2007年06月05日
◆ マイクロソフトは死んだか?
「マイクロソフトは死んだ」というサイトが話題になっているという。
http://www.yamdas.org/column/technique/microsoftj.html
書いてあること自体にはまったく賛同するが、肝心の前提が狂っているような気がする。 ──
というのは、そもそも、マイクロソフトは最初から(技術的には)死んでいた、と思えるからだ。
あの会社が革新的なことをやったことなんて、ただの一度でもあっただろうか?
あの会社が真に溌溂と生きていたことなんて、ただの一度でもあっただろうか?
MS-DOS、GUI、ブラウザ、ネット検索、そのいずれでも、最先端であったことは一度もなかった。常に他人の物真似だった。
ただし、他人の物真似をして、それを自分のものと見せかける、というふうに、商売だけは上手だった。
その意味では、今だって、今後だって、同様だろう。「独占」という違法行為(犯罪といってもいい)を続けて、古いOSを販売停止にして、新しいOSの購入を推進して、OSの更新利益だけで、ボロ儲けする。
ま、本当のところを言えば、WindowsXP か Windows2000 のまま、10年ぐらいは更新をやめていても、同じように儲かるはずなのだが、ちょっとだけ目先を変えて、先端企業のように見せかける。で、そうやって、世間をだますのが上手だっただけだ。
とすれば、今までも死んでいながら儲けていたのだし、今後も死んでいながら儲けるだろう。それだけのことじゃないですかね?
グーグル? これも、マイクロソフトの二番煎じっぽい。自己を優れた先端企業と見せかけているが、世間で崇拝されているほどじゃない。先端的だと見せかけるのが上手なだけだ。(前にも別項で述べた。)
Gmail を褒める人も多いが、あれは他社よりも洗練されているだけであって、別に、グーグルが最初に考えたわけじゃない。人の発明したものを真似して、改良しているだけでしょう。ネット検索だって、改良が上手だっただけだ。しかし世間では、すべてをグーグルが開発したと思っているようですけどね。
──
私が非常に立派だと思う発明は、次の二通り。
(1) Windows3.1 〜 98 で、640KB という制約のまま、見事に Windows というOSを作成したこと。トリッキーな方法を、よくまあ実現したものである。ゼロから開発したWindowsNT が、ずっとバグだらけで使い物にならなかったのに比べて、MS-DOS にちょっと手を入れる形で、見違えるようなものを作った。メモリの制約があり、よく落ちたが、当時の技術としては、大したものである。開発者の名も知られているが、天才的な工夫であったと思う。それにしてもねえ。640KB という制約のまま、Windows95 で Word95 がちゃんと動いたんですよ。それで非常に能率の上がる作業ができた。当時としては、実にすばらしいことであった。(現状はその水準から、たいして向上していない。)(Vista の方が優れている乗って、何があるのか? 下らない画像描写ができることぐらい。あとは落ちにくいのはいいが、当り前のことにすぎない。結局、ほとんど何も進歩していない。640kb のころと比べて。)
(2) Word95 は、 unicode が使えないという時代の制約はあったが、ワープロとして史上最高の出来であったと思う。以後の Word97 〜 2007 は、変な動作をして、使いにくくて仕方ない。 unicode を使えたり、多くの機能があったりして、 Word97 〜 2003 使わざるを得ないことも多いが、本当にストレスが溜まる。さらに、Word2007 に至っては、まったく使い物にならない。Word95 もまた、天才的な開発者によるものであり、その名が知られている。彼は大儲けして、さっさと引退したということだ。……ふうむ。賢明ですね。使い切れない金を無駄に稼ぐよりは、使い切れないほどの金をどんどん使う方が、マシでしょう。
上の (1)(2) は、当時の制約された条件の中で、最大限の効果を発揮するように、うまくテクニックを使ってある。いかにも優秀なプログラマという感じ。
逆に、最近のプログラムを見ると、やたらにサイズが大きいものが多くて、物量作戦で無理に押し込んでいる感じで、美しくない。……私としては、こういうのは好きじゃないですね。
特に、見た目のきれいさばかりを追いかけて、そのためにごちゃごちゃしたソフトにする、というのは、本末転倒だと思うんですけどね。
(そういう発想を取らないのは、グーグルぐらいかも。グーグルはそこだけが立派かもね。……人々はグーグルに、見るべきところを間違えているんじゃないの?)
──
ジョブズは? 彼は、この(1)(2)の二人をずっとしのぐだろう。
しかし、ジョブズは頑固すぎるんですよね。OSは確かに立派だが、マシンと併売するから、シェアが伸びない。だからフリーソフト作者やシェアウェア作者が増えない。だから、高度なツールが提供されず、万人向けのソフトしかない。
これじゃ、プログラム技術を持っている人には、物足りないこと、この上ない。プログラムをする(かつ論文を書く)理系の人間が使うマシンじゃないですよね。……文系向け、または、正真正銘の職業プログラマ向け。理系の研究者向けじゃないです。デザイナーとお医者さん向け、という感じ。
OSを単体で売るようになったら、ジョブズを褒めますけど、そうしない限り、ゲイツよりもずっと下の評価しか与えません。ジョブズは「唯我独尊」だから、私は相手をしてあげない。
あと、OSが立派かといえば、そうでもない。昔はよく爆弾が破裂したということだ。ま、当時の宿命か。今のだって立派というよりは unix 系の派生物にすぎないし。
ところで、この爆弾というの、今では許されないジョークじゃないでしょうかねえ? 特に、アメリカでは。そのうちアップルの爆弾を破裂させた人は、テロ実行犯として逮捕されるかも。ブッシュなら、やりかねない。
マイクロソフトは、ゾンビのようなもので、死にながら(というか最初から生きることなく)儲け続けるが、アップルの方は、死ぬかもしれない。罪状は、「多くのパソコンに爆弾を仕込んだテロ行為」。
過去ログ
それにしても、「真っ青」と「爆弾」なんてなかなか甲乙付けがたい戦いですね。(笑)
もっと虐めてちょうだい・・・