2007年07月26日
◆ エコノミークラス症候群の防止法
エコノミークラス症候群というものが知られている。サッカーの高原で有名だが、地震のときに車中泊や外泊をしているときにも起こりやすいらしい。(姿勢がまずいせいや、血のめぐりが悪くなったせい。) ──
では、エコノミークラス症候群の防止法として、どうすればいいか?
あちこちのサイトがあるので、ざっとまとめると、次の通り。:
原因:
血のめぐりが悪くなり、膝のあたりに血栓ができる。すると、そこで血管が流れなくなり、その先の組織が壊れてしまう。
対策:
・ 水分を取る
・ ときどき立って、軽く運動する。
・ 坐っている間も、こまめに足を動かす。
──
上の対策は、悪くはないが、あまり効果的と言えない。
というのは、「血栓ができるのを防止する」だけであり、すでにできかかった血栓のタネ(萌芽)を、除去することができないからだ。
つまり、「これ以上悪化しないようにする」だけであって、「改善する」効能がないからだ。
──
そこで、決定的な方法を示す。次のことだ。
「坐ったまま、足を持ち上げて、足を頭よりも高くする」
一時的に、こういう姿勢を取る。額を膝にくっつけるような感じだ。 V のような形の姿勢だ。屈伸運動ですね。
こうすると、膝が頭よりも高くなるので、すでにできた血栓が下がって(逆方向に進んで)、血栓が消えていく。
もう一つ、次のこともある。
「坐ったまま、膝を引いて、膝を曲げて、膝は足を腕でかかえ込む」
つまり、足を曲げながら、体全体を椅子の上に置くわけだ。 N のような形の姿勢だ。
その姿勢の意味は、「心臓よりもずっと低い位置に足を置かない」ということだ。(体のどの部分も、だいたい心臓を同じ位置にある。)
これだと、血が下方の足に沈み込む現象がなくなるので、エコノミー症候群は起こりにくくなるはずだ。
こういう姿勢を保ちながら、ときどき、足を持ち上げたり、あるいは、直立して体を伸ばしたりすると、疲れにくくなるだろう。
なお、裏技だが、「椅子に逆に座る」という手もある。
椅子の形は L 型である。通常、 垂直の部分に上体をかけて、水平の部分に足をかける。しかし逆に、水平の部分に背中をつけて、盾の部分に足をかけて、足首を天井に向ける。 L のような形の姿勢だ。(ただし通常とは、縦と横とが入れ替わっている。)
こういう姿勢をしていると、血流が逆流するような感じで、血栓ができにくくなるだろう。
だけど……スチュワーデスに怒られるかもしれません。
──
さらに。予防法。
膝下には、きつめの長い靴下をはく。膝下の足に圧迫をかける。女性ならば、膝下に圧力をかけるような、きついストッキングをはく。
その理由は、すでによく知られたとおり。次のことだ。
「足は第二の心臓である。下方に下がった血液を上方に押し上げるためのポンプの役割がある。しかし、長時間立っていると、足のその力が弱まる。だから、足のその力を補助するために、きつい靴下をはいて、第二の心臓としての役割を助けてあげる」
実際、「長時間立ちっぱなしの人のためのストッキング」というのがある。そういうのをはくと、足が疲れにくい。で、それはまた、血栓ができにくくするという効果もあるはずだ。だから、そういう靴下ないしストッキングをはく。
ただし、それだけだと、きついのをはきっぱなしのせいで、血流が悪くなるかもしれない。だから、やはり、ときどき立って、血流を良くする必要もある。靴下またはストッキングだけで済む、というわけではない。あくまで補助的な役割だ。
結局、本命は、「足を高く持ち上げること」だろう。これをこまめにやる。30分ごとに3分ぐらいやる。そうすれば、エコノミークラス症候群は、予防できるはずだ。
