2007年06月18日

◆ トカゲの二足歩行

 直立するのは、人間だけじゃない。レッサーパンダも直立する。
 二足歩行するのは、人間だけじゃない。トカゲも二足歩行する。

( ※ 後半に重要な文明批評があります。重要! ) ──

 まずは、事実を示す。写真付き。

レッサーパンダの直立。
http://10e.org/mt/archives/2005/05/index.php?page=7#004979

エリマキトカゲの二足歩行。
動画   http://www.youtube.com/watch?v=57dElapPv8k
静止画 http://car-cm.zdap.jp/mitsubishi/mirage.htm

参考。水の上を二足歩行するトカゲ
静止画  http://www.nhk.or.jp/darwin/report/report022.html
体験記  http://www.niji.or.jp/home/ymsk/yossy07.html
英文解説 http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/4033725.stm
(昔の「特ホウ王国」という番組で、動画が紹介されたこともある。)

 ──

 これらの動物も、脳が人間並みに発達するか? 
 従来の進化論(特にサバンナ説)では「イエス」。……「直立または二足歩行する猿は、手が発達するので、脳が人間並みに発達する」というが、それだったら、同じ論理がパンダやトカゲにも当てはまるはずだ。
 私の進化論では「ノー」。……「二足歩行と脳の発達は、何の因果関係もない。強いて言えば、逆の因果関係はある。脳が発達すると、二足歩行をしやすくなる。なぜなら、手を器用に動かせるようになるので。」




 さて。以上のことから、いったい何がわかるか? それは、こうだ。
 「直立すれば脳が発達する、と思い込むほど、現在の人間は愚かである」


 馬鹿げた非論理的なことを、単に「話が好都合だから」という落語みたいな理屈で、採用する。それほどにも、人類というものは愚かなのである。
 そして、その点は、天動説を信じていたころ人類と、まったく変わっていない。実際、あの当時も現在も、人類の遺伝子はまったく変わっていない。現代の人類が、過去の人類よりも、遺伝子的に進化しているということはない。人類はこの20万年ほど、まったく進化していない。だから、現代人類もまた、愚かなのである。
 そして、その愚かさの証拠が、「自分は間違っている」ときづく能力に欠けていることだ。つまり、科学的な真実を聞いても、その真実を理解できないことだ。まるで猿のように。

 かくて、猿のような人類は、次の虚偽を信じる。
 「直立すれば脳が発達する」

 また、同様に、次の虚偽も信じる。
  ・ 経済学 …… 「市場では均衡は常に成立する」
  ・ 物理学 …… 「猫は生きていて、かつ 死んでいる。重ね合わせ状態だ」

 繰り返す。人間の愚かさとは、真実をいまだ発見できないことではない。真実を発見しても、その真実を理解できないことだ。
 より正確に言えば、真実を聞いたとき、その真実について真偽を検討することができないことだ。

 たとえば、現在、「トンデモ」という言葉が非常にはやっている。これはつまり、「主流の説以外をすべて弾圧する」ということであり、「思考停止」ということである。つまり、「人間の猿化」ということだ。
 未解明の問題への仮説を聞いたとき、「本当か嘘か」と考察することすらできない。単に既存の虚偽を信じて、新規の仮説(真実)を批判する。……そのことは、天動説のころから、何も変わっていない。

 人間は、考える能力をなくしたとき、猿のようになる。それが今の人類だ。主流派以外のすべてを「トンデモ」と批判して、思考能力をなくす。他人の悪口とアラ探しをすることが科学だと信じて、フロンティアを開拓する冒険心をなくしている。
 人々は、「トライ・アンド・エラー」(試行錯誤)という概念を理解できない。99%の失敗のあとに1%の成功がある、ということを理解できない。「99%の失敗があるから、冒険や仮説は無意味だ」という臆病心ばかりが風を吹かせている。

 人類の求めるものは、真実か? いや、「自分にとって損か得か」という損得勘定だけだ。
 かくて、「長いものに巻かれろ」という原理が成立して、「主流派の虚偽にまかれろ」という見解が主流となる。

 人類はいつまでたっても、猿並みである。そのことは、レッサーパンダやエリマキトカゲを見ればわかる。これらは直立しているがゆえに、人類と同程度の思考力を持つのだろう。たぶん。現代の主流の見解に従えば。……そして、それは、あながち間違いとも言えない。確かに人類は、レッサーパンダ並みの脳しかもっていないのである。いや、エリマキトカゲ並みかな。



【 参考 】
 過去記事 「人類の直立歩行:樹上説」
http://openblog.meblog.biz/article/86436.html



  【 追記 】

 本項の趣旨を誤解している人がいるようなので、初心者向けに解説しておく。

 本項では、「二足歩行で進化が起こる」という説を否定している。
 ここで否定されているのは、何か? ダーウィン説か? 違う。サバンナ説(草原説)である。つまり、「人類の進化はサバンナで起こった」という説だ。

