前項の続き。
Winny の判決が出たあと、あちこちで Winny 擁護論が上がっている。(たとえば朝日の社説。)しかし、こういう人々は、 Winny の怖さを理解していない。
Winny とは、ペスト並みに恐ろしいソフトなのだ。なぜか? Winny とは、「有料のソフトを無料で使える」ということを実現するだけではない。そのことを通じて、「有料のソフトを消滅させる」という効果をもつのだ。 ──
擁護論の多くの理屈は、こうだ。
「開発と犯罪実行は別である。開発は悪ではない。ゆえに、開発者は野放しにしてもいい」
ここには論理の倒錯がある。裁判所は「開発」を有罪にしたのではないからだ。かわりに「頒布」を有罪としたのだ。比喩的にサリンで言えば、サリンを開発したのが犯罪なのではなく、サリンを公衆の場に「ご自由にお取り下さい」と放置したのが犯罪なのだ。……判決にはちゃんと「頒布が駄目だ」という趣旨で書いてあるのに、勝手に「開発が悪だ」と読み違えているのは、ただの文章読解力の愚かさを示すだけだ。
ま、このことは、前日分でも述べたから、いちいち繰り返すまでもないかもしれない。
──
もう一つ、勘違いがある。Winny を「P2Pのソフトだ」と見なして、「P2Pのソフトを禁止するのはけしからん」と思うことだ。しかし、これは勘違いだ。判決は「P2Pのソフトを禁止する」とは主張していないからだ。だから、「P2Pのソフトを禁止するのはけしからん」と主張する人たちは、判決を読まずに、勝手に架空のものを攻撃していることになる。
Winny が悪いのは、Winny が P2Pのソフトであるからではない。P2Pでありながら匿名性をもつ、ということが悪いのだ。
論理的に言えば、「Aであるから悪い」のではなく、「AかつBであるから悪い」のである。ここを勘違いしてはならない。問題は、AよりはBの方なのだ。
この点は、技術的な問題になるので、検察や裁判所は論じていない。直感的には理解しているのだろうが、つて技術的・論理的には述べていない。しかし私としては、この点をかつて技術的・論理的に述べた。( → 「Winny の悪とは」)
この件を、本項でもあらためて強調しておこう。(詳しくはリンク先を参照。)
──
さて。問題は、このあとだ。
Winny を利用する人の多くは、「有料のソフトを無料で使える」ということをありがたがっている。しかし、今はありがたがっていても、後で困る。なぜなら、「有料のソフトを無料で使える」ということを通じて、「有料のソフトを消滅させる」という効果が出るからだ。
たとえば、映画のファイルが無償で頒布される。利用した人は「得をした」と思っていられるが、映画制作者の利益は減少する。無償利用者が多くなれば、制作費の回収もできなくなる。となると、将来的には、映画の制作が不可能になる。
このことは、音楽でも、ビジネスソフトでも、その他一般のあらゆる有償情報について成立する。
似た状況は、すでに出てきている。Wikipedia という無料百科事典が出来て、これはこれでとても便利なのだが、一方で、有償の百科事典がまったく売れなくなってしまった。そのせいで、今後はもう二度と有償の百科事典は現れないだろう、といわれる。
これはとても残念なことだ。質の高い百科事典というものはとても有益だからだ。平凡社の世界百科事典であれ、小学館の百科事典であれ、一国の知的水準を高めるためには非常に有効である。しかし、今はこの百科事典を入手することは出来ても、数十年後には同様のものを入手できなくなるだろう。(現状のものは入手できても、それはもはや時代遅れで役立たない。その一方で、新たなものを開発できない。)
かわりに Wikipedia はあるが、これは半専門家でもわかるような平易な時事的なことには強いが、専門性の高い情報には弱い。(けっこう頑張っている、とは言えるが。今一歩足りないんですよね。)
また、百科事典に多くの需要があると、百科事典に多様性が出て、ちょっと変わった面白い百科事典も出てくる。特に有益なのは、「ジャンルジャポニカ」という百科事典だ。これは「読む百科事典」として、非常に有益である。私は若いころ、この百科事典を読んで楽しんだ。「専門家向けではない専門分野の事典」である。数学であれ、物理学であれ、生物(植物・動物)であれ、文学であれ、この百科事典を全部読んでみると、とても面白くて役に立つ。何しろ、精選された、質の高い情報だからだ。……今ではこういう情報を得ることは不可能になってしまった。