ただし……
そのためには、体が柔らかくないと、駄目ですね。肥満体とか、体が硬直しているようだと、とても無理。
普段から体を柔らかくしておきましょう。それが命を救う。
【 参考 】
朝日新聞( 夕刊 2007-07-23 )にも、同じテーマの話がある。本項とほぼ同趣旨だが、情報量は稀薄。特に読むほどの情報はないようだ。
ただ、「男性ストッキングで、むくみを防止する実験」という話があった。「むくみ防止」であって、「血栓防止」ではない。これは趣旨がピンボケふうだが。
【 追記 】
本項については、医者からの反論などが続くので、改めて注記しておく。
本項は、次のことを主張しているのではない。
「エコノミークラス症候群の原因は、医学的に言って、これこれである」
「いったん血栓ができても、体をひっくり返すと、血栓が消える」
かわりに、次のことを主張している。
「血栓ができないように、予防すればよい」
「それには、(水を飲むことなどは当然として)姿勢をときどき大幅に変えることが大事だ」「換言すれば、同じ姿勢を長時間保持することはよくない」
一方、医師などからの反論は、つぎのようなものだ。
「本項の主張は、エコノミークラス症候群の原因解明としては、不十分である」
「姿勢を変えることなどは必要ない。水を飲まないと症状が出るのだから、水さえ飲めば症状は出ない。(つまり、長時間、同じ姿勢を保持していてもよい。姿勢を変える必要などはない。)」
こういうのは、全然理屈になっていないと思うが、医者に論理を説いても無駄であろう。馬の耳に念仏。医者の頭には知識のみがあり、(自分の)思考や論理などはない。医学の教科書に書いてないことは、すべて無効である。
というわけで、今後はいちいち反論しません。馬鹿らしいので。
過去ログ
欠陥→血管
ずっと同じ姿勢でいることがまずいのではないか
血流が悪くなるから、血栓ができるのでしょう
下肢の静脈で血栓ができる
静脈流にのって肺に流れる
肺の毛細血管が詰まる
心臓や脳の毛細血管に回る場合もある
血栓ができた場所で壊死がおこるのではない
粘性のある血栓が、姿勢を変えることぐらいで、詰まった血管からはずれるのか
「足を上げる」とか何とかは、「できた血栓を戻す」という意味ではありません。本当に血栓ができたら、大変です。
ここでは、「血栓になりかかりつつあるもの」というぐらいの意味です。
血栓というものは、あるとき突発的にできるわけじゃなくて、何時間もかけて徐々に形成されていきます。
だから、途中でチャラにしてしまえば、血栓はできなくなる、という発想。たとえば、8時間で血栓ができるなら、2時間目のところでチャラにしてしまえばいい、というわけ。「再起動」と似た発想です。
こんなことは、いちいち解説しなくても、すぐにわかると思って、注釈しなかったのですが、文字通りに解釈されてしまったようなので、注釈しておきます。
とにかく「血栓」というのは簡略な表記であって、「血栓になりかかりつつあるものでまだ本当の血栓にはなっていないもの」という意味です。
そのくらい、誰にでもわかると思ったんですが・・・・・・わかりませんでしたか? 二時間ぐらいで大きな血栓ができると思ったんですか? ・・・そういうメチャクチャな発想をする人がいるとは思わなかったのですが、・・・・・・ごめんなさい。
多めに水分をとって時々歩き回れば通常は何の問題もなく,それでも血塊が出来る人は通常の生活でも疾患が見られるはずです。
誰もそんなことは言っていないと思いますが。そういうふうに誤解する人もいるかもしれないので、注釈しておきます。
