2007年09月29日

◆ 意見の多様性

 科学において大切なのは何か? それは「意見の多様性」だと思える。
 タミフルの危険性について、作用を明確にした実験結果が出たが、このように新たな知見を求めて研究することこそ、科学者のなすべきことだと思える。 ──

 まず、ここまでの数項で述べたことをまとめてみよう。以下の通り。

 「科学において画期的な業績を上げることが望ましい」
 「しかし、そのようなものを求めても、容易に見出されるとは限らない」
 「ただし、人と同じことをしている限りは、画期的な業績はまず無理だろう。どうせ大多数の他人も同じことを研究しているからだ」
 「だから、独創的な業績を上げるには、他人とは異なることをすればいい。それで成功するとは限らないが、それ以外に道はない。」
 「社会において、他人とは異なる道をたどる人々が増えるということは、研究の幅が多様に広がるということを意味する。そのことは、社会全体において進歩の速度を速める効果をもたらす」


 結論としては、こうだ。
 「社会において科学の進歩をもたらすものは、研究の多様性である。それは、意見の多様性があることで、もたらされる」


 ところが逆に、それと反対のことをなす人が多い。つまり、既存の発想とは異なる発想については、ついつい、反対してしまう人々が多い。
 なぜか? それは、人々の頭に、しがらみがあるからである。旧来の発想にとらわれ、新規の画期的な発想を拒む。知識があればあるほど、新しい知識への束縛となる。……そういう逆説が成立する。
 簡単に言えば、旧来の発想の秀才ほど、新規の発想の鈍才となる。
 (同様のことは、進化論でも成立する。旧来の環境の最優秀者ほど、新規の環境への不適合者となる。)

 ──

 以上のことを踏まえた上で、次のように教訓を得てもいいだろう。
 「おのれの優秀さを威張ると、頭が硬直する。むしろ、おのれについて『無知の知』を成せばなすほど、頭が柔軟になり、画期的な知識への扉が開かれる。」


 これはなかなか役立つ教訓だ。



 以上のことについて、うまい実例が見出された。紹介しよう。
 それは、タミフルの作用だ。タミフルによって異常行動が起こって死者がたくさん出た、ということが先に報道された。

 この件について、新たな実験結果が判明した。以下に記事を引用しよう。
タミフルの脳への興奮作用、ラットで実証 米の邦人教授
                      (2007年09月29日)
 インフルエンザ治療薬タミフルに脳細胞を興奮させる作用があることを、米ワシントン大学(ミズーリ州)の和泉幸俊教授(精神医学)らがラットを使った実験で初めて明らかにした。内容は10月9日発行の医学専門誌「ニューロサイエンス・レターズ」に掲載される。
 タミフル服用と異常行動の関係については、タミフルを飲んだ10代の子が自宅マンションから飛び降りて死亡するなどの問題が相次いだ。
 和泉教授らは、ラットの脳から取り出した神経細胞を、タミフルと、タミフルが体の中で分解された時にできる薬効成分のOCBという化学物質の水溶液にそれぞれ浸した。すると、どちらも約10分後に神経細胞の活動が過剰に盛んになった。各薬物を洗い流した後も、40分以上神経細胞の興奮は続いた。タミフルそのものよりも、OCBの方が約30倍も作用は強かった。人間で未成年に異常行動が相次いでいるため、今回は思春期前の子どもに相当する生後1カ月の幼いラットの神経細胞を使った。
 また、エフェドリンという風邪薬に含まれる成分や、アルコールを、タミフルと同時に幼いラットに摂取させると神経興奮作用が強まることもわかった。
 脳には、血中の物質を脳内に通すかどうかを選別する血液脳関門という脳を守る特別な機能があるが、エフェドリンやアルコールは、血液脳関門のガードを緩めることがわかっている。
 和泉教授は、思春期前の子では血液脳関門の機能が未熟であることや、ガードを緩める作用があるものと一緒に飲むことで、タミフルが関門をすり抜けて脳に到達し、神経細胞に作用するのではないか、と推測している。

( → 朝日com
( ※ 元の著作権は研究者にあるはずなので、あえて原文の丸写しに近い形で転載する。普通の新聞記事ではないので。)
──

 この件については、私は以前、さっそく取り上げて、「注意しよう」と警告を鳴らした。
 それに対して、反論も来た。「科学的に未証明だから、タミフルの危険性は信じられない」というのだ。
 
