2007年06月29日

◆ オールスターとIT


 プロ野球のオールスターが楽天球団に占拠された。
 この問題は、ITについての無知のせいだと言えよう。 ──

 情報は、下記。

http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2007/06/26/08.html
http://www.nikkansports.com/baseball/p-bb-tp0-20070626-218283.html

 一部引用すると、こうだ。
 「球団側は楽天グループ各社4000人に投票への協力要請を行った。ネット、携帯サイトでは1人が1日各5回、計10回の投票ができる。」
 
 最終得票は 40万票ぐらいだから、4000人×10回×10日、という計算になる。だいたい帳尻が合っているようだ。

 とにかく、この問題は、「一人100票」という制度である。ITを使った人は、郵送を使った人に比べて、100倍の票を持てる。
 こんな制度を設計した方がどうかしている、と思えますね。馬鹿じゃないの?

 ──

 【 シミュレーション 】
 200X 年、日本で電子投票制度が実施された。電子投票をする人は、一人百票。紙投票する人は、一人一票。
 公明党が組織だって電子投票に参加したので、国会議員は全員、公明党議員になった。

 ──

  【 追記 】
 このあとは、IT論議。

 上記の問題があるとして、だったら、どうすればいいか? 
 「回数制限をすればいい」
 というのが一案だが、容易ではない。

  ・ クッキーを使うと、制限をはずすことが可能。
  ・ IPアドレスで制限すると、ダブりによるエラーが出ることもある。

 という問題があるからだ。

 では、どうするか? 次の案がいいだろう。
 「郵送の投票と、ネットの投票を、分離する。ネットの投票は、監督選考の際の、参考資料にするだけ」

 そのポイントは? 
 「ネットのデータを、リアルのデータと、完全に等価なものと見なさない」

 これは大切だ。ネット上のデータと通常のリアル世界のデータとを、混同することが多いし、ネット上のデータの方が先進的ですばらしいと思う人が多い。しかし、そんなことはない。
 たとえば、ネット上の世論調査は、かなり偏りが出ることが知られている。(パソコン・オタクが多すぎるから。中高年のデータが消える。つまり、大多数のデータが消える。)

 「ネットの世界は現実の世界の代替となるぞ、すごいぞ」
 というふうに伝えるマスコミ記事が多いが、そんなのに乗せられると、物事の本質を見失う。
 そういうことを、今回のオールスターの問題が教えてくれる。
posted by 管理人 at 19:52 | Comment(4) | コンピュータ_01 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
記事を読んでみました(斜めレベル)けど、
それでも信じられない。

この制度を考えた人。
Posted by ヲバラ at 2007年06月29日 20:18
最後に 【 追記 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは、下記。  ↓
Posted by 管理人 at 2007年06月29日 23:47
素朴な疑問です。回数制限をするのが容易でないということですが、オールスターの投票が一日「5回」までできるというのも、いい加減なチェックしか出来ていないということでしょうか。
Posted by 一人 at 2007年06月30日 17:47
> いい加減なチェックしか出来ていないということでしょうか。

 いい加減なチェックしかしていないから、それを非難されないために、5回にしたのでしょう。
 「私は毎日投票できなかったぞ。どうしてくれる」
 と文句を言われたときに、あとで
 「かわりに今日は5回も投票させてあげるんだから、文句を言わないでよ。勘弁してよ」
 と弁解する。官僚的な保身主義ですね。
Posted by 管理人 at 2007年06月30日 18:11
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