2007年11月23日

◆ タミフルと異常行動

 タミフルと異常行動の関係について、統計的な調査がなされた。だが、このような調査は、調査そのものが根本的に無意味である、と私は考える。 ──

 タミフルと異常行動の関係については、前にも述べた。
   → 統計の嘘(タミフル)

 ここでは、次のように述べた。
統計調査の「量と質」という問題になる。調査対象の「頻度」だけを見てもダメで、「質」を見る必要がある。「何がどのくらい起こったか」ということを見るとき、「どのくらい」を見るだけでなく「何が」を見る必要がある。
 つまり、「異常行動にもいろいろあるから、どういう異常行動を区別するべきだ」と述べている。(具体的な区別は、上記項目を参照。)

 ──

 さて。それとは別に、今回、新たな調査結果が出た。記事を部分引用しよう。
 タミフル投与、睡眠試験で「因果関係なし」 厚労省
 インフルエンザ治療薬タミフルと異常行動の因果関係を調べている厚生労働省の作業グループは21日、タミフル服用後の睡眠時の脳波の変化などを調べたところ、「現時点ではタミフルとの因果関係は認められない」とする臨床試験の中間報告を公表した。
 20代前半の健康な男性11人にタミフルを投与したところ、睡眠時の異常行動は見られず、タミフル服用の有無と脳波の変化の関係も見られなかったという。
( → 朝日新聞
 この実験では、次の図式に基づいて、因果関係を調べようとしている。
   タミフル服用 → 異常行動の発生

 しかし、このような因果関係を調査するのは、まったく無意味である。無意味な調査をしても、そこから何らかの結論を得ることはできない。
 そのわけを説明しよう。

 ──

 比喩的に、別の例を示す。
   酒を飲む → 酒酔い運転
 このことは成立するだろうか? 成立するかどうかを調べるために、被験者を実験室に閉じ込めて、酒を飲ませた。しかるに、実験室にいる限りは自動車を運転しないので、酒酔い運転は一件も発生しなかった。かくて、
   酒を飲む → 酒酔い運転
 という因果関係は否定された。というわけで、以後、自動車の運転者はアルコールが解禁された。いくらでも酒の飲み放題となった。

 馬鹿げた調査だ。しかしながら、タミフルの異常行動の調査というのも、これと同じである。
 では、どうして、こういう馬鹿げた調査が起こるのか? 

 ──

 一般に、薬理学的な調査というものは、次の図式でなされる。
   薬物の服用  →  生理的反応
 たとえば、酒の服用ならば、酒を飲んだ人に対して、「神経活動の低下」という生理的反応を調べる。ここで調べられるのは、あくまで生理学的な反応である。人間で言えば、細胞レベルの反応だ。

 一方、「自動車運転」とか「異常行動」とかいうものは、人間の個体としての行動である。そこには、脳の活動が大きく影響する。
  ・ 自動車運転ならば、「運転する」という意思
  ・ タミフルの異常行動ならば、「飛び降りる」という意思(異常意思)


 ここには、「意思」がある。そして、「意思」というものは、生理的な反応ではない。大脳の働き方いかんで左右されるものだからだ。

 「酒を飲めば神経活動が低下する」という生理的反応はあるが、「酒を飲めば酒酔い運転を起こす」という人間行動があるわけではない。人間行動はあくまで人間の脳の意思で左右される。現実にあるのは、神経活動の低下だけだ。
 「タミフルを飲めば睡眠中の神経活動が非常に興奮する」という生理的反応はあるらしいが、「タミフルを飲めば異常行動を起こす(飛び降りる)」という人間行動があるわけではない。人間行動はあくまで人間の脳の意思で左右される。現実にあるのは、神経活動の興奮だけだ。

 ──

 だから、「酒を飲むと酒酔い運転をするか」という調査が無意味であるのと同様に、「タミフルを飲むと異常行動を起こすか」という調査もまた無意味である。
 そういうふうに人間行動の調査をするのは、いくら統計的に立派な調査であっても、まったく無意味なのだ。

 では、何が大事か? 大事なのは、生理的反応である。すなわち、
 「タミフルで神経活動が異常に興奮するかどうか」

 だ。

 そして、この問題には、すでに答えが出ている。「部分的にイエス」と。そういう結論が動物実験で明らかになっている。すなわち、
 「脳内関門が未発達な個体(多くは未成年者)では、タミフルの成分が脳内に入り、そこで化学的に変形して、興奮物質に変化する」
 というふうに。
( この件は、次の項目で述べたとおり。 → 意見の多様性