 しかし、「未証明だから、ありえない」という凡庸な意見とは違って、「未証明ならば、証明してやろう」という独創的な研究者もいた。それが、上記の研究者だ。
 この両者には、明らかに、態度の違いがある。

 ──

 では、この件について、何が言いたいか? それは、私の見解に対する、反論者の態度だ。
 まず、未解明の状態があった。ここで、「未解明だとしても、大きな危険性が推定されるので、危険性に注意しよう」という警告を鳴らしたのが、私の見解だ。
 その一方で、「未解明だから、大騒ぎするべきではない」という見解もあった。

 で、そのどちらが正しいか? 実は、その時点では、判明していない。だから、どちらが正しいとも言えない。
 ただし、私は他人の意見を圧殺しようとはしなかったが、他人(保守的な人々)は、私の意見を圧殺しようとした。つまり、異端者の意見を封じ込めようとした。── これは、「意見の多様性を封じる」ということだ。
 そして、そのような頭の固い発想からは、上記の研究者のように、真実を発見することはできないのだ。

 つまり、新たな独創的な発見は、「意見の多様性」から生じるのであって、そこでは、「異端者の意見」が必要なのだ。
 逆に、「異端者の意見」を封じれば、「意見の多様性」が不可能になるので、新たな独創的な発見ができなくなるのだ。

 そのことが、今回の発見からわかる。

( ※ 余談だが、今回の実験は、ラットによる実験であって、人間への実験ではない。そこで、「まだ人間では判明していないぞ」というような、足を引っ張りたがる見解が出てくるだろう。──しかし、大事なのは、今回の発見が人間に当てはまるかどうかではない。大事なのは、「真実は何か」ということであり、「真実を発見するにはどうすればいいか」ということなのだ。他人の論理のアラ探しばかりをしているような人々には、それはとうてい不可能なのである。)



 参考として、以前の項目(統計の嘘(タミフル))に寄せられた、揚げ足取りの見解(コメント欄にある)を、部分抜粋しておこう。以下の通り。

 “ はい、タミフル飲んでなくても異常行動は起きますよ。
高熱が原因ですね。タミフルじゃないです。”

“ さてここからが肝要なところですが、上記した誤りやタミフルを「悪魔の薬」とコキおろしておられるところから見ますと、管理人さんはマスコミの言うことを真に受け、思考停止してしまっているように思えます。”


 ──

 他にどんな反発が寄せられたかは、上記の項目を読めばよい。
 


 【 注記 】

 念のために、本サイトの意図を説明しておこう。

 しばしば寄せられる見解は、次の通り。
 「あんたの意見は、主流派の意見を否定しているが、自分の意見ばかりが正しいという論拠を示せ。さもなくば、主流派の意見を否定するな。いちいち主流派の意見を否定するあんたは、トンデモだ」

 これは「意見の独裁主義」である。ミャンマーの軍事政権と同じで、意見をただ1通りに制限して、多様な意見を圧殺しようとする。

 私は、その逆である。
 「なるべく多様な意見を出そう」
 「すでに意見が一通り出ているのであれば、それとは別の選択肢を出そう」

 こうして、発想の選択肢を広げる。それが、私の意図である。(本サイトの意図)
 当然ながら、複数の選択肢が出たあとで、どれを取るかは、他の人々が決めることだ。私は、選択肢を出すだけであり、他の選択肢を否定するつもりはない。
 たとえば、ダーウィン説そのものを「トンデモだから抹殺せよ」などと述べることはない。かわりに、「ダーウィン説とクラス進化論とを、たがいに比較して、正しい方を取れ」と主張する。(その際、「ダーウィン説には難点がある」というふうに、ダーウィン説における問題点を指摘することはあるが、ダーウィン説の存在を否定して押しつぶそうとするつもりはない。)
 しかしながら、独裁的な発想の人は、そういうふうには考えない。彼らは、自分の発想以外の選択肢があること自体が、気に食わない。そこで、「その選択肢は、考察すると、不適切だとわかる」というふうに結論を出すかわりに、考察の対象とすること自体を否定する。つまり、「そのような選択肢があること自体がけしからん。こいつはトンデモだから、否応なしに踏みつぶせ」と圧殺したがる。……ミャンマーの軍事政権と同じ。