エコノミークラス症候群の「予防」というのは、すでにできた血栓を溶かすこと(治療)ではなく、血栓ができないようにすることです。予防と治療とは根本的に異なります。医者は治療をしますが、各人は予防をします。
エコノミークラス症候群では、血液の凝固成分がなかなか足から上方に行きにくくなることによって生じます。血液が濃くなるとその傾向が強まります。
ここでは足の「第二の心臓」の効果が弱まっていることになります。それを強めることで、予防が可能となります。そこで「第二の心臓」の効果を高めるために、足を高くしたりします。ポンプを強くするというよりは、ポンプに要求される圧力を下げます。
これが「予防」です。「治療」とは違います。勘違いしないようにしてください。
やはり航空会社が推奨する,時々歩くことか,それが難しい場合は,出来る範囲で足を運動させることをお勧めいたします。
私が述べているだけでなく、朝日の記事にも同趣旨がありますから、医師間の見解の相違ということで受け止めます。
> V 字あるいは N 字の座位
私が勧めるのは、ずっとそうせよという意味ではなくて、通常の姿勢と交互にそうするべし、ということです。
V 字あるいは N 字の座位を継続する場合には、やはり、同様の難点が生じるでしょう。一方、交替すれば、ある程度のメリットは生じると思います。
歩けばいい、というのはそうなんですが、現実にはあまり歩けないようです。他人に迷惑を掛けるので。私としても歩くのが一番いいとは思うんですけど、気兼ねする人が多いんでしょうね。実際、飛行機の中は歩行者だらけ、ということはないようです。
血流が完全に停止した場合(つまり死亡した場合)、赤血球などの凝固成分が重力によって下方に沈殿して、下側に死斑を生じさせます。
ただし途中で体を反転させると(仰臥と伏臥の交替)、いったんできた死斑が消えます。こういうふうに、体の姿勢を変えることは、血液の凝固状態を変える効果があります。
同様のことは、生体にも当てはまります。血液の循環が悪くなると、死斑が生じるのに似た効果が起こります。そういう場合には、死体を反転させるのと同じようなこと(姿勢を変えること)をすれば、死斑が解消されるのと同じような効果が期待できます。
「体を動かさないでじっとしていた方がいい」ということにはならないはずです。
(なお、「歩けばいい」というのは、ここでは問題外です。「歩かないときにはどうすればいいか」ということを話題にしているので。)
血栓の予防に一番効果的なものは納豆ですよ。
基本的な運動も当然必要ですが、
その効果を数倍に高めてくれると思います。
中には納豆が苦手という人もいるかもしれませんが、納豆汁という形ならば比較的抵抗なく飲めるでしょう。
避難所での集団生活では臭いも尚更気になると思いますが、納豆汁であれば臭いもだいぶ押さえられると思います。
いかがでしょうか?
http://www.naoru.com/nattou.htm
しかし、ネットで調べると、この問題はすでに科学的に決着している。すなわち、「脚部に圧力を加える方法」が有効であることは、医学的に証明されている。
下記を参照。
http://goods.his-j.com/shop/c/c000303/
ここでは、ストッキングまたはソックスをお勧めしている。その趣旨は正しい。ただし、値段が馬鹿高い。同等の機能をもつ商品は、普通のお店でも売っているから、そういうのを買うといいだろう。
女性向けなら、普通のストッキング売り場で売っています。
男性向けなら、きつい長いソックスをはけば大丈夫。冬なら、簡単。厚くて暖かいソックス。夏は・・・ちょっと思いつかないですねえ。女性用のストッキングを転用する?
