2007年01月22日
◆ しんにょう
しんにょうについては、次のような点が言及されている。
(1)「朝日新聞では、『辻』だけで、一点しんにょう(他は二点)」
(2)「新聞協会は、しんにょう・しめすへん・食へんについて、略字容認の要望をした」
(3)「MSでは、一点と二点の違いを、デザイン差(包摂)と見なしている」
※ 文字についての細かな話です。うんちくふう。 ──
(1)「朝日新聞では、『辻』だけで、一点しんにょう(他は二点)」
これは変だ、という見方もあるだろう。ま、変だといえば変だが、朝日はもともと変だから、変なのがあってもおかしくはない。正常人が狂うのはおかしいが、狂人が狂うのはおかしくない。……あと、(2) も参考になる。
(2)「新聞協会は、しんにょう・しめすへん・食へんについて、略字容認の要望をした」
これを基準とすれば、(1) はおかしくない。
だけど、どうして「辻」だけが例外か? というと、「これが国字だから」という見解もある。
→ http://d.hatena.ne.jp/NAOI/20070115
新聞協会の見解については、私の批判もある。
→ http://hp.vector.co.jp/authors/VA011700/moji/codeknk2.txt
(3)「MSでは、一点と二点の違いを、デザイン差(包摂)と見なしている」
MS(というか unicode )は、一点と二点を区別しない体系だ、という見解。
→ http://d.hatena.ne.jp/NAOI/20070115
なお、「HG正楷書体」では、「辻」も「迸」も、どちらも「ろ」のような形の筆記体で、区別されない。
また、次の画像もある。
→ http://hp.vector.co.jp/authors/VA011700/moji/sinnyou.gif
──
次の記述もある。
→ http://hp.vector.co.jp/authors/VA011700/moji/codeknk2.txt
→ http://hp.vector.co.jp/authors/VA011700/moji/codeitai.htm
(§4−4 しんにょう)
──
結論。
結論は、「結論はありません」となる。あれこれ錯綜していて、議論が一点に収束しない。拡散状態である。で、どうしてかというと、状況そのものが拡散状態であるからだ。
元はといえば、楷書体を明朝体にするときに、どういうふうにするか、という点で、ズレが大きくなってしまった。ここに根源がある。
通常の略字は、筆記体そのものが略字なのだが、明朝体のしんにょうでは、筆記体と明朝体との食い違いがあるせいで、事情が複雑化してしまっている。
というわけで、「結論なし」が結論。
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