 で、そういうふうに硬直した発想を捨てて、自由な発想を取ろう、というのが、本サイトの立場だ。
 とはいえ、こういう立場は、世の中ではあまりにも少数派であり、あまりにも異端である。世間の主流は、「長いものに巻かれろ」である。そのことには留意しておいた方がいい。当然ながら、「少数派の発想を取れ」と他人に命じることもない。
 
 なお、長いものに巻かれないと、どうなるか? 「こいつはトンデモだ」というふうに、保守派と独裁派の人々から、集中攻撃を受ける。ひどいものです。
 日本とミャンマーは大差ない。(少なくとも、科学の分野では。)
posted by 管理人 at 20:10| Comment(7) | 科学トピック | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「揚げ足取りの見解」と書かれた後者のコメントを書いた者です。
気分を害するコメントになったようで、その点は大変申し訳ありませんでした。

ただ、私の意見の本質はその後の一文にあり、『「可能性があるかもしれない」という状況でどうすべきかということを議論すべき』というものです。
私は、かような問題についてはセンセーショナルに扱うべきではなく、事実に基づいて淡々と処理すべきであると考えています。

前回の記事は、断定的でミスリードがあったように思います。
管理人様が書いているように、記事にするためには多少の誇張や省略も必要なことは分かります。ただ前回のようにマスコミ報道の方向性に乗ってそれをやるのは所謂「〜叩き」であり、かえって本質を見失わせてしまうのではないかと思います。管理人様の言う「意見の多様性」が、かえって危うくなるわけです。

前回はその意味でコメントさせていただきました。
Posted by sugar at 2007年09月30日 07:11
「〜叩き」ですか。なるほど。その意図はわかります。

しかし私としては、「〜叩き」が必要な場合がある、と考えます。それは、少数派に対する「〜叩き」ではなく、多数派の常識に対する「〜叩き」です。実は、本サイトは、すべてその方針で書かれています。「常識叩き」ですね。 

タミフルの場合も、「タミフルはすばらしい」という常識が圧倒的でした。そこに、「タミフルで人命が失われる」という見解が初めて報道されました。一時的にはセンセーショナルでしたが、世間の常識を破るという意味があり、その意味では「常識叩き」でした。特定の個人や会社を叩こうとしたものではありません。タミフルという物質を叩こうとしただけです。
 (会社を叩こうとしたわけでもありません。会社が損をするわけでもありません。タミフルでボロ儲けをすることができなくなるだけ。元に戻るだけです。ライブドア事件のように、ライブドアという会社を消滅させようとする「ライブドア叩き」とは違います。)

 ま、どっちを叩くかという問題では、公平性を旨とするべきですが、「人命が失われる」という場合においては、私は人命の方を優先します。
 同様のことは、狂牛病についても当てはまります。狂牛病の検査の効用は疑わしく、そのために年間数億円〜数十億円の金がかかっているようですが、だとしても、私としては人命のためにそれだけの金をかけることを主張します。土地改良費という名目で無駄な金を数百億円もかけて土に埋めてしまうよりは、人命を救うために小額の金をかけた方がいい、という立場です。

 一般に、「何かをやれ」「何かをやるな」という問題では、センセーショナルに扱うべきではありませんが、次の場合は例外だ、と思えます。
  ・ 世間の常識が、一方を全面的に肯定している。
  ・ 世間の常識のせいで、人命が失われる。

 この場合には、世間の常識を崩すための見解に賛成する、というのが、私の立場です。

 ついでですが、私がどちらの方針を取ろうが、世間には影響しません。マスコミが報道すれば、大騒ぎになりますが、私がブログに書いても、効果はほとんど皆無です。世間的影響という意味では、まったく無視していいでしょう。
 私としては、マスコミを支持しているわけでもなくて、タミフルの是非を論じているわけでもなくて、タミフルに関連して、統計の話題を論じただけです。タミフルの是非は、話のついでに過ぎません。(主題ではありません。タミフルの是非についてはまともには論じていない、というのが正しい読み方。)
Posted by 管理人 at 2007年09月30日 09:10
ご丁寧なコメント有難うございます。
成程、得心いたしました。

私としては、前の記事がアップされた段階では「多数派の常識」が既に(根拠が明確とは言えない)マスコミ報道に流されていると感じており、管理人様の記事がそれに追従するように思えたわけです。

