2008年06月02日

◆ ミズノの惨敗の釈明

 水泳の競技会では、ミズノはスピード社の水着に惨敗した。
 このあと、ミズノの水着担当者が、負け犬の遠吠えで抗弁している。それがまた、ひどいトンデモ理論である。
   ( ※ 本項の記述日は 2008-06-10 ) ──

 先に、水泳の競技会があって、スピード社の水着が圧勝した。日本新記録が続出。国産記録は1秒ぐらいの大差をつけられて、惨敗。( 2008-06-06 ごろ。)
 これを受けて、日本水連は、スピード社の水着を採用することを決定した。つまり、「国産メーカー限定にして、スピード社の水着は排除する」という方針をくつがえした。
 このあと、惨敗したミズノの担当者が、負け犬の遠吠えで抗弁している。しかも、それをマスコミが「真実だ」とばかり、大きく報道している。
  「速さは気泡による浮力?」元開発担当者
 なぜ速いのか? ミズノで素材開発を担当してきた企業セミナー会社代表の森健次朗さん(45)が、経験から分析した。森さんは、LRで泳いだ選手が一様に「体が浮く感じがした」と語ることに着目。「素材中の気泡により、浮力が出ているのではないか」と考える。 
 競泳用水着の開発では、国際水泳連盟のルールで「浮力を付けてはいけない」と定められている。しかし、浮力についての数値の表記がなく、どこまで認めるかはグレーゾーン。LRについて、国内メーカーの担当者は「ルール解釈の部分で、(スピード社のように)踏み込めなかった」と口をそろえる。

 森さんは「私は選手の役に立ちたいと思って開発していたが、『用具に金をかけたら勝てる』というのでは、ちょっと違う。主役は選手であって、五輪は個々が努力して磨いた能力を競う場であってほしい」と語った。
( → 毎日新聞 2008-06-10 )
 この最後の段落は、笑止千万。「用具に金をかけたら勝てる」というのを否定しているが、普通の人が言うならともかく、ミズノがそれを言うのでは、自己否定だろう。「ミズノの製品を買わないようにしましょう」と言っているのも同然だからだ。
 ま、本当は、「スピード社の製品を買わないようにしましょう」と言いたいのだろうが、そのために屁理屈をこねるから、結果的に、「ミズノの製品を買わないようにしましょう」と言っているのも同然になる。頭が弱いですね。体育大の出身でしょうか?    (^^);

 ──

 ま、それはともかく、本題に戻ろう。
 体育大の出身者にはわからないだろうが、中学生レベルの物理学を知っていれば、次のことがわかる。
 「気泡は水中では発生しない。発生するとしたら、化学反応か電気分解だが、そんなことをなす水着はありえない」
 要するに、「スピード社の水着はルール違反だ」と主張したいために、「気泡が生じる」という屁理屈をこねて、「この水着は化学反応か電気分解をしている」と主張してしまっているわけだ。
 呆れてしまいますね。トンデモ理論。

 ──

 さて。高校・大学レベルの物理学を知れば、別のこともわかる。
 「泳ぐ途中で気泡が生じることはある。だが、それは、水中で自然発生するのではなく、外の空気を水中に取り込むからだ。たとえば、手を空中から水中に入れたとき、手といっしょに空気が水中にもぐりこむ。そのせいで、水中に気泡が発生する。」
 「ただし、このように気泡が発生すればするほど、無駄な抵抗となるので、タイムは悪化する。選手が高速に泳ぐコツは、いかに気泡を少なくするか、ということだ。気泡が多ければ多いほどタイムがよくなるのではなく、気泡が少なければ少ないほどタイムがよくなる」
( ※ この事実は、NHKがイアン・ソープの泳ぎ方を研究した番組で証明していた。水中で構想度撮影するとわかる。ソープは気泡の少ない泳ぎ方をしており、二流選手は大量の気泡を発生させる。)
 つまり、ミズノの担当者は、正反対のことを主張してしまっていることになる。トンデモ理論。

 ──

 さて。さらに言えば、別のこともわかる。
 「そもそも、浮力をつけても、タイムは向上しない。それが証拠に、浮き袋のようなものを腹巻きふうに巻くか、太腿のあいだに空気袋をつけるかして、浮力をつけてみるといい。そんなことをしてもタイムは向上しない、とわかるはずだ。むしろ抵抗が増える分、タイムは悪化しそうだ。
 そもそも、水泳選手は、普通の人とは違って、肺活量がやたらと大きい。浮力は十分にある。ちょっとぐらい浮力をつけたところで、タイムは大差がない。せいぜい 0.1秒弱だろう。
 それよりは、抵抗を減らすことの方が、圧倒的に大きな差をもたらす。体の形状が凸凹していれば、体を後ろに引っ張る力(抵抗)が生じるので、タイムはどすんと落ちる。逆に言えば、抵抗を減らすことで、タイムを劇的に向上させることができる。……これがスピード社の水着の秘密だ。
( → 前出「魔法の水着はなぜ速いか?」) 

 ──

 ミズノがスピード社に負けたのは仕方ない。技術力が劣るのだから、仕方あるまい。化学的な繊維のことばかり考えていて、物理学的な発想が欠落していたのだから、負けて当然なのだ。たぶん、流体力学のソフトだってもっていないだろう。スピード社とは全然違う。コンピュータを使えない会社に、望みはない。
 だが、負けたのはともかく、負けたあとで屁理屈をこねるのは、いただけない。それは「負け犬の遠吠え」になるどころか、 恥の上塗り だ。

 「負けを認めよ」「恥を知れ」という言葉をミズノに送ろう。彼らには、スポーツマンシップというものが、根源的に欠落しているのだ。

( ※ ミズノの担当者は、たぶん、元は負けず嫌いのスポーツマンだったのだろう。そして、試合で負けたあとでも、自分の負けを認めず、「相手はイカサマをして勝っただけだ」「本当はおれの方が強い」と言い張るのだろう。まったく、情けない。)
( ※ ついでに言えば、こういう屁理屈を堂々と載せるマスコミというのも、まったく情けないね。)
posted by 管理人 at 20:00| Comment(0) | 科学トピック | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
過去ログ