから莫大な補助金をかける必要がある。

 シャープの太陽電池発電所は、補助金をもらっていますが、家庭用太陽電池ほどではありません。

 とにかく、緑化であれ太陽電池であれ、「補助金は最少額にする」ことが重要です。
 また、太陽電池は、地球温暖化を阻止する効果はほとんどありません。炭酸ガスそのものが地球温暖化の原因ではないからです。……それが私の立場。

 たぶん、他の項目を読んでいないで、つまみ食いの批判をしているのでしょう。ちゃんと他の項目を読んでから、コメントしてください。
 
 ──

 p.s.
 少し前のコメントを見たら、地下水さんは例の勘違いばかりしている人ですね。
 馬鹿馬鹿しいので、コメント禁止にします。
Posted by 管理人 at 2009年08月29日 22:24
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