2007年11月16日

◆ 最大無作用量


 毒物の毒性を見るための指標として、「最大無作用量」という概念がある。これは、何か? ──

 一般に、「動物実験で毒性が見られる量」というのを見る。特に、「一日に一定量を取り続ける」という場合で見る。そして、毒性が表れるギリギリの量を「最大無作用量」と見なして、その百分の1(ないし千分の1)という安全係数をとって、「安全な量」と見なす。
 で、多くの人は、「安全な量だから安全だ」と思い込むわけだ。しかし、ここには誤認がある。

 詳しい話は、下記を参照。
  → 「泉の波立ち」11月16日

 ※ その趣旨は、次の通り。
 「最大無作用量」というのは、「毒性が目に見えて表れるギリギリの量」だ。たとえば、ギリギリでは、下痢・嘔吐・貧血・皮膚障害などの症状がある。そういう中毒症状が現れる。
 では、ギリギリ以下の量では、毒性は全くないのか? 違う。「毒性が目に見えるほどではない」ということだ。つまり、目に見えない範囲で、健康をそこなっていることがある。
 ちなみに、ヒ素の致死量は 5〜7mg/kg であるが、それに至らなければ安全かというと、そんなことはなくて、5〜50mgで中毒症状をおこす。「死ななければいい」というものじゃないのだ。
 とすれば、同様の推論で、中毒量(最大無作用量)の百分の1でも、何らかの健康阻害をもたらす、と考えていいはずだ。
 だから、「最大無作用量以下ならば安全だ」ということはない。もちろん、最大無作用量の百分の1ならば安全だ、ということはない。ヒ素のような毒物は、毒性の認められる量よりもずっと少なくても、なるべく取らない方がいいのだ。



  【 追記 】

 以上では、「最大無作用量よりも少ない量でも健康をそこなうことがある」と述べた。このことで、現在の食品添加物の許容水準について、安全性を警告した。
 しかし、以上の警告は、よく考えてみると、不十分であった。なぜなら、次の重大なことを見落としていたからだ。

 「食品添加物は、さまざまなものが、多種多様に使用されている。一つの食品に対して、50種類ぐらいになることもある」

( ※ 出典:「美味しんぼ」から。孫引きの形。)

 さて。中毒量の百分の1を使用した食品添加物を、50種類摂取すれば、どうなるか? 当然ながら、中毒量にほぼ匹敵する量(半分の量)を摂取することになる。個体差も考えれば、非常に危険であろう。ほぼ間違いなく、健康を阻害していることになる。

 現代の薬学では、単一種類の薬効を研究するばかりで、複数の薬効を同時に研究することはほとんどない。いや、学問的に研究するだけなら、なされているのだが、国の安全基準では、ほとんど無視されている。だから、「中毒量の百分の1」というのを安全基準にして、それらを何十種類も同時摂取することを許容しているわけだ。

 合理的に考えるなら、「添加物はせいぜい5種類まで」というふうにするべきだろう。しかしながら、現実には、そうなっていない。現在の食品は、食品添加物がてんこ盛りである。
 そのことを、先に「「泉の波立ち」11月16日」で警告しておいた。
( ※ 要するに、国の定める「安全基準」なんていう数字は当てにならない、ということ。そんな数字にだまされるな、ということ。)
posted by 管理人 at 20:01| Comment(1) | 医学・薬学 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
【 追記 】 を加筆しておいた。
 タイムスタンプは下記。   ↓
Posted by 管理人 at 2007年12月28日 22:50
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