──
情報を無償化すると、有償の情報が消えてしまいがちだ。そのことを理解しよう。「タダならばいい」ということにはならないのだ。「金を払わなくても得ることができる」という状況ではなくて、「金を払っても得ることができない」という状況が生じるのだ。
具体的に言おう。朝日の社説は、 Winny を擁護している。しかし、朝日自体が、有料情報の媒体である。とすれば、 Winny が広く普及するにつれて、朝日自身が消滅しかねない。たとえば、次の過程で。
・ Winny が合法化される。
・ 誰もが Winny を搭載するようになる。
・ 朝日の情報を Winny に搭載する悪党が外国に出現する。
・ この悪党は国外犯なので逮捕されない。
・ かくて朝日の情報は無償で読み放題となる。
・ 朝日の読者が激減する。
・ 朝日は倒産する。他の新聞社も倒産する。有料の新聞は消滅。
・ 国営の新聞社が出現して、国家の情報だけを頒布する。
・ 「偉大なる首領様」という情報だけ載せて、国民を洗脳する。
さらには、次のことも考えられる。
・ Winny が合法化される。
・ 誰もが Winny を搭載するようになる。
・ マイクロソフトも、似た MS-Winnies を開発して、Windows に搭載する。
・ 誰もが MS-Winnies を使うようになる。
・ 悪意ある人々が MS-Winnies に、音楽やソフトやゲームなどのコンテンツを提供する。
・ それらのたくさんのコンテンツを集中的に整理・提供するサイトが出現する。
・ そのサイト(guru)の開設者は、広告を掲載して、莫大な広告料を得る。
・ コンテンツを制作する各社は、金が入らなくなり、みんな赤字になる。
・ 各社は赤字で倒産。音楽やソフトやゲームなどの有償コンテンツが消滅する。
・ MS-Winnies には、マイクロソフト製のコンテンツだけは頒布できない仕組みがある。
・ ゆえに、マイクロソフトだけは被害を受けない。
・ ゆえに、マイクロソフトの情報だけが残り、世界の情報を完全に支配できる。
・ こうしてマイクロソフトは、信じられないほどの天文学的な巨額の金を得る。
この場合、ニュースも、音楽も、映画も、ソフトも、マイクロソフト製だけが(有償なので)存在可能である。それ以外のものはすべて無償化されるので、(作っても制作費が回収できずに、赤字倒産するので)存在不可能となる。
こうして、情報の一極集中という、恐ろしい独裁的な社会が出現する。
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よく思い出そう。MS-DOS は、最初、無償で提供された。無償で提供して、他のライバルを蹴落としたあとで、有償にして、バカ高い値段を徴収した。まずは無償化で、MS の一社独占体制を確立する。そのあとで、がっぽりふんだくる。( ── 注。この記述は不正確なので、修正すべきであると考えられます。コメントを参照。)
そして、そういうことに協力するのが、Winny だ。「Winny のおかげで無償化して、うれしい」なんて喜んでいる連中は、「MS-DOSは無償で嬉しい」と喜んでいる阿呆と同じだ。そのうち、魂を骨抜きにされるように、大切なものをなくしてしまうのである。
───
有益なものには、正当な対価を支払うこと。こういう発想が必要だ。その発想なしに、何でもタダで使いたい、と思うような人間は、結果的に、マイクロソフトのような連中に利用されて、魂を骨抜きにされる。
実際、今の社会では、魂を骨抜きにされた連中が多い。たとえ、ゲームのやり放題の子供など。こういうのは、親が「ゲーム機を与えておけば、育児の手間がかからないで、楽だなあ」と思っているから、親の手抜き(一種の無料化のようなもの)のために利用されて、子供が被害に遭っているわけだ。……言うなれば、育児の無償化(金でなく手間の無償化)が、子供の魂を骨抜きにしているのである。
