2007年11月18日
◆ セカンドライフ
「セカンドライフ」という仮想世界(バーチャル・ゲームふう)の話題を、朝日の記事(夕刊・1面 2007-11-17 )が取り上げている。さんざん手垢のついた話題だが、今さら取り上げている。
で、その内容は、
「仮想世界で楽しむと、素晴らしい電脳世界が楽しめる」
という話。 ──
この記事、本気でしょうかね? 何らかのジョークでしょうか?
(1) 「セカンドライフは面白い」という話題ならば、あまりにも遅れている。1年ぐらい古い情報。今では化石的で、ほとんど無意味。
(2) 最近では、「セカンドライフにはまって、引きこもりになる」という弊害の方が、話題になっている。
(3) 「セカンドライフはしょせんは金儲けの手段にすぎない。人々をうまく取り込んでボロ儲けしている会社があるだけ」(仮想世界の土地を馬鹿高値で売りつけるから)という方が、真実に近い。
(4) セカンドライフの利用価値があるとしたら、企業の宣伝だけである。企業が仮想世界で宣伝して、愚かな人々を広告世界に取り込んで、洗脳してやろう、というだけ。人をだます詐欺的な価値があるだけ。
(5) 詐欺師にとっては有益だが、一般の人間にとっては有害性の方がある。こんなもので引きこもりを大量生産するより、「現実世界で生きるべき」(ファーストライフを生きるべき)と語る方が真実だ。
以上の5点を述べるのならば、まだわかる。しかし、「セカンドライフは素敵だ」とばかり書くのは、どういうことなんでしょうかね? わけがわかりません。
[ 余談 ]
余談だが、同日の読売のめだつ記事は、「出産医療システムが崩壊しつつある」という警鐘。
立派である。国家の崩壊という緊急事態を直視して、警鐘を鳴らしている。(どういう問題があるのかは、泉の波立ち 2007-11-18 の項目を参照。)
ひるがえって、朝日はどうか? 「仮想社会で遊ぶのは楽しいですよ」と浮かれた話。
この二社を対比すると、次の通り。
・ 朝日 …… 仮想社会で夢想をいだかせようとする。 (洗脳・妄想)
・ 読売 …… 現実社会の問題点をまさしく指摘する。 (現実直視)
人々が朝日の言うことに従えば、人々が仮想社会で遊んでいるうちに、現実社会は崩壊する。
人々が読売の言うことに従えば、人々が現実社会を直視して、何らかの対策を取るので、現実社会の崩壊を食い止めることができる。
どちらが新聞社のやるべきことだろうか?
過去ログ
経済面などでの利用増加の状況を踏まえて否定的見解も含めて状況を紹介しているもので、仮想電脳世界を手放しに勧めているとは私には読めませんでした。
ついでに言えば「人々が○○の言うことに従うように」するようなことは、どんなメディアであってもすべきことではないように思います。