 [ 付記 ]
 もう少し細かく言おう。

 生理的な作用ならば、結果はほぼ一意的である。個人差はあるにせよ、同じ人に対しては常にほぼ同じ結果が得られる。
 たとえば、酒に酔いやすい人はいつも酒に酔う。タミフルで影響を受けやすい人はいつも影響を受ける。(逆に、影響を受けない人もいる。)
 
 一方、行動ならば、結果は多様になる。(そのときどきの気分しだいでいろいろと変わる。)
 たとえば、酒を飲んだあと、酒酔い運転をすることもあるし、そのまま寝てしまうこともあるし、特に何もしないこともある。タミフルを飲んだ場合も同様で、窓から飛び降りることもあるが、別の形のことをすることもあるだろう。(たぶんそのときに見ていた夢しだいだ。夢で危険を感じたら逃げ出すが、夢でエッチなことをしていたら逃げ出すまい。)

 こういうふうに、後者(行動)では脳の影響を受ける。だから、行動の調査をするのは、無意味なのだ。何らかの調査をするのであれば、行動でなく、生理的反応について調査するべきだ。

 似た例を示そう。
 「人に青酸カリを飲ませると、人が死ぬ」
 というのは、生理的反応だ。これは調査の意味がある。
 「役人に酒を飲ませると、役人が便宜を図ってくれる」
 というのは、心理的行動だ。これは調査の意味がない。こんなものをいくら調査しても、研究費の無駄遣いにしかならない。
 つまり、「統計的に調査すれば真実がわかる」というものではないのだ。そういう調査は、科学のフリをした、エセ科学である。

( ※ 自然科学ではなくて社会科学としてならば、いくらかは意味があるかもしれない。「酒を飲まされた役人はどのくらい汚職をするか」という社会学的な調査。……ただしこれを、医学的な調査だ[酒の薬理作用の調査だ]と思うとしたら、頭がイカレている。)



 [ 補足 ]
 一般論ばかり述べたようなので、具体的な話に戻す。
 政府などの公的な見解は、「タミフルと異常行動との因果関係はない」というふうになりそうだ。
 しかしこれは、「アルコールと酒酔い運転との因果関係はない」というのと同様で、まったく無意味である。

 実験によって、「タミフルと異常行動との因果関係はない」という結論を出して、「タミフルは大丈夫」というふうに無制限に解放すれば、異常行動による死者がかなりたくさん出る。(全員が、というわけではない。タミフルを飲んでも異常行動を起こさない人の方が圧倒的に多い。)
 実験によって、「アルコールと酒酔い運転との因果関係はない」という結論を出して、「アルコールを飲んでも大丈夫」というふうに無制限に解放すれば、酒酔い運転による死者がかなりたくさん出る。(全員が、というわけではない。酒を飲んでも交通事故を起こさない人の方が圧倒的に多い。)

 ここでは、実験結果が間違っていたわけではない。無意味な実験から無意味な結論を引き出しているだけだ。
 なのに、「実験によってタミフルの安全性が確認されました」などと考えるような、論理音痴の人々が多い。彼らは実験の正確さにとらわれるあまり、実験からもたらされる思考の正確さを失っているのだ。……「実験馬鹿」と呼ぶべきかも。「専門馬鹿」の一種。

 【 注記 】
 ここでは、「因果関係がない」という結論を否定している。
 が、だからといって、「因果関係がある」というふうに主張しているわけではない。勘違いしないように。
 では、正しくは? 「因果関係」というような発想そのものが間違っているのだ。ここには因果関係とは別の関係がある。
 簡単に言えば、
    原因 → 結果

 というような1対1の関係ではなくて、
    要因 → 結果

 というような関係である。(多対1)
 タミフルは、異常行動の要因の一つであるが、要因のすべてではない。アルコールもまた、酒酔い運転の要因の一つであるが、要因のすべてではない。
 ここで、「因果関係がある」とか「因果関係がない」とか言っても、どちらも不正確である。また、「相関関係」という言葉を用いても不正確である。

 強いて言えば、「影響関係」というのがふさわしいだろう。
 タミフルと異常行動とには、影響関係がある。
 アルコールと酒酔い運転にも、影響関係がある。
 影響関係があるところに、「因果関係」の有無を探り出そうとして、「因果関係が見出されないので、何も影響はありません」と断定するのは、論理のペテンである。