私、ある程度の期間に亘りこのサイトをずっと拝見させていただいておりまして、それは(上のコメントでご説明ていただいた)管理人様のスタンスとちょっと違うのではないかと疑問に思ったわけです。
「多数派の常識」がどちらかという認識が違えば、論調も違って当然ですね。

なお、人命が失われるという点に関して言えば、タミフル投与で助かる人命もいる筈ですので(老人や乳幼児など)、私としては中立の立場でした。(つまり根拠の曖昧な投与制限により、救える命が救えなくなるというリスクも同時に存在していた、と考えていました。)
Posted by sugar at 2007年09月30日 18:43
関係無いかもしれないんですけど一つだけ。
タミフルは異常行動の原因である。
これなんですが、私もうまくいえなくて申し訳ないんですが、リスクとハザードは違う、と言う事を御理解いただきたいです。
インフルエンザの時にタミフルを使用する事で、異常行動を引き起こすリスクが増えるかもしれない、と言われておりますが、今現在因果関係は不明です。
つまりインフルエンザ罹病時にタミフルを使用した事で異常行動が惹起されたのか、単にインフルエンザによる発熱で熱せん妄がおき、異常行動に至ったのか、誰もわかっていないのです。
これを解明するには、疫学的調査によりインフルエンザ罹病者におけるタミフル使用の有無による異常行動発症の比率を比較する他ありません。
現在厚生労働省研究班が頑張って調べている様ですが、まだ結論は出されておりません。
仮に因果関係が認められたとしても、どのくらいリスクを上げるのか、と言うのもきちんと評価する必要があります。
と言うのも、通常のインフルエンザでは高齢者や内臓疾患保有者などのハイリスク群を除き、罹病しても死ぬ事はめったになく、そのような病態に死亡リスクを上げるような治療を加える事は、社会的に許されるものではありません。
しかし現在高病原性鳥インフルエンザのアウトブレイクが危惧されており、万一アウトブレイクの後パンデミーが発生したとなると、今の所治療薬はタミフルしかありません。高病原性鳥インフルエンザは死亡率は20〜50%と言われており、このような致死的疾患に対して、タミフル投与のリスクをどう判断するのか、理性的な判断が求められると思います。
つまり高病原性鳥インフルエンザ罹病によるリスクと、タミフル投与による異常行動発症リスクを比較検討し、どちらのリスクをとるべきかをきちんと社会が判断しなければなりません。
わかりにくい話しか出来ず申し訳ないのですが、コッホの3原則のごとき、強い因果関係はタミフルと異常行動の間には認められないと思います。
恐らく相対危険度を何%か上げるくらいで終わるのかも知れません。絶対危険度で見ると小数点以下何ケタかくらいのリスクを上げるくらいで終わるかも知れません。
これはタミフルが異常行動を引き起こす要因の一つにすぎず、圧倒的多数の方はタミフルを内服しても何事もなしに済んでいる事から、容易に想像する事が出来ます。
卑近な例で言えば、タバコは肺癌の発症リスクを上げる要因の一つであり、肺癌の直接の原因ではありません。(なお私は非喫煙者で、この世からタバコが無くなればいいと心から願っている人間です)
なぜならタバコを吸っても肺癌にならない人は、文字どおりゴマンといます。ただし吸わない人にくらべると肺癌が少し多くなるのは事実の様です。ですからタバコは肺癌のリスクを上げるものだと言えます。
新聞を初めとするマスコミの報道、特に科学報道は、どうしようもないシロモノで頭が痛いのですが、どうかリスクとハザードは違うものだ、と言う事を御理解していただきたいです。
乱文失礼いたしました。
Posted by ヘボ医者 at 2007年10月02日 18:50
ブログ主に言わせれば自分みたいなフラっと現れるのが一番駄目なんでしょう。
ちょうどコメント制限がかかった直前に書きましたし。
不愉快な思いをさせてしまったかもしれませんし、消されるかもしれませんが・・・・