また医者と言う人種は、結構細かい所を気にすると言う事も申し添えておきます。
死斑についてのコメントですが、血球などの凝固成分、と言うのはいただけません。
血球成分の殆どは赤血球になります。
凝固成分はまた別で、血小板とフィブリンなどの凝固タンパク質が凝集したもので、その中に赤血球が巻き込まれて存在する場合があります。
死斑は血球成分(赤血球)が重力により下に集まる事で形成されます。凝固因子や血小板は関係ありません。
また死後に血液は何故か余り凝固する事がなく、これは解剖すれば直ぐわかるのですが、御遺体を切開すると血液が結構流れ出して来る事からわかります。(大学にいた頃30体以上剖検した経験より)組織を顕微鏡で見れば直ぐわかるのですが、血栓とただの死斑(血液のうっ帯)は全く別個のものです。
もちろん全く凝固していないと言う事もないのですが、どちらかと言うと例外的ですね。
亡くなられた前後では血液凝固に関する挙動が少し違うのではないかと思っています。
なお静脈血栓症ですが、主に下肢の静脈に血液がうっ帯する事により、血小板の凝集が促進され、凝集した血小板の活性化により各種凝固因子の活性化カスケ−ドが働き、結果として血栓が形成され、その血栓が飛んで肺動脈に塞栓子として引っ掛かる事で急性肺動脈血栓塞栓症が発症します。
血液凝固は学生時代に勉強したきりなのでお恥ずかしいのですが、血小板と凝固因子(凝固タンパク)の二つが関与しています。
夫々が全く別個に凝固する能力を持っていますが、生体内では複雑にからみ合って凝固と言う働きを行なっています。
医者ですとその辺が何となくわかっているのですが、医学的素養のない普通の方にはちょっと理解し難い所があるかと思います(私もそんなによくわかっていないのですが(汗))
ここまで書けばもうおわかりと思いますが、いわゆるエコノミ−クラス症候群の予防は、下肢の血流がうっ帯する事を防げばいい訳です。
また血液が濃縮した状態ですと、その分血小板の凝集も起り易くなりますから、血液の濃縮が起らない様にする事も推奨されます。
以上から下肢の筋肉を使って血液のうっ帯を防ぐ。
水分を十分に接種して血液の濃縮を予防する。
以上の2点が予防のキモになると思います。
なお医療用弾性ストッキングは確かに高価です。ただ単にきついストッキングであればいいと言うものでもありません。
きついストッキングで締め付けてしまい、その結果末梢の血流が滞るようでは逆効果となります(理由はわかりますよね)。
医療用ストッキングは末梢(つま先)から中枢(太腿)にかけて締め付け圧力が低くなる様に設計されており、血流が滞る事がない様に配慮されています。
もし一般のストッキングを購入する際には、上記の事に留意して購入される事をお勧めします。
また細かい事ですが、ストッキングによる血栓症予防効果を証明した良質の臨床研究を目にした事はございません。これは渣読のある学術誌(できればインパクトナンバーの高い雑誌)に載った論文と言う意味で、一大学が認めた、と言うものは残念ながら認められないと思います。
従ってストッキングによる血栓症予防効果が証明されたかどうか、言える立場にない事を申し添えておきます。
乱筆乱文(駄文)失礼いたしました。
最後にいつも楽しくブログを拝見させていただいております。勉強になる事ばかりで、これからもますますの御活躍を御記念いたしております。
私はこれを「足の、第二の心臓としての力」(血圧を掛ける力)の弱まりが問題だ、と考えます。ここに本質があると考えます。
血流がどうのこうの、というのは、初めからわかっているので、それは論点となりません。なぜ血流が停滞するか、という問題に対して、血液の水分などを問題にすることもありますが、それもすでに指摘済みなので、新たに問題にすることはありません。
私が指摘しているのは、「動脈血を押し出す心臓の血圧」のかわりに、「静脈血を押し出す第二の心臓(足)の血圧」のことです。
で、この血圧を高めるために、姿勢を変えて、静脈血の血流をよくしよう、という趣旨です。
血圧に着目している、という点に注意してください。
