前項の「つじつま主義」に似ているものに、「とりつくろい」がある。
何かを失敗したときに、表面的に取りつくろって、それで済ます、というものだ。これは凡庸な人にもしばしば見られる。 ──
たとえば、次のようなもの。
「消費期限を超えた在庫が増えたから、消費期限を4カ月から5カ月に変更する。こうして、古い商品も消費期限内になるようにする」
「ボルト事故が一件起こったら、それへの個別対策をする。また別のボルト事故が一件起こったら、それへの個別対策をする。あくまで個別に対策して、根本的な対策は取らない」
「ソフトにバグが出たら、バグを修正する。バク修正にまたバグが出たら、またバグ修正をする。……いつまでたってもバグ修正を続けて、根源的にバグを減らす対策を取らない」
「女房に文句を言われたら、とりあえずなだめる。また文句を言われたら、またなだめる。いつまでたってもなだめるだけ。女房に文句を言われないように根源対策を取ることをしない。」
こういうのはいずれも「弥縫策」である。(「弥縫 びほう」は「とりつくろい」と同じような意味だが。)
で、その結果は? そのときは一時しのぎができるが、一時しのぎなんかを繰り返しているうちに、最終的には、破綻する。
例。
・ 消費期限をゴマ化しているのが発覚して、会社が破綻する。
・ ソフトの異常停止を繰り返しているうちに、データ全体が壊れる。
・ 女房をなだめていたが、ついに女房が我慢しきれず、離婚。
学問だって、とりつくろいをする。
・ 進化論 …… 「中間種の化石は見つからないだけさ」とうそぶく。
・ 量子論 …… 「猫は生きていて死んでいるのさ」とうそぶく。
しかし、そんなとりつくろいをしてれば、いつか破綻は避けられない。
・ 進化論 …… 大進化をきちんと説明しきれない。
・ 量子論 …… 重力と相対論を統合できない。その他いろいろ。
量子論では、「重力もまた電磁気力などと統合されるだろう」という夢を見ている人がほとんどだが、そんなことは根源的に無理である(……と私は考える。私の理論では証明済み。)
破綻するのは、学問だけじゃない。現実生活もそうだ。
経済学で次の学問的な破綻がある。
・ 「自由放任と市場原理で不況解決」という発想は破綻。
・ 「貨幣量の調節で不況解決」という発想は破綻。
この破綻を通じて、われわれの現実の経済生活が破綻していく。社会の破綻。
その理由は? いずれも物事の本質を見ないからだ。目先の「とりつくろい」ばかりをしているからだ。
[ 付記 ]
破綻していても、破綻が認識されないことが多い。なぜか? たいていの人は、「見て見ぬフリ」をするからだ。
例。
「結婚生活が破綻して、妻は浮気のし放題なのだが、夫はそれを見て見ぬフリをして、『妻は貞淑だ』と思い込む。……こうして、破綻は回避され、離婚を免れる」
このように、「見て見ぬフリ」をすると、破綻を免れるものだ。ただし、破綻そのものが解消するのではない。実質的には破綻しているのだが、それを認識していないので、破綻が起こっていないと勘違いしているだけのことだ。
上記のように、進化論・量子論・経済学のいずれにおいても、破綻は起こっているのだが、人々はそれに対して「見て見ぬフリ」をするので、破綻を認識しない。
幻想を見ている人々。
【 追記 】
「とりつくろいの正当化」とも言うべきことがある。
本来は、本質的な対策を取るべきだ。しかしそれは困難である。だから、本質的な対策をサボりたい。では、どうやってサボるか? サボることを正当化すればいい。そのためには、こう考える。
「いくらか考えたが、本質的な対策は見つからなかった。だから、本質的な対策など、存在しないのだ。」
こういうふうに考えると、以後、本質的な対策をすべてサボることができる。
具体的には、本項のコメント欄を参照。「根本的な対策などはありえない」と強弁する人がいる。こういうふうに強弁すれば、自分は何もしないで遊んでいられる。まことに便利な口実になる。(サボるための口実。)
で、その結果は? いつか、破綻が起こる。
例。
