2008年05月18日

◆ しんにょうの1点・2点

 しんにょうの点を、1点にするか2点にするかで、常用漢字審議会が迷っているという。しかし、結論は簡単だ。 ──
   ( ※ 本項の実際の掲載日は 2009-12-05 です。)


 しんにょうの点を、1点にするか2点にするかで、常用漢字審議会が迷っているという。特に、新たに常用漢字に入る文字(これまでは常用漢字でなかった文字)。具体的には、次の3字。
    遡 遜 謎
 これに対して二つの意見がある。 ( → 朝日・夕刊 2009-12-04 )

 (1)
 1点がいい。常用漢字内に1点と2点が混在すると、子供たちが(学ぶときに)混乱する。

 (2)
 2点がいい。同じ文字なのに1点と2点が混在すると、社会全体が混乱する。

 ──

 論理から言えば、簡単だ。(2) しかありえない。社会の混乱の方が大きな問題だ。
 たとえば、1点にしても、すべての電子機器の自体は( 2004JIS であってもなくても)2点になっている。もし1点にすれば、電子機器で常用漢字を出せなくなる。とんでもない混乱だ。
 一方、(1) は、論理にすらなっていない。理由は二つ。

  ・ しんにょう以外にも、旧字体と新字体は混在している。

    例。 灯(← 燈)と、 澄 
  ・ 子供たちの学びやすさのために漢字を変更するというのは言語道断。

    例。 すべての漢字が中国の簡体字になる。

 さらに言えば、次の対策が可能だ。
 「子供たちが手書きするときには、1点でも2点でも許容する」


 実を言えば、これが一番大事だ。
 たとえば、「進」であれ、「追」であれ、「通」であれ、新字体で1点にしようが、旧字体で2点にしようが、筆記体ではどちらでもいいのだ。
 他の文字でも新字体と旧字体は許容されるが、特にしんにょうの場合にはどちらか一方を指定する意義はほとんどない。もともと、明朝体のしんにょうは、筆記体のしんにょうとは、かなり違う。明朝体の通りに書く人はほとんどいないだろう。そして、筆記体であれば、1点と2点のどっちにしたって構わないのだ。歴史的にどちらも共存してきたからだ。(どちらかが間違いということはない。)

 だから、「筆記体ではどちらも許容する」という方針を立てればいい。そうすれば、子供たちが混乱することはないはずだ。「どっちでもいい」と覚えているのだから。
 ま、通常は、書くときには、すべて1点にする人も多いだろう。それはそれで、間違いとは言えない。教師だって、その場合には、減点するべきではない。
( ※ ただし、点がひとつもないのは、減点となる。ときどき、そういうのを書く人がいる。)

 ──

 というわけで、「子供たちが迷うから」という理屈は、通用しない。社会的には、電子機器の字体が統一されているのだから、これをあえて変更する必要はない。
( ※ 誤字である場合には変更するべきだが、もともと正しい文字をあえて変な字体に変更する必要はない。しかも、それが、子供向けの便宜だとしたら、言語道断だ。)

 結論、終了。



 [ 付記 ]
 文科省では、この問題へのご意見を受け付けている。
   → 該当ページ

 [ 余談 ]
 それにしても、こんなことで迷うなんて、国語審議会はどうかしているね。船頭多くして、船陸に上がる、か。
posted by 管理人 at 19:00| Comment(0) |  文字規格 | 更新情報をチェックする
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