子供を立派に育てるには、子供に手間暇かけて育児をする必要がある。社会の文化を立派に育てるには、社会の文化に正当な対価を支払う必要がある。何でもかんでも「タダならいい」というような発想していると、子供であれ、社会の文化であれ、衰弱してしまうのである。
各人のエゴが、子供や社会を荒廃させる。
( ※ 実は、すでにそういうふうに荒廃しているから、「 Winny はすばらしい」なんて思うようになっているのだろう。)
( ※ この荒廃の一例は、「Winny 禁止はけしからん」という主張そのものに見られる。彼らは、「裁判所は技術開発を禁止した」と誤解している。なぜ勝手にそんな誤解をするのか? 判決文を読んでないからだ。なぜ判決文を読まないか? 判決文は、紙の新聞にはあるが、ネット上の新聞にはないからだ。有料の情報にはまともな情報があるが、無償の情報にはまともな情報がない。かくて、粗雑な情報だけに接して、事実とは逆のことを信じ込む。……有償情報が消えると、こういうふうにデタラメと虚偽ばかりが出回るようになるわけだ。で、最終的には、「偉大なる首領様」と唱えるようになったり、「大統領に反逆するやつはポロニウムで暗殺する」というふうになったりする。……では、なぜ、人々はそういう社会をめざすのか? 目先の「無償」に釣られるからだ。バカなネズミと同じで、目先のチーズに引っかかって、自分の全体を絡め取られる。)
───
ついでにイヤミを一言。
マスコミなどでは良識ぶって Winny 擁護をする連中が多いが、 Winny でファイルを実際に頒布した人はまさしく懲役一年(執行猶予付き)なのだ。これは明白な犯罪である。
この犯罪性を放置しておいて、「 Winny は良い」と主張するなんて、あまりにも片手落ちであろう。どうせなら、この犯罪をどうするべきかについても、言及するべきだ。次のいずれか。
・ こういう犯罪を許容する
・ こういう犯罪を許容しない
前者ならば、筋は通っている。あくまで悪をつらぬく、という方針で、それなりに筋は通っている。(悪人の理屈。犯罪者の理屈。)
後者ならば、筋は通らない。犯罪のために開発された(も同然である)道具を推奨しておいて、それを使って犯罪をしてはいけないなんて、ちゃんちゃらおかしくて、ヘソが茶を沸かす。建前ばかりできれいごとを言って、実態を無視している。馬鹿げた屁理屈。
で、前者も後者も駄目だ。だから、前者も後者も主張しないで、口を閉じている。 Winny の開発者ばかりを擁護して、その利用者の善悪について言及しない。
こういう連中は、はっきり言って、どうかしている。わざと口を閉じているなら「卑怯」だし、言及することを忘れているなら「バカ」である。どっちにしても、どうかしている。言論人たる資格がない。
──
【 注記 】
なお、私は P2P に反対しているのではない。 P2P なら、Winny 以外にもいろいろとソフトはある。それらについて、すべて反対しているのではない。ゆえに、
「 P2P はすばらしいから禁止するべきではない」
というトンチンカンな反論はしないでほしい。
私としては、「 P2P を禁止せよ」とは言っていないのだ。この件は、前述の通り。つまり、別所で詳しく述べている。
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[ 余談1 ]
おまけで一言。
現在のOSは、マイクロソフトの一極集中状態だが、これは非常にまずいことだ。パソコンに要求されるスペックはどんどん増大して、Vista ではメモリが1ギガバイトである。呆れますねえ。1ギガバイトなら、Windows95 ではHDに要求されるスペックである。だったら、Windows95 を入れて、HDなしの軽量携帯パソコン(安価)でも使いたくなるが、そうしようと思っても、今やWindows95は販売停止だから、それもできない。
で、このまま推移すると、Vista の次では4ギガバイトか8ギガバイトのメモリを要求されるだろう。メモリサイズはどんどん大きくなるし、CPU も高速化するが、無駄な画像描画などをするだけで、肝心の作業が便利になるわけではない。無駄に資源を食いつぶしているだけ。(ちょっと誇張気味だが。)