 【 関連項目 】
 後日の続編。
  → タミフルと異常行動 2

 次の項目も重要。ぜひ読んでほしい。
  → タミフルと夢遊病

 その他の関連項目は
  → サイト内検索
posted by 管理人 at 20:14| Comment(25) |  感染症・コロナ | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最後に【 注記 】その他を加筆しました。
タイムスタンプは下記。 ↓
Posted by 管理人 at 2007年11月23日 23:14
なるほどそうですね。
「現時点では因果関係は認められない」という表現は、一般の人が読んだら「何も影響はありません、という断定」だと思うでしょう。
また、この調査で「脳波の変化などを調べた」ということも、一般の読者にはこれで(本来の要因だと考えられる)脳神経に関する生理学的な反応が検出できているのかどうかなんて判断はできませんしね。
Posted by 良寛 at 2007年11月24日 07:49
3/24 と 9/29 の記事・コメントも読ませていただきました。

『調査そのものが根本的に無意味である』という意見に、全面的に賛成します。そちらがおっしゃっているのとは、別の理由(データの数が少なすぎること)からですが。

動物実験における、タミフルの脳細胞への影響については、賛否両論在るようですね。ですが、仮にタミフルが脳細胞にまったく影響がないとしても、タミフルが原因で異常行動を引き起こす可能性は在ると考えています。それは、次のような理由からです。

まず、インフルエンザ自体が異常行動を引き起こすことが在るのは多くの方が認めていると思うので、これは正しいということで話を進めさせてください。

タミフルを服用しないケースですが、仮に脳細胞が異常興奮しても、免疫活性化のために体力を非常に消耗していますから、睡眠しているか、起き上がって何かをしようという気が起こらないケースがほとんどだと思います。それでも、起き上がって窓から飛び降りるというケースもあろうかと思いますが、それは非常にまれでしょう。

タミフルを服用するケースでは、脳細胞が異常興奮している状態であっても、体のほかの部分は元気になっているかもしれません。これだと、起き上がって窓から飛び降りるなどの異常行動をとる元気が在るわけです。

蛇足ですが…。一番大事なのは、インフルエンザに対して効果が在ることが分かっているこの薬をどう使うかですが、原則としては乳幼児か高齢の方のみに使用するということでよいのではないかと考えます。それ以外のケースでは、患者の自己責任でということになろうかと思います。
Posted by Kat at 2007年11月28日 09:08
異常行動、服用者に少ない タミフル因果関係調査

 インフルエンザ治療薬タミフルと異常行動をめぐる因果関係の調査で、厚生労働省研究班(主任研究者・広田良夫大阪市立大教授)は25日、18歳未満の約1万人を対象にした調査では、タミフル服用者の方が非服用者に比べ異常行動が少ないとの暫定的な解析結果を、同省専門家作業部会に報告した。

 この調査は、タミフルと異常行動に関し同省などが実施した複数の調査中、規模が大きく結果が最も注目されていた。

 担当の広田教授は「結論を導くには解析が不足している」と強調しているが、厚労省はこれを他の調査結果とともに、同日の同省安全対策調査会に諮り、10代へのタミフル使用を原則中止している現行の措置を見直すべきかどうか検討した。

 調査は、昨冬(2006−07年)に全国約700の医療機関でインフルエンザと診断された18歳未満の約1万人が対象。

 タミフルは全体の79・3%が服用。異常行動の発生率は、タミフル服用者が9・7%に対し、服用なしの患者は22・0%。


【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200712/CN2007122501000462.html

(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007122500608


ここの管理人が理解できない、あるいは認めたくないため無視している「事実」は「インフルエンザ自体が異常行動を引き起こす事がある」ですね。

ここで「異常行動の質」が違うとか言いたいのでしょうが、タミフルの服用なしでも飛び降りは発生してますので。

>タミフルを服用するケースでは、脳細胞が異常興奮している状態であっても、体のほかの部分は元気になっているかもしれません。これだと、起き上がって窓から飛び降りるなどの異常行動をとる元気が在るわけです。

Katさんの推論が妥当でしょう。
Posted by mikura at 2007年12月25日 19:35
何べん言っても、私の書いたことを理解できない人がいるんですね。自分の都合のよい情報だけを受け入れては駄目です。それはただの誤読と曲解です。

 私の主張は、次のことではありません。
 「タミフルは異常行動を起こす。だからタミフルを禁止せよ」

 そんなことは言っていないので、勝手に誤解しないでください。
 私が言っているのは、本項の冒頭で示したとです。ふたたび示すと、次の通り。
 ──
 タミフルと異常行動の関係については、前にも述べた。
   → 統計の嘘(タミフル)
 ここでは、次のように述べた。

統計調査の「量と質」という問題になる。調査対象の「頻度」だけを見てもダメで、「質」を見る必要がある。「何がどのくらい起こったか」ということを見るとき、「どのくらい」を見るだけでなく「何が」を見る必要がある。
 ──

