( → 前項 との関連で。) ──
オタクの本質的な問題は、どこにあるか? これについて考えてみた。(絶対的な事実探求というよりは、ちょっと一考してみる感じで。)
オタクの問題は、何をなしていることにあるのではなくて、何かが欠落していることにあるようだ。では、何が欠落しているのか?
それは、「対人関係」だろう。つまり、「対人関係の欠落」がある。「架空キャラとの関係構築」とは、「人間との関係喪失」を意味する。これによって、オタクの特性が明らかになる。
──
対人関係が欠落すると、次の性質を帯びる。
・ 他者への思いやりがなくなる。
・ 他者を殺しても平然としている。
・ 焦りと寂しさを覚えて、奇妙な一方的関係を構築しようとする。
(無関係の他者を攻撃したり、女性にストーカーをしたり。)
・ あるいは、わざと対人関係を遮断する。引きこもり。
そしてまた、オタクへの治療法は、その逆になる。
・ 濃密な対人関係を構築させる。
その具体的な方法が、「結婚」だ。
こうして、「対人関係の欠落」という概念で、オタクの問題の本質を理解できる。
──
図式化して示そう。
● A
◯ →
● B
オタクである ◯ は、二つの ● のどちらかに向かう。
B は現実の女性で、こちらに向かうのが正しい。(生物として当然。)
ところが、対人関係が希薄になると、 B に向かうことができにくくなる。ただし、ここまでは、都市化の進んだ社会ではよく見られる現象だ。
しかるに、架空の女性(萌えキャラ)の A があると、積極的にこれに引きつけられるので、本人にそのつもりがなくても、自然に B から遠ざかってしまう。そのあげく、「 A の方が B よりもかわいいよ」などと、とんでもないことを言い出す。
ここでは、 A に引きつけられること自体が問題なのではなく、 A に引きつけられることで、 B から遠ざかってしまうことが問題だ。とはいえ、本人は、「 A に引きつけられて何が悪い」と言い張っている。そのせいで、 B に近づくことができなくなる。本格的に道をはずしてしまう。なぜなら、自分が間違っていることをなしていることに、気がつかないからだ。(オタクでなければ、自分の誤りに気づくのだが。)
こうして、対人関係が稀薄化したまま、どんどん悪循環が進む。場合によっては、ひどく暴走することもある。
──
なお、オタク殺人事件の犯人の感想がある。「おれはモテない」というようなコンプレックスの独白の羅列。
→ zakzak
この人、別に不細工というわけでもないし、平均よりはマシな方だろう。それでいてモテないのだと悩むのだとしたら、彼のせいじゃないですよね。
では、彼がモテないのは、何のせいか? オタクのせいだ。彼の生まれつきが悪かったのではなくて、彼が自分で選択したオタクという趣味が悪かったのだ。
そもそも、(結婚するかどうかは別として)モテるかどうかを考えるなら、オタクがモテるはずがないのだ。女はオタクを毛嫌いするからだ。
つまり、オタクという道を選んだ時点で、彼はあえて「モテない」という道を選んだことになる。だったら、世間や運命を恨む前に、自分の意思を恨むべきだろう。
そして、彼がそのことに気づいて、さっさとオタクをやめれば、彼も救われたはずなのだ。(あのくらいの容貌と、かなり優れた知性があるのだから。)
しかし、現実には、モテない。当然だ。オタクなのだから。そもそも、オタクと一般人は、住む世界が違う。一般人はこの世界で生きることが目的であり、オタクは架空世界で生きることが目的だ。水と油であろう。
オタクと一般人が、共存できるはずがない。オタクが生きるとしたら、オタク同士で付き合うか、自分がオタクであることをやめるか、二者択一だ。
つまり、「オタクでありながら、モテたいなあ」というふうに望んだ時点で、彼は実現不可能なことを望んだことになる。
オタクというものは、モテないものだ。仮に一時的にモテたとしても、あとで捨てられるだけだ。……そうわきまえることが大切だ。
あの殺人犯の過ちは、「おれがモテないのは世間のせいだ」と思ったことだ。本当は「おれがモテないのはおれの趣味のせいだ」と気づくべきだったのだが。もし彼がそう気づけば、オタクを脱して、今ごろは彼女ができていただろうし、そうすれば殺人事件を起こすこともなかっただろう。
(……それで悩みがなくなるわけではないだろうが、悩みは「彼女のご機嫌を取るにはどうしたらいいか?」というような悩みに変わるはずだ。私だってそれにさんざん悩まされてきたんだから。 (^^); )
( ※ オタクがなぜ毛嫌いされているか、わからない人も多いだろう。そこで、誇張的に言えば、次のようにたとえられる。「猫の死体の収集を趣味とする女」。こういう猫女みたいなのは、気持ち悪くて、男は結婚する気になれない。生理的に近づきたくない。……オタク男というのも、似たようなものである。猫の死体のかわりに、レイちゃんのフィギュアをいじっているだけだ。似たり寄ったり。)
( ※ とにかく、普通の人から見れば、どっちも「げっ」と言いたくなるほど、気持ち悪い。その気持ち悪さを理解することが大事だ。「オタクの気持ちを理解してくれ」と言う前に、一般人の気持ちを理解することが大事だ。……ま、馬の耳に念仏だ、とは思うけれど。私じゃなくてレイちゃんが語らないと、信じてもらえないでしょうね。 (^^); )
【 追記 】
わかりやすく示すために、例を示す。
あなたに妹がいた。妹があるとき、あなたに尋ねた。
「お兄ちゃん。相談に乗って。ボーイフレンドが二人いるんだけど、どっちと交際したらいいかなあ」
「二人って、どう違うんだ?」
「顔も頭も似たり寄ったりだけど、性格だけが違うの。一人はオタクで、もう一人はスポーツマンなの」
「どう違う?」
「オタクの方は、フィギュアをいじるのが趣味で、部屋で一人でフィギュアをいじくっているの。ときどき着せ替えたりするけれど、裸にしてオッパイや下半身をいじって、ニヤリとするのが趣味みたい。このまえちょっと覗いちゃった」
「スポーツマンの方は?」
「陸上部だけど、やたらとアウトドアで、ハイキングしたり山登りしたりで、自然のなかで過ごすのが好きみたい。で、あたしにも、いっしょにハイキングしようっていうのよ」
「だったら、いいじゃん。答えは簡単だろ」
「でも、あたし、外に出て体を動かして運動するの、いやだなあ。車で送ってもらって、レストランで食事をおごってもらう方がいいんだけど。あたし、疲れるのがいやなのよ」
「おまえがオタクだよ!

