2007年07月15日

◆ 年金とエラー補正


 年金のデータに、大量の欠落があることが判明している。そこで、これを修正しようとして、あれこれと努力がなされている。
 この問題は、IT技術の「エラー補正」技術を使うことで、大幅に改善ができる。 ──

 「エラー補正」技術というのは、デジタル情報では有名な技術だ。たとえば、CD に傷が付いてたり、汚れが付いていたりすると、必要な情報が欠落する。そこで、欠落した情報を、補正することができる。そのためには、エラー補正信号を利用したり、他の情報を参考にしたりする。

 このうち、「エラー補正信号」というのは、今となっては手遅れだが、「他の情報を参考にする」ということは、今からでも可能だ。それによって、欠落した情報を埋めることが可能になる。

 ──

 たとえば、Aさんの年金納付のうち、特定の3年間が欠落していたとする。この時期、X社に勤務していたのだが、どうやらX社ではインチキをしていたらしく、従業員の納付が会社に猫ババされていたらしい。(または、記録にミスがあった。)

 そこで、Aさんは「私はちゃんと納付していました」と申し立てた。しかし社保庁は、「認めません」と却下した。
 「ほかの年には全部ちゃんと納付していたのならともかく、こっちの年も、あっちの年も、あちこち虫食いじゃないか。だから、X社の分も含めて、みんな却下する」
 しかしAさんは納得が行かなかった。

 しかし、社保庁のデータを全部調べると、「X社の社員だった人は、全員、Aさんと同じ状況にある」とわかった。
 つまり、Aさんのデータだけを見てもエラーは補正できないが、Aさんと同じ状況にある他の人々のデータをまとめて調べると、Aさんのデータについて補正できる。

 ──

 以上の話を聞くと、
 「そんなの当たり前なじゃないか」
 と思うだろうが、その当り前のことが、現実にはまったくなされていない。エラー補正技術は利用されていない。

 なお、上の例は一例であって、他にもいろいろと、エラー補正の方法はある。「申し立ての真偽度を点数化する」というような方法もある。さらには、交通違反や納税違反の履歴を調べて、人間性の信頼度を点数化することで、データの信用度を高めることもできる。
 これをやると、私みたいな真面目な人は、「信頼のおける人物」ということになるから、申し立てはちゃんと認められるはずだ。  (^^);

 とにかく、政府にはたくさんの情報があるから、それらの膨大な情報を利用することで、エラー補正は可能になる。

 とはいえ、現実には、たくさんの情報があっても、「宝の持ち腐れ」というふうになっている。愚かですねえ。

 年金問題で、最大の問題は、エラーが発生したことではなくて、エラー補正の技術があるのにエラー補正の技術を使わないことだ。ここが最も愚かなところである。
posted by 管理人 at 19:28 | Comment(5) | 一般(雑学)1 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まあ、エラー補正よりはるかに重要なのが、役人のメンツですからねえ。メンツをつぶしてまでもエラー補正を行う気なんてまったくないんじゃないですか?

しかし、これだけ騒がれていて、とっくに破綻していると言うのは客観的に誰の目から見ても明らかな状態なのに、お国のやることは間違っていないと完全に信じきっている世代の育成に成功していると言う事実が脅威です。エラー補正よりうまく行ってる?
Posted by きみたか at 2007年07月16日 02:03
年金問題は、年金を払った方にも問題があると思います。社保庁の役人や政治家を責めてもしょうがないのでは? 反省は猿でもできますから。

そもそも、いまどきの役人や政治屋風情に正直者で国家国民に滅私奉公しようなどという考えなど微塵もなく、いかにして国民の税金をより多くふんだくって楽して金儲けするかにしか興味がない猿以下の下等人種に、まっとうな仕事を期待するほうが間違っていると思います。

このような下等人種であるいまどきの役人や政治屋のやりたい放題を放置しているのは、ほかならぬわれわれですから(僕も含みます)。

支払った年金は税金と思って、二度と戻ってこないと割り切ったほうが精神的に楽になります。
Posted by 匿名希望 at 2007年07月17日 23:07
ちょっと疑問です。X社がネコババしていたとすると、既存の社保庁の納付履歴データには、X社に勤務していた人の納付記録そのものが無いので、「社保庁のデータを全部調べると、「X社の社員だった人は、全員、Aさんと同じ状況にある」」こと自体を調査できないのではないでしょうか?
社保庁へ申し立てをした人の申し立て内容をデータベース化すれば成り立つ可能性はあると思いますが・・・
Posted by 匿名希望 at 2007年07月26日 00:04
ちょっと疑問です。X社がネコババしていたとすると、既存の社保庁の納付履歴データには、X社に勤務していた人の納付記録そのものが無いので、「社保庁のデータを全部調べると、「X社の社員だった人は、全員、Aさんと同じ状況にある」」こと自体を調査できないのではないでしょうか?
社保庁へ申し立てをした人の申し立て内容をデータベース化すれば成り立つ可能性はあると思いますが・・・
Posted by 匿名希望 at 2007年07月26日 00:04
後半の通りです。

つまり、データがないというデータが見つかるわけ。
逆に、一人でも「払っている」というデータがあったなら、「データがない」ということが否定される。

五人ぐらいならともなく、百人以上の全員でそういうふうに欠落があったら、「申し立てた個人が嘘をついている」とは言えないでしょう。
Posted by 管理人 at 2007年07月26日 00:43
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