 つまり、「異常行動の頻度」を見るのではなく、「異常行動の質」を見よ、と言っているのです。
 なお、今回の報道記事を引用すると、次の通り。
 「タミフルは全体の79・3%が服用。異常行動の発生率は、タミフル服用者が9・7%に対し、服用なしの患者は22・0%。」

 これを見て、頭の悪い人は、次のように結論する。
 「タミフルを服用しない方が、異常行動の発生率はずっと高い。2倍以上だ。だから、タミフルを服用しない方が、かえって危険だ」

 こういうのは、統計データの誤読です。
 比喩的に言えば、次の通り。
 「青酸カリを飲んで死ぬ人よりも、青酸カリを飲まないで死ぬ人の方が、ずっと多い。だから、青酸カリを飲む方が、安全である」
 これはちょっとねじ曲げすぎているので、もうちょっと適切な比喩で書くと、次の通り。
 「酒を飲んで赤くなる人は 80%ぐらいだが、ロシアンルーレットで死ぬ人は 20%である。ゆえに、酒を飲む方が、ロシアンルーレットよりもずっと危険である。酒を飲む人は、安全のために、ロシアンルーレットで銃弾を頭にぶち込もう。その方が危険率はずっと低い。」

 風邪を引いたときに起こる「異常行動」というのは、ごちゃごちゃと動いたりうわごとを言ったりすることであって、そんなことは全体の2割で見られるほどだから、別に大騒ぎすることではないのです。そういう「異常」は、ちっとも「異常」ではないのです。
 一方、夢遊病者のように立ち上がって、ベランダから飛び降りる、というのは、生命の危機に瀕することであって、まさしく「超・異常」なのです。
 この両者を「異常」という言葉でひとくくりにして、平気でいるようなのは、「数字の嘘」にだまされていることです。

 だから、「数字の嘘にだまされるな」というのが、私が指摘したことです。
  http://openblog.meblog.biz/article/63455.html

 ──

 こんなことは、日本語の読解力があれば、誰にもわかることです。小学生にだってわかるでしょう。
 そういう日本語の読解力もないまま、相手の見解を勝手に誤読して、「こいつはタミフルをつぶそうとしているな」と(製薬会社の利益狙いで)誤読する。……そういうことはしないでください。

 ──

 なお、「質が違う」ということは、いくらかはご理解していただいているようですが、もしちゃんと理解ているのであれば、「上記の数字はまったく無意味だ」ということがわかるはずです。
 つまり、9・7%と22・0%という数字は、「真の異常の数字ではない」と。「死者の数字ではない」と。「ただの無意味な数字だ」と。
 そして、「そうだ。そんな数字は無意味なのだな」と気がついたのなら、私の主張は理解されたことになります。
 一方、「その数字があるから、タミフルは安全なのだ」と思うようであれば、あなたは数字にだまされ続けていることになります。

( ※ 私は、「タミフルが安全だ」とか「危険だ」とか主張したいわけではなくて、「数字にだまされるな」と述べているのです。私に反論したいのであれば、その件で反論してください。タミフル自体の安全論議は、本サイトの主張とは関係ありません。どこかの薬学サイトにでも行ってください。)
Posted by 管理人 at 2007年12月25日 20:33
もう一つ馬鹿げたコメントが来たので、掲載しないで、指摘だけしておく。

> あのー、そのあなたの主張する「質」ってのはどこでどう調査されて
> いるのでしょうか? もしかしただただマスコミの流す報道でのみの情報ですか?

 ?????
 この人も日本語読解力がないようだ。私が言っているのは、次のことだ。
 「質は調査されていない」
 「マスコミでも報道されていない」
 なのに、まるで逆のことを読み取っている。

 私が言っていることは、「これこれである」ということではなくて、「これこれではない」という否定文だ。「質はない」というふうな。
 文章の意味を逆に読むような人は、あれこれと無意味な質問を書かないでくださいね。
Posted by 管理人 at 2007年12月25日 23:11
本サイトについて誤解する人が多いので、誤解されないための説明を記述しました。
 変な批判をする前に、次の項目を読んでください。

 → 「本サイトの指針」
 http://openblog.meblog.biz/article/186580.html
Posted by 管理人 at 2007年12月26日 00:13
こんにちは、'タミフル 統計'で検索して来ました。

この件の調査と報道には色々疑問がありますが、今回の調査発表にはベースのところで大きな間違いがあるように思えてなりません。
簡単に言ってしまえば、インフルエンザにかかったが医者には行かなかった人の人数、というのが考えられていないのでは? ということです。