水分を取るとか、運動をするとか、そういうことは、すでに指摘済みであって、論点とはなっていません。それは合意されています。誰も問題視していません。
問題となっているのは、「静脈の血圧を高める工夫をした方がいい」という私の提案に対して、「いや、そんなことは必要ない。血圧のことなんか無視してしまえ。足の第二の心臓のことなんか考えなくていい。血圧なんかどうでもいい。血圧なんか考えなくても血流はよくなる」という見解です。
ただ前にも書きましたが、医者と言うのは細かい所にこだわる人種なので。
医者が血圧と言う時には、暗黙の了解として動脈血圧を示します。静脈の血圧(静脈圧)は考えません。
ですから血圧と言う言葉を使われ、しかもそれが静脈圧を示すものであるとなると、初めから会話が成り立たなくなってしまいます。
御不満でしょうが、医者はそう言う些細な所に異様にこだわりますので、できましたら静脈圧(静脈環流圧)と言う言葉に置き換えていただけると、話が(医者の立場としては)やり易くなります。
なお医者が静脈の血圧を使う場合が一つだけありますが、中心静脈圧と呼ばれるもので、医療現場では一般に仰臥位における右心房圧をこれに当てています。
これ以外の静脈圧を使う事は、研究目的ではありますが、一般臨床現場で使う事はありません。
何故かと言うと静脈圧はその場所と状況によっていくらでも変化してしまい(それは中心静脈圧でも同じ)、一定条件での比較対象が困難であり、つまり誰かが研究して発表しても、追試験で確認する事が事実上困難なためです。
ここまで書けばおわかりと思いますが、静脈圧、あるいは静脈環流圧と言うものは、その静脈の置かれた条件に依存しており、心臓(右心系)の吸引圧というものは事実上無視できる程度のものになります。
そして人間は直立二足歩行を行なっており、一番静脈に静水圧がかかる位置は下肢になります。
この事が血液環流において非常なハンディキャップとなり、当然様々な静脈血環流機構を備えて血流がうっ帯する事を防いでいるのですが、その静脈血流環流機構が破綻する事態も起きる訳で、その結果の一つが下肢または深部静脈血栓症として起って来る訳です。
また「静脈血を押し出す第二の心臓(足)の血圧」のことですが、これは解剖学の知識のあるかないかでちょっとした行き違いが起っている様に愚考します。
医者は下肢の第二の心臓としての機能を軽視している訳ではありません。むしろ積極的な下肢の運動を推奨し、第二の心臓としての機能を積極的に勧めているつもりです。
ただ下肢の第二の心臓としての機能との言葉は、一般の方にわかりやすい様に説明したもので、実際に下肢の筋肉の運動により、強い(10〜20ʔHg以上)の圧力(血圧)が発生するものではないのです。
ちょっと解剖のお話にそれますが、静脈には静脈弁と言う弁が至る所にあり、これの為に殆ど環流圧(心臓の吸引圧)がない状態でも、血液が末梢に逆流する事がなく、中枢(心臓)の方へ流れ続ける事ができます。
これは下肢においても同じで、ただし下肢ですとかかっている静水圧が他の場所に比べて強いため、静脈弁のみでは充分な静脈環流が出来なくなります。
ここに下肢の筋肉の収縮(つまり運動)が加わりますと、筋肉内の静脈は筋肉の収縮に伴い弁を通じで中枢(心臓)へ流れて行きます。
これが下肢の第二の心臓機能と称せられるもので、実際に発生する圧力はごく小さいもので、ただし静脈弁と言う便利なものがあるために、うまい具合に血液が流れる様になっています。
もちろん管理人様に於かれましては、だったら骨盤の所はどうなのだ、と言う疑問をお持ちになると思います。
至極もっともな疑問で、実際に深部(下肢)静脈血栓の好発部分は骨盤部の静脈です。
これの予防はひたすら血流をよくする(つまり下肢の運動を行なう)事と、血液の濃縮を予防する事しかありません。
下肢を心臓に近い位置まで上げる、もしくは心臓より高い位置に置くと言うのは、静脈環流圧から見ると血栓予防には誠に利にかなった手段であると思います。