  樹上生活 → サバンナへ進出 → 二足歩行 → 手の解放 → 脳の発達 

 という図式による進化だ。本項では、これを否定している。

 サバンナ説の解説は、ネットで「サバンナ説 二足歩行」という語で検索すれば、あちこちに見出される。Wikipedia では「古人類学」という項目にある。
( ※ ただし Wikipedia の解説は、「サバンナで進化があった」というだけで、二足歩行との関連は示していない。狭義の「サバンナ説」と言えそうだ。

 サバンナ説(サバンナで二足歩行があったことが進化をもたらしたという説)は、現代の進化論では主流の学説である。他に、水生説もある。
 一方、別項で紹介したのは、「樹上生活説」である。

 ──

 なお、私自身の説は、そのいずれでもない。そのすべてを否定する。
 「環境が進化をもたらす」
 という発想そのものを否定する。では何を提唱するか、ということは、すでに示した話から自明だろう。
 要するに、先に示したように、

 過去記事 「人類の直立歩行:樹上説」
http://openblog.meblog.biz/article/86436.html

 というものがある。これを読めばわかるとおりだ。こちらを必ず読んでほしい。こちらが本編で、本項はその付録にすぎない。
 ここでも、「サバンナ説を否定する」という趣旨の話が書いてある。つまり、この 【 追記 】 で補説した話は、もともと紹介されている。

 とはいえ、そそっかしい人は、この過去記事の方を読まないで、サバンナ説の解説も読まないまま、トカゲの話ばかりを読んで、勝手に勘違いする。
 とにかく、本項を読むなら、ちゃんと上記の過去記事も読んでください。ろくに読みもしないで、勘違いして批判する人がいるが、そういうトカゲみたいなことはやめてくださいね。



【 後日記 】
 サバンナ説が間違いだったということは、後日、判明した。草原に進出する前に、森林においてすでに直立二足歩行をしていたのである。それがラミダス猿人だ。下記に記してある。
  → 直立二足歩行は人類の特徴でない
  → 最古の人類(ラミダス猿人)
posted by 管理人 at 19:42 | Comment(3) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
本項について誤読があったので、解説しておく。
 以下、別記項目の転載。
 ──
 まず、背理法の文を示す。
 「猿が直立二足歩行したことで脳が発達したというのであれば、トカゲもまた直立二足歩行したことで脳が発達していいはずだ」
 これは「トカゲの二足歩行」で述べたことだ。これは背理法である。ここから得られる結論は、前件の否定である。つまり、こうだ。
 「トカゲは直立二足歩行しても、脳が発達していない。ゆえに、猿が直立二足歩行したことで脳が発達したということはありえない」
 ところが、こういう論理(背理法)を理解できない人々は、こう批判する。
 「トカゲが直立二足歩行して脳が発達すると言うのは、トンデモだ!」
 誰もそんなこと言っていないって。むしろそれを否定しているのだが。  (^^);
 こういうふうに「背理法」というものを理解できない人は、トンデモマニアにはとても多い。
 ──
http://openblog.meblog.biz/article/1391280.html
Posted by 管理人 at 2009年02月01日 21:40
「二足歩行で手を使えるようになり頭脳が発達した」という考え方を否定するというのは賛成です。おっしゃるとおり、トカゲは二足歩行しているのに頭脳発達していないというのはその通りです。二足歩行が頭脳発達と結びつくのは、母親の胎内で、胎児が逆立ち状態になって、組織液の栄養が重力で頭脳に指向されるからです。胎児は母親から貰うのは組織液で栄養と免疫力を貰います。赤血球は貰いません。チンパンジーは樹上のぶら下がり行動で身体を立てて行動しますので脳が発達します。妊娠期間は8ヶ月です。頭脳容量は赤血球で栄養が運ばれていませんので脳神経の細胞分裂が起きず、脳容量は増えません。フロー一度シフトという現象で、チンパンジー型頭脳発達と言えるものです。人類の女性は妊娠期間10ヶ月で大変な難産をしますが、無意味に難産をしているのではありません。子孫の頭脳の質の確保のためです。もう一つは、脳容量の増大を伴う頭脳発達があります。これをどの動物がやっているかというとイルカが脳容量の増大を伴う頭脳発達をしています。ブラッドシフトを言う生体反応で血流が頭脳に重点的に行くようになっているからです。
二足歩行が、頭脳発達の要因ではないと言う考え方には賛成で、人類がチンパンジー型の頭脳発達とイルカ型の頭脳発達を持っていると言うことをシーシャトル理論として構築しています。
人類の進化については、解決すべき事項があまりにも多いのですが、現在、ヤフー検索「松雲のブログ」で、シーシャトル理論として一部を公表始めました。
Posted by 松雲 at 2011年08月13日 14:23
二足歩行するウサギ (動画)

  → http://youtu.be/5BBKLsnL11s
Posted by 管理人 at 2014年09月08日 22:23
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