私のブログでもう少し説明していますので、よろしければ是非ご意見をお聞かせいただけないでしょうか。

http://illogical.seesaa.net/article/74721836.html
Posted by ミスター・スコップ at 2007年12月26日 11:34
統計のデータでの安全性と個々の患者に対する症例データでの安全性は別物。
ごっちゃにするからおかしくなる。
タミフルは多くの人にとって安全であるということは否定はできない。
真の異常を判断するだけの医学の知識を持ち合わせているのならまだしも、素人が統計の中の症例を勝手に想定するのはどうかと思う。
具体的な症例データを提示して、統計の無意味さを説くのならまだしも。
Posted by ムーミン at 2007年12月26日 16:45
参考記事を引用しておきます。(よくわかっていない人が多いようなので。)

《 朝日 》
 対象となったのは、06〜07年の18歳未満の患者約1万例で、タミフルを服用していたのは7181例。うち、「大声で叫ぶ」「理由もなく笑う」などの異常行動を起こしたのは10%の700例。一方、服用しなかった2477例のうち、同様の異常行動をしたのは22%の546人だった。
 数値をもとにリスクを計算すると、タミフルを飲んだ人の方が、飲まない人よりも異常行動のリスクが大幅に低かった。
 ただ、対象を10歳以上に限り、飛び降りなど死亡事故につながりかねない異常行動に絞って比較すると、飲んだ場合と飲まない場合のリスクの差ははっきりしなかった。
http://www.asahi.com/national/update/1225/TKY200712250352.html

《 読売 》
 全医療機関を対象に、異常行動を起こした137人の患者を追跡した調査(研究班長・岡部信彦国立感染症研究所感染症情報センター長)でも、6割がタミフルを服用していたが、記憶などをもとにしたデータが中心で、信頼性が低いため因果関係は判断できなかった。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071226-OYT8T00219.htm
Posted by 管理人 at 2007年12月26日 17:15
1ヶ月も前の記事で盛り上がってますね〜。
それにしても、読解力の無さなのか、管理人さんの表現力なのか、色々な意見が出ますね。

管理人さんに反論をされる方へ
有る薬Aが有ります。Aはある病気を短期間で治します。でも関連は不明ですがAを服用した人の1%が突然死しました。あなたの病気はAを飲まなくても1週間程度で直ると思います。Aを飲めば3日で直ります。さあ、あなたはAを服用されますか?

私が読み取った管理人さんの趣旨
・タミフルは安全か危険か不明なため、生命に関わる危険性が否定できない。
・製薬会社や(利害関係が有る可能性の有る)調査機関が出した「安全」と言うコメントは信用できない。
・同様に現在有る統計は信用できない。
つまり、情報に振り回されるな。
Posted by 通りすがりのコメント at 2007年12月26日 22:11
反論記事です

http://sankei.jp.msn.com/life/body/071225/bdy0712251936002-n1.htm
以下引用
--------------
 調査は昨冬に全国約700の医療機関でインフルエンザと診断された18歳未満の1万316人分が対象。(略)

 調査結果によると、7870人がタミフルを服用。服用後に幻覚、幻聴などの異常行動がみられたのは700人で、そのうち、飛び降りなどの事故につながる危険行動が出たのは22人だった。

 一方、タミフル投与前に異常行動が出た人は285人、危険行動は9人。タミフルを全く投与しない患者にも異常行動が546人、危険行動が16人で報告された。

 使用の有無で異常行動のリスクをみると、「タミフル投与者のほうが低い」という結果が出た。また、危険行動の例に絞って分析すると、使用の有無で差はなかった。
-------引用おわり------

調査の質をおっしゃってましたが
危険行動で見ても有意差は見られなかったようです
Posted by 009 at 2008年01月14日 12:38
> 反論記事です

 この件はすでにあちこちで報道されたとおりで、また、12月26日 17:15 のコメントの引用記事にも引用してあるとおりです。

「飲んだ場合と飲まない場合のリスクの差ははっきりしなかった。
http://www.asahi.com/national/update/1225/TKY200712250352.html
「記憶などをもとにしたデータが中心で、信頼性が低いため因果関係は判断できなかった。」

 要するに、「統計的に有意な値は出ていない」ということです。「何とも言えない」というのが統計専門家の見解です。それが正しい統計分析です。
 なのに、それを自分に好都合なように曲解する人もいるかもしれませんが、いちいち引っかからないでください。
 
 また、この統計そのものがおかしい、という点があります。
 「危険行動」というものの定義が不明。「飛び降りなど」というが、「など」では駄目です。まさしく自損行動をしたか否かが問題です。「部屋を出て、うろうろした」ぐらいのことまで危険行動に含めているかもしれないし。実際、そんなに(数値ほど)たくさんの自殺者が出ていたとも思えない。