・ ボルトの根本対策をしない → 飛行機事故が起こる
・ バグの根本対策をしない → ユーザーのPCでトラブル続出
・ 不平だらけの女房を放置 → ついに離婚
しかし、破綻が起こるのは、今すぐではない。
また、自分自身が損するとは限らない。(バグならばユーザーが損するだけだ。)
というわけで、サボりたがる人には、「根本対策なんか、どこにもないのさ」とうそぶいて、毎日お気楽に過ごしているのが、一番楽である。
刹那主義ですね。そのときだけ良ければそれでいいのさ、という発想。……これを利口と見なすか阿呆と見なすかは、人それぞれ。
2007年09月01日
過去ログ

いつまでたっても誤魔化すだけで、文句を言われないように根源対策を取ることをしない。
世の中にはそんな人も多いですね。それを悪い例として、私も気をつけます。
消費期限以外の例は問題ないと思うが。
例。バグ対策。
→ バクをつぶすまで発売を見合わす。(バグだらけの Vista はバグがつぶれるまで発売を延期する。)
他も同様。いちいち教えてもらわずに、自分で考えてください。
本サイトは、世間のすべての分野に渡っていちいち解決策を示すことを目的とせず、考え方の指針を示すだけです。全分野への無料指導所じゃありません。
「ちょっと考えただけで(真に)根本的な解決策が得られる」と思い込んでいるようでしたら、その安直な考え方を改めた方がいいでしょう。
ああ さんであれフェルミさんであれ、「この管理人の話を読めば(真に)根本的な解決法が得られる」と思い込んでいるようですが、それは本項に対する誤読です。
本項は「何をしてはいけないか」ということを示してはいますが、打ち出の小槌をもたらすわけではありません。
この世に打ち出の小槌はない、と理解しましょう。
タイムスタンプは下記 ↓
なぜか(真に)が追加されてますけど。
といいつつ、私自身は南堂さんのファンなんでまたROMに戻ります。
結局「神になれ」と啓蒙しているのだろう
自身が神になれていないのに
私が間違っていたと書きませんが、ちゃんと別の言葉で自分にも間違いはあると認めています。
>全体として、正しい記述とは言えません。
>結論は、誇張まじりの極言。
>字面通りに読まないでください。
>外部の人間のほざいた悪口談義だと思ってください。
>話を面白くするために偏った誇張がたくさん含まれているので、初めから「誇張が多いな」と思って読んでください。
>最後に「……だと思う」という文句をつけて読み直してください。
>変人のぼやきふうに理解してください。
ここまで自分で書いているんです。多少の矛盾には目をつぶってあげたらどうでしょうか・・・・
私も古くからの南堂ファンです。
>「ちょっと考えただけで根本的な解決策が得られる」と思い込んでいるようでしたら、その安直な考え方を改めた方がいいでしょう。
二つとも管理人さんが書いた事です。私は矛盾していると感じますが曲解でしょうか?
それとも、日本語の理解力に欠けるのでしょうか?
指摘を歓迎すると述べておられたので書き込みました。
これが重箱の隅をつつくような指摘に当たるのでしたら、削除してくださいね。
申し訳ありません。自分の名前を記載し忘れました。masashiと申します。
この記事のテーマ「とりつくろい」
表面的に取りつくろって、それで済ます。とりつくろいの正当化・・・・・
それが人の目にどう映るのか?管理人さんはあえてそれを示されるのかな?と深読みしています。
その通り。主語と述語の意味するところを、それぞれ考えてください。わかるはず。(それでもまだわからなければ、日本語学校にでも行ってください。例。「ある」と「得る」の違い。)
本サイトは、日本語読解力のない人のための指摘なんか、いちいちやる気はないんですが。読者が自分の誤読のたびに著者に文句を言っていたら、著者はたまりません。
──
とにかくね。「本質を突け」という主張に対して、それとは全然別の話題で「言った、言わなかった」などを論じること自体、非本質的。
そういう非本質的なことはやるべきではないのです。