・やたらと経験主義を叩きますが、ブログ主が書いた「しがらみから脱却する方法」自体が過去の偉人、成功者の行動を集計した結果生まれた「経験主義」では?「哲学やとんちの話はよそでやれ」と言われればそれまでですが。
・科学界の閉鎖性の問題は存在しますが、別に意見の多様性自体が弾圧されているわけではありません。(当然の事ながら、とりあえず<ブログ主が嫌いな、つじつま主義ですね>現在の世界で一つの意見が主流となり世界に影響を与える立場になりますが、それは政治経済も絡む問題です)
現にブログ主が出したタミフルの件のように、タミフル否定論の血脈は生き続け、反論を出しました。科学の世界で、つい最近まで非主流派だった意見が盛り返した例など(当然日本でも)いくらでもあり、「主流」という抽象的存在に対して不要な敵意を抱きすぎでは?今の主流派も非主流派も科学の前では等しく一意見ではないかと思います。
Posted by 以前書いた人間 at 2007年10月03日 00:33
はじめまして。
私は大学・大学院生時代に広範な意味での分子生物学を専攻し、そういう見地から、タミフルの作用機序を調べてみたことがある者です。

疫学は私の専門でないので、こういう視点からもタミフルの問題は考えられるのだな、と、貴ブログの記事を非常に興味深く読ませていただきました。

「マスコミがタミフルが作用する仕組みについて報道しない」ということを書かれておられたと思いますので、私の調べたことですが、すこし述べさせていただこうと思います。

タミフルもリレンザも、実ははたらくしくみは全く同じです。両方とも、インフルエンザウイルスだけが持っている、「ノイラミニダーゼ」という酵素の働きを止めるのです。

酵素はひじょうに厳しく「作用する相手を選ぶ」ので、それに作用する物質もその酵素にしか働かないことで知られています。

ノイラミニダーゼは、インフルエンザウイルスが宿主細胞(ヒト)内で増殖し、宿主細胞の細胞膜を破裂させて飛び出すために必須の酵素です。

タミフルやリレンザは、その酵素の働きを止めてインフルエンザウイルスの「飛び出し」を防ぐお薬なのです。

ちなみに、ノイラミニダーゼに似た配列の遺伝子も、タンパク質(酵素)も、ゲノム解読が終了している、ヒトをはじめとする哺乳類、酵母、植物のモデル生物群は「持っていない」ということが私の調べではわかっています。
これはデータベース検索の結果ですから、誰が調べても同じことであると思います。

ためしに文献からノイラミニダーゼのDNA配列を拾ってきて、それがコードしているアミノ酸・似たような立体構造のタンパク質・DNA配列などあらゆる方向でデータベース検索をしてみましたが、配列を削っても反復させても、「インフルエンザウイルス」にしか存在しませんでした。

ということは、「理論的には」タミフルもリレンザも「インフルエンザウイルス」にしか影響しないということになります。
むやみやたらに毒性を発揮するのではなく、「インフルエンザだけを攻撃する」という点がすぐれているということで、タミフルやリレンザが抗インフルエンザ薬として研究開発されているのではないかと思いました。


貴ブログの内容が面白く感じましたので、こうしたしくみについてもご存じいただけると面白いのではないかと思って、書き込みをさせていただいた次第です。

そして、こちらで紹介されている論文の原文についても、探して読んでみたいと思います。
ありがとうございました。
Posted by 偲 at 2007年11月29日 17:40
こんにちは。

上記のタミフルの作用機序についてのコメントを書いたものです。リレンザでも異常行動が見られたという報道がありましたね。

じつはわたくしは、拙ブログでは、どちらかというとタミフルにたいする「肯定・否定論」ではなく、「科学ニュースについてマスコミ報道の姿勢は偏向しているのではないか」ということについて書いております。

実際にこちらの記事で取り上げておられる論文要旨をPubMed(医学論文データベース)で読んでみましたが、また、実際に読んでいただけるとお分かりになると思いますが、ずいぶんこの記事とは違ったこと……むしろ「どう読んだらそんな記事になるのか」と思うようなことが書いてあることがわかります。

PubMedはこちら
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez

検索キーワードはrat oseltamivir izumi で、ヒットしたのは1件のみ。
そして、まさにニューロサイエンス・レターズという雑誌の掲載記事でしたのでこれが朝日.comのソースになったことは間違いないかと思います。

科学ニュースにおけるマスコミ報道は、今一つ信頼できないということを、ちょっと一歩引いた目線でご覧になることもお勧めしておきたいと思います。

ありがとうございました。
Posted by at 2007年12月09日 11:56
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