 とにかく、この統計調査は、まったく信用できません。先の誰かのコメントでもおおまかにほのめかされていた通りで、無意味な統計です。

 学問的に言えば、これは二重盲検法による科学的調査ではなく、事後的に記憶による印象的調査です。全然、科学的統計になっていません。「思い出された記憶」を調べているだけで、事実を調べているのではありません。

 そもそも、「タミフルを全く投与しない患者」というのは何か? 「無作為的に調べた患者のうち、タミフルを全く投与しない患者」ならば、統計的に意味があります。しかし実際は、「作為的に病院に来た患者(問題がある患者)だけをピックアップして、そのなかでタミフルを全く投与しない患者」のことですから、こんなものは恣意的すぎて、統計的意味はゼロです。

 こんなことが成立するのであれば、「癌専門病院に来る患者は大半が癌だから、国民における癌の罹患率はものすごく高い」という統計調査を出して、それを真実だと認めるようなものです。ナンセンス。
 産婦人家の患者だけを見て、「統計的に国民の全員は女性である」と結論するようなもの。ナンセンス。

 比喩的に言えば、「白赤半々のボールのなかから無作為的にボールを取る」のではなく、「よく見えるので取りやすいボールを取る」という基準の上でボールを取って、「赤の方が多く取れたから、赤が多い」と判断するようなものです。統計的なナンセンス。

 なお、本サイトでタミフルを論じているのは、「統計的なナンセンス」が主題です。「タミフルの安全性」ではないので、誤解なく。何度も書いていますが。…… 文章の趣旨を誤読する人と、統計的調査のデタラメさを見逃す人とは、どこか共通していますね。

 とにかく、私が言いたいことは、「タミフルは危険だ」ということではありません。「ナンセンスな統計などは信用できない」ということです。
 どうしても薬学的な論議をしたければ、薬学サイトに行ってください。前にも述べたとおり。(何度言ってもわからないようだが。)
Posted by 管理人 at 2008年01月14日 18:28
一応「安全」と結論づけたつもりではなかったのですが
調べた範囲では「有意差は認められなかった」です

前のコメントで「異常行動では統計の意味はない」と読み取れたので
危険行動ではどうかと挙げてみました

どうやら統計自体に意味がないとおっしゃられている様ですね


ちなみにタミフルの認可は2000年前後で、およそ10年近くで3000万件の投与実績があり
その内自殺したのは、記憶では十数件程度だっと思います
(関連死は50件ぐらいあったはずですが)

1年に1人ぐらいの割合ですから
「自殺者の統計」を取るのは現実的には無理でしょうね


>通りすがりのコメントさんへ
インフルエンザはかぜと混同されがちですが
症状がより重くなる為かぜとは分けて考えるのが一般的です
だから寝てれば治るというのは甘い認識と言わざるを得ません

・インフルエンザは生死にかかわる危険性が否定できない
・タミフルを飲むリスクよりメリットの方が大きい。これはWHOが認める世界の認識です。
・利害関係と調査内容は別問題です。
政府関係の調査は信用にかかわる問題ですのでレポートに嘘は書けません。
(結果は意図的に意訳される場合もありますが)
また調査メンバーがあたかもうしろぐらい大金を受け取ってる様に報道されてましたが
通常範囲の献金です(数年分を一度に報道して大金のように見せてましたね)

まぁインフルエンザの感染率も「作為的に病院に来た患者だけをピックアップしたもの」ですので統計的に意味はないのでしょうが
Posted by 009 at 2008年01月15日 00:59
本項(統計学の話題)とは直接関係ないが、「新型インフルエンザにどう対処するべきか」という医学・薬学の話題で、次のページに面白い記事がある。

http://www.horagai.com/ ( 「エディトリアル」2008-01-13 )

 “ NHKは昨日と今日、二夜連続で新型インフルエンザの大流行(パンデミック)をテーマにした「最強ウィルス」を放映した。一夜目は …… ”

 という番組紹介(要旨)。医学・薬学の方に興味がある人は、このサイトを見るといいだろう。
Posted by 管理人 at 2008年01月15日 20:20
タミフルの統計データは、実は歪められた統計調査だった、という説明がある。

http://mainichi.jp/select/today/news/20080115k0000m040125000c.html
http://www.npojip.org/sokuho/080114-all.html