ただしエコノミ−クラス症候群と言う通称にもあります通り、エコノミ−クラス座席でそれを行なうのは難しく、いきおい現実的対応として、歩け歩けと水分を取れ、にいきつくわけです。
ファ−ストクラスではゆったり足を投げだせる様ですので、管理人様の提唱される対応が可能ですし、またそうすべきです。(もっとも言われる前からファ−ストクラスではゆったり足を投げだせるので、急性肺動脈血栓塞栓症が発症する事はごく希の様ですが)
重要なのは心臓と下肢の静脈との圧較差を少なくする事で、これが大くなりますと血流がうっ帯していることになり、血栓形成のリスク要因になります。
わかりにくい説明で申し訳ないのですが、この場合の下肢静脈圧は、結果と考えていただきたい。つまり血液がうっ帯したために静脈圧が上がった。血液がうっ帯していないので静脈圧が下がった。
ですので圧を上げて流れを良くする、という考えではなく、流れをよくして圧が下がった、という様にお考えいただければと思います。
ですので、「静脈の血圧を高める工夫をした方がいい」と言うお言葉は、恐らく圧を上げて流れをよくする、という考えに基づいていると思われますが、そうではなくて静脈環流をスム−ズにして静脈圧を下げる(圧較差を小さくする)という風に御理解いただければと思います。
また長々と駄文を書き連ねてしまい失礼いたしました。
少しでも意思の疎通が容易になればと勝手に思い、ブログ汚しをしてしまいました事をおわびいたします。
なお昨日は御記念などと書いてしまい失礼いたしました。
改めまして、管理人様のますますの御活躍を御祈念いたしております。
ちょっと気になったので、静脈圧をネットで調べました。
http://homepage3.nifty.com/kuebiko/science/20th/sci_20.htm
ここで「第二の心臓」のことが図解入りで説明されているので、よくわかりました。
さて。その上で考えてみるに、次の問題が適切だと思えます。
「自動車内で就寝するときに、姿勢をどうするべきか? シートを倒して座席に寝る(足はペダルのあたりに垂らす)のが普通だが、それでいいか?」
これに対して、普通の医者だと、「夜中にときどき立ってトイレに行けばよい」と答えそうです。
しかし私は、次のように答えます。
「夜中にときどき立つということは、現実には可能だとは言えない。熟睡していると、トイレに立たないで、5時間以上経過することがある。この場合、エコノミークラス症候群が起こりやすい。ゆえに、足をペダルのあたりに垂らすのは駄目であり、何としても避けねばならない。避けるためには、ワンボックスカーのように広いベッド型のシートに寝ることが必要だ。(しかも足を少し高めるとよい。)……では、ベッド型のシートがなければ? 自動車の車内に寝てはいけない。(つまり、足を垂らす形で寝てはいけない。)かわりに、普通の家(畳の上やベッドなど)に寝るべきだ」
こうして、次の対比が生じます。
・ 医者 …… 姿勢を変える必要は《 ない 》。ときどきトイレに立てばよい。
・ 私 …… 姿勢を変える必要が《 ある 》。なぜなら、トイレに立つことが保証されていないからだ。
ここでは姿勢を変えることの必要性の有無が問題になっています。私は「絶対にその必要がある」と思います。
私のような見解を取らない限り、地震の際には、ボランティアの間でエコノミークラス症候群の患者が大量に発生する、と思います。
私が「姿勢を変えることは絶対に必要だ、是が非でも絶対に必要だ」と叫んでいるときに、「いや、姿勢を変えなくてもいい、その必要はない」とふれまわるのは、医者が病人を生み出すような行為である、と思うのですが、いかがでしょうか?
──
なお、医学的見解については、私なりに簡単に要約する(本質を示すと)と、次のことです。
「足のむくみができる状況を改善する。」
「就寝時や飛行機着席時のように、体を長時間動かせない場合には、足の位置を低くしないことだけが、足のむくみを避けるための唯一の手段だ」
「いったん足のむくみができた場合には、運動をすることが最善だが、運動のあとは、足を高くしておくといい」(いつまでも運動をし続けることはできないので。)