Windows Vista の新フォントでは、新しい文字セット(JIS X 0213:2004)が使われることが話題となっている。で、これと旧来のフォントとを比較して、「文字化け」がどうなるかを、詳細に調べた結果がある。
→ http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20061211/256519/ ──
よく調べましたね。ご苦労様です……とねぎらいたいところだが、何だ、書いたのは、これで飯を食っているプロでした。 (^^);
ところで、この記事は、プロらしからぬ記述がある。アマならば仕方ないと思って見逃す気もあったが、プロに対してはちょっと指摘しておこう。
Vista の正字を「正しい字」と述べ、XP の略字を「ダメだ」「間違っている」と述べている。
しかし、正字と略字とは、「正しい」とか「間違っている」とかいう関係にはないはずだ。ある文字を、全然別の文字で誤記すれば、間違いだが、略字で書いても、間違いとは言えない。それを間違いというのであれば、「 X0213:2000 」を推進した略字主義のJIS委員から、総スカンを食うだろう。
たとえば、「こんなことを書いたやつはトンデモだ」というふうに、あちこちのブログのコメント欄にイタズラ書きをされるかもしれない。(ま、自分で書かなければ、大丈夫だろうが。)
ともあれ、略字主義者は、ものすごい偏執狂が多い。略字に対しては、「間違った文字だ」などと悪口を言わない方がいいですよ。変な被害を受けないために、心からの忠告です。
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ついでだが、ここであるような「字体の変更」を「文字化け」と称するのは、ちょっと問題がある。97JIS では、これらの字体の差は、「包摂」という概念によって無視されるからだ。つまり、「正字も略字も同じ文字である」と見なされ、「文字化け」とは見なされない。「デザイン化け」みたいなものである。
実際、字体の差が生じても、言語としての情報はほとんど失われず、字体の情報が失われるだけだ。たいして問題にはならない。
とはいえ、文字コードの関係者には、「文字は人名を表現するものである」という発想に凝り固まっている人が多い。そういう人だと、「正字と略字とはまったく別の文字だ」と解釈して、「字体化けは、文字化けだ」と解釈することになる。
実は、ここが根源なんですよね。「文字は人名表示のためにあるのか、言語表示のためにあるのか」ということ。
で、多くのコンピュータ関係者は、「文字よりも画像が重要だ」(なぜなら萌えちゃんは話よりも顔が大事だから)と思っているから、言語表示のことなんか無視してしまうのだろう……というジョークを語ると、怒られますかね。やっぱり。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20061221/257533/?ST=win
JIS 2004 のフォントでは、従来の略字はすべて正字になったか?
この問題を調べた人がいる。下記。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~enkinhou/id/id2-011.html
そこの pdf ファイルがあるので、それを見るとわかりやすい。
上記の pdf ファイルは、adobe の「エキスパート字形」の字形であって、たぶん 78JIS 字形のことだろう。これは、2004JIS とは違う。
たとえば、「侠」や「鴎」がそうだ。これらは、エキスパート字形では正字だが、2004JIS では略字である。(正字は unicode にもともと入っている。)
2004JIS ではどうなるかは、Vista のフォントでわかる。または、XANO明朝 というフォントでわかる。近日中に、MS明朝なども頒布されるはず。(ただしXP用らしい。Windows98などではダメかな。詳細不明。調べればわかるかも。)