 ふむふむ。話が専門的になりすぎているので、私としてはもはや突っ込みません。論じたい人だけ論じてください。
( ※ 本サイトの趣旨は「インチキ統計調査にだまされないようにしよう」という、一般的・教養的な啓蒙であって、特にタミフルについてどうこうする、という趣旨の医学的見解ではありません。念のため。)
Posted by 管理人 at 2008年01月15日 21:31
009さんへ
主旨とは全く関係ないのですが、名前が挙がったので、返信しておきます。
> インフルエンザはかぜと混同されがちですが.....
私は家族に医療関係者が居りますので、インフルエンザの脅威はある程度把握しているつもりです。そもそも「かぜと混同されがちですが」のコメントが「風邪」の恐ろしさを忘れていると思いますが...
いずれにしても関係ないお話で管理人さん及び他の読者の方には申し訳ありません。
私のコメントもこれにて終了にさせていただきます。
Posted by 通りすがりのコメント at 2008年01月15日 21:52
1ヶ月前の事に関して(記事としては2ヶ月前)のコメントすみません
管理人さんとしては意味のない統計データの例として「タミフルは統計で見ても安全」とするデータを挙げられたと思うのですが
「なぜタミフルを危険とするいいかげんなデータを無視して」とひっかかってしまいました
早計だったと反省しています。
すみません。

しかし管理人さんの挙げられた毎日新聞記事の浜理事長の曲解ぶりには呆れます
---以下引用---
「タミフルを投薬された患者が服用前に起こした異常行動を、投薬されなかった患者の異常行動として扱った点が誤りだ」
---引用終わり---
大丈夫でしょうかこの人


>>通りすがりのコメントさんへ
すみません、風邪の危険性を過小評価するつもりはなかったのですが
インフルエンザの方がリスクが大きいという認識です。
例えの前提条件が違うように思ったのでコメントさせていただきました。
医療関係者のお知り合いが居るのでしたら釈迦に説法でしたね。
Posted by 009 at 2008年01月17日 00:10
009 さんへ。
下記の解説記事を参考にしてはいかがでしょうか。

http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20080117
Posted by tamisan at 2008年01月17日 17:12
朝日新聞の記事( 2008-02-13 夕刊2面 )から。

 浜医師の見解。
 「研究班はタミフル群のうち、タミフルを飲む前に異常が起きた子を非タミフル軍に移して計算した。一方、非タミフル群では、薬を飲む前の異常行動を差し引いていない。両群を同じ条件で比較すると、タミフル群の方が異常行動は多い」
 広田教授(厚労省研究班・班長)の見解。
 「知りたいのはタミフルによる異常行動なので、飲む前にすでに異常行動があり、受診後に(タミフルを)処方された場合、それをタミフルのせいにはできない」
 ──
 上記は、記事からの引用。記事は単に両者の見解を並べただけ。肝心の真相がまったく述べられていない。無駄記事の典型。
 そこで、解説しよう。

 まず、どちらが正しいかと言えば、浜医師の見解が正しい。(詳しくは、すぐ上のコメント欄にあるリンクを参照。そこに解説してある。)
 一方、広田教授の方は、間違いを犯したのは仕方ないとしても、指摘されたあとでもなお、自分の誤りに気づいていない。また、朝日の方も、浜医師の指摘を全然理解していないようだ。だから広田教授の見解を載せて、平然としている。
 はっきり言おう。広田教授は勘違いしている。というか、勘違いしていることに、いまだに気がつかない。すでに指摘されているのにもかかわらず、だ。「あなたはここが間違っている」と指摘されているのにもかかわらず、それが理解できない。朝日もまた、理解できないでいる。困った知性だ。

 だから私がここで指摘しておこう。
 「受診後に処方された場合、それをタミフルのせいにはできない」
 という広田教授の見解は、それ単独では正しい。しかしそれはまったくトンチンカンである。
 「飲む前にすでに異常行動があり、受診後に処方された場合、それをタミフルのせいにはできない」
 のだとすれば、そこから得られる結論は、こうだ。
 「飲む前にすでに異常行動がある分は、タミフルの項目から除く」
 こういうふうに「統計から除去する」というのが正しい。それならば何も問題はない。しかし、広田教授は、次のことをしてしまった。
 「飲む前にすでに異常行動があり、受診後に処方された場合、それを非タミフル群の方に入れてしまう」
 これは全然別のことだ。ここでは、「統計から除去する」ということのかわりに、「ライバル項目の方に入れてしまう」という、歪んだ操作をなしている。

 比喩的に言おう。
 トヨタ車Aと日産車Bの人気を比較する。そこで、統計を取ったのだが、よく見ると、トヨタの社員と日産の社員がいる。トヨタの社員はトヨタ車に投票し、日産の社員は日産車に投票する。ここで、正しい措置は、こうだ。
 「トヨタの社員の分と、日産の社員の分を、ともに統計から除去する」
 これならば公正である。しかし、広田教授の方法は、こうだ。
 「トヨタの社員の分は不適正なので、トヨタの社員がトヨタ車に投票した分については、一般の人が日産車に投票したと見なして、票を移転する。日産車への票を増やす」
 この場合、トヨタの社員がとても多かったので、日産車への投票が急増してしまった。本来ならば、トヨタ車の人気と日産車の人気は同じなのだが、統計項目の数字を勝手に移転してしまったせいで、トヨタ車の人気は低下し、日産車の数字は急上昇してしまった。
 こういうメチャクチャな操作をしたのが、広田教授の方針だ。