[ 補足 ]
注記しておこう。本項はあくまで、一考してみただけだ。前項の補足ふうに。
これは、論考というよりは、感想と見なしてほしい。他人に見解を押しつけるつもりはない。別に、信じてくれなくていい。
「ふうん、そう考える人もいるんだな」
と思うだけでいい。
なお、オタク殺人事件は、今年3月にもあった。土浦で。
この件は、前項の冒頭に記しておいた。そちらを参照。
【 関連項目 】
→ オタクのための恋愛講座 (次項)
古い項目もある。
→ オタクの定義と本質
→ オタクと結婚
→ 引きこもり対策
今回の容疑者は、南堂さんの思い描く嫌悪の対象としての「オタク」とは
ちょっと違う系統と、私は感じました。
まず南堂さんのイメージする「オタク」だと、ざっと読んだ限り
・架空のキャラ(主にアニメ)に入れ込んでいる。
・実在する異性には興味ない。
・他人との関係が極端に薄い。
と見受けられます。(合ってますかね?)
ところが彼は「モテない」とコンプレックスを抱きつつ、
やはり女性と付き合いたいと願っていたみたいですので、
南堂さん的「オタク」とは言えないと思います。
彼なりに何とかしようとしたのでしょう。
多分、実際の行動は何もしなかったと思いますが。
彼がもてなかった?のは、メディアからの続報を見る限り、
幼少の頃の育成環境と、性格上の問題ではないかと思います。
小さい頃、自分の意志を通押し殺し、親や周りの大人の望むように
振る舞うことで、ある意味自分に「ウソ」をつき続けるようになり、
自発的に考えることなく、周りに依存した生活を送るようになった。
ある時点からうまくいかなくなってしまったが、周りが悪いと
被害者意識を膨らまして、ある日爆発したってところかと。
ちょっと違う系統と、私は感じました。
もちろん、そうですよ。彼はオタクの典型ではありません。「オタクだから殺人をした」というわけじゃありません。そのような「因果関係」は明白に否定しています。前項で。
じゃ、何かというと、「彼の殺人をなくすには、オタク性をなくせばいい」と述べただけ。
一方、その逆の論理は成立しません。
たとえば、「彼の手をなくせば彼はナイフで殺せない」ということは成立しますが、「彼は手をもつからナイフを使って殺人をするのだ」というような因果関係は成立しません。(誰だって手をもつがナイフ殺人をしないので。)
> 南堂さんの思い描く嫌悪の対象としての「オタク」
私はオタクを嫌悪していませんよ。そこが根本的な誤読。
オタクを嫌悪をしているのは、私じゃなくて、女性です。
私はオタクを哀れんでいるだけです。医者の立場。間違えないでください。
私は別にオタクを批判しているわけじゃありません。
振る舞うことで、ある意味自分に「ウソ」をつき続けるようになり、
自発的に考えることなく、周りに依存した生活を送るようになった。
そんなこと、多かれ少なかれ、たいていの常識人がやっていますよ。野蛮人じゃないんだから。
特に、A型の人は、それをやります。(B型は やらないので、世間知らずの逸脱者だと馬鹿にされることが多い。KYとかね。 (^^); )
タイムスタンプは下記 ↓
また、オタクを嫌悪しているわけではないとのことですが、この文面からは全くそのようなことは読み取れません。
犯罪を通報した人は犯罪を嫌悪する人ですが、同様にオタクを嫌悪する人の意見を引用する人はオタクを嫌悪する人ではないですか?
> 血液型と人間性との間にある関連性の科学的根拠
そんなこと私は主張していないんだから、勝手に突っかからないでください。血液型について雑談で話題にする人はすごくたくさんいます。誰かが話題にするたびに、一人一人にいちいち突っかかるんですか? そんなことをすると、誰とも人間関係を結べなくなりますよ。
> 読み取れません。
それは、「オタク性」と「オタクの人」との区別ができていないからです。私は「オタクであることは駄目だ」とオタク性を否定していますが、オタクである各人を嫌っているわけではありません。
医者と同じ。病気を嫌うが、病人を嫌わず。罪を憎んで、人を憎まず。
あなたの立場は、患者が医者に向かって、こう言うのと同じ。
「先生、私の病気を治そうとするんですか? 私の病気を治そうということは、私を嫌っているということですね!」