 浜医師はその問題点をちゃんと指摘した。しかるに、広田医師は(そしてまた政府は)、その問題点を理解できないでいる。自分の誤りを指摘されても、理解できないでいる。
 さらには、朝日新聞もまた、その誤りを理解できないでいる。ひどいものだ。

 過ちて改めず、これを過ちという。……だけど、低脳な阿呆には、何を言っても無駄、ということでしょうか。馬の耳に念仏。白痴にお勉強。
Posted by 管理人 at 2008年02月13日 19:23
ご指摘の記事を読みました。
記事の主眼は,広田教授の(差がないとする)発表に対する浜医師からの異議ですね。
全体としては浜医師の指摘を肯定している記事ですから,このことで新聞社(編集委員)側を阿呆呼ばわりするのは少々酷だと思います。
Posted by 良寛 at 2008年02月14日 10:33
タミフルについてネット上の文献をあちこち見ていると、やはり、タミフルは、子供では脳内関門を通り抜けて、脳内に入ることで、何らかの異常行動を起こしがちであるようだ。

 とすると、ここから、次の結論が得られるだろう。
 「タミフルと酒をいっしょに飲むな」
 
 酒を飲むと、薬が酒といっしょに脳内関門を通り抜けがちである。賭すれば、子供でなく大人だって、酒を飲んだときにはタミフルで異常行動を起こしがちになるはずだ。
 特に、風邪のときには、「卵酒」という民間療法もあるし、「何時間も眠るために酒を飲む」という人だっているだろう。あるいは、「昼間に眠りすぎたので、夜に眠れなくなったから、夜に酒を飲む」という人もいるだろう。
 こういう人がタミフルを飲むと、異常行動を起こす危険がある。子供じゃなくたって、十分に危険なのだ。

 ま、現実にそうかは断言できないが、とにかく、理論的には、危険性は十分に予想できる。だったら、危険性を下げるために、
 「タミフルと酒をいっしょに飲むな」
 と警告するべきだ。

 医者の責任は、やたらと「安全」と主張して危険性を看過することよりは、起こりそうな危険性について警告を発し、危険性を少しでも下げることだろう。
 「タミフルと酒をいっしょに飲むな」
 と警告したところで、特に実害はないのだから、そう警告するべきだろう。
 (ま、お酒業界の人には、「酒の売上げが減る」という金銭的実害があるかもしれないが。  (^^); )
Posted by 管理人 at 2008年02月16日 20:32
新型インフルエンザ(パンデミック)対策のために、タミフルが必要だ、という話がある。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2008/02/17/2634747

で、日本はどうしているか? 実は、日本では、世界で生産されているタミフルの7割ぐらいを消費しているという。(上記の朝日新聞の記事による。)

その意味は? こうだ。
「せっかく生産したタミフルを、新型インフルエンザのために備蓄するかわりに、ただのインフルエンザのために消費する。どんどん消費するから、ちっとも備蓄が進まない」

 医療関係者が「私はタミフルを飲みます。みなさんも飲みましょう」と推奨するから、きたるべきパンデミックタイプの到来では、多数の被害が出ることになる。……この矛盾に気づいていない人が多い。
Posted by 管理人 at 2008年02月17日 07:57
>「飲む前にすでに異常行動がある分は、タミフルの項目から除く」
>こういうふうに「統計から除去する」というのが正しい。それならば何も問題はない。

「飲む前にすでに異常行動がある分は、タミフルの項目から除く」だけだと,
非タミフル群の異常行動を過大評価することになりますよ

タミフル群で投与前の異常行動を除去するなら,
非タミフル群も(服用前の異常行動発症例に相当する)早期発症例を除去しないと平等な比較になりません
逆に,もし,非タミフル群で早期発症例を除去しないのなら,
タミフル群でも投与前の異常行動を除去してはいけません

要するに,両群の比較条件を揃える必要があるということですね
Posted by shinok30 at 2008年02月17日 22:30
まさしくおっしゃるとおりなんですが、その件は書こうとして、書くのをやめました。だって、リンク先に、そのことがちゃんと書いてあるんだから。リンク先の主旨がそれでしょう。いちいち書くまでもないと思いました。
Posted by 管理人 at 2008年02月17日 23:23
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