結局、ハードのコストと、ソフトのコストが、どんどん増えるばかり。ユーザーは金をむしられるばかり。昔のソフトを使おうともっても、販売停止で使えない。
こういうふうに社会がどんどん金をむしり取られるようになったのも、最初に「無償のものがいい」と思い込んだからだ。「タダならいい」と思ったはてに、際限なく金をむしり取られるようになっている。
だまされて、食い物にされている。バカなネズミと同じ。
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[ 余談2 ]
なお、 Winny が本当に放置されるべきならば、日本でも銃器の所有を公認するべきであろう。
銃器で殺人をする人がいるとしても、それは銃器を悪用する人が悪いだけであって、銃器そのものには悪質さはない。また、銃器の保有を認めることで、武器技術の向上が見込める。ゆえに、日本でも、銃器の保有を認めるべきだろう。
それで誰が得をするか? もちろん、犯罪者である。犯罪者は武器の利用によって、犯罪活動が容易になる。警官が来たら、警官をぶっ殺せばいい。簡単にはつかまらないから、犯罪が非常に容易になる。また、被害者に発見された場合には、目撃者を殺すためにも、銃器が有効である。
それで誰が損をするか? もちろん、一般国民だ。犯罪者が犯罪を自由にやれることによって、一般国民は損害を被る。とはいえ、「犯罪者の利益が大事で、一般国民の利益なんかどうでもいい」というのが Winny 擁護論者の主張であるのだから、それにしたがって、銃器の利用を認めればいいのだ。
で、銃器を悪用した人だけを逮捕すればいいのであって、銃器の保有そのものを禁止することはない。それでいいはずだ。( Winny 擁護論者の主張によれば。)
当然ながら、ただの拳銃だけでなく、サリンのような毒ガスも、保有を容認するべきだ。ペスト菌や炭疽菌も、同様に保有を容認するべきだ。核爆弾もまた、保有を容認するべきだ。
で、それらを悪用した人がいれば、悪用した人だけを逮捕すればいい。悪用しない限りは、保有を容認するべきだろう。……ただし、悪用の被害者が、あなたではないとは言えないが。
核爆弾やペスト菌ならば、悪用が起こったあとで、人類が生存している保証はない。ついでにもう一つ恐ろしいものに、天然痘がある。
今では天然痘のBCG接種は廃止され、接種した人も効能が切れているから、事実上、免疫をもつ人はほとんどいない。ここで天然痘が現れたら、どうなるか?
「天然痘? なあに、治療法があるから、大丈夫さ」
なんて思っている人が多いだろうが、一人だけの治療なら薬はあっても、何百万人にも対応する薬はない。当然、莫大な死者が出る。
また、たとえ死ななくても、被害は恐ろしい。何か? かさぶたなどが出来て、容貌がメチャクチャに醜くなるのだ。お岩さんみたいなひどい部分が顔中や体中に出来て、人間とは言いないような醜い容貌になる。藤原紀香みたいな美女であっても、天然痘に感染したら、もはや二度と見られないような顔になる。もちろん、あなただって、そうだ。げげげ。
で、そういう恐ろしい病原体(ウィルス)を、「悪用しない限りは保有は自由だ」なんていうことにしたら、どうなるか? 必ず悪用または誤用する人が出て、そのせいで、地上は地獄となる。
天然痘は「悪魔の病気」とも言われる。こういう危険なものの保有を禁止するのは、当り前のことだ。なのに、そのことを理解しない馬鹿者どもが、「悪用しない限りは保有・利用は自由」などとほざいている。
今の人類は、脳に Winny 菌が感染しているのである。このままだと、人類の生存が脅かされるかもしれない。
これを見て、神様が判断した。「このままだと宇宙全体に、 Winny というスパムが蔓延しそうだ。だから、人類をクリックしてから、削除キーを押そう。これで宇宙は救われる。」
2006年12月14日
過去ログ
あと事実と異なる部分があります。判決ではWinnyの匿名性についてその技術的観点からP2Pの枠組みの中で取り上げられています。この裁判においてP2Pと匿名性は別件ではありません。Winny自体の犯罪性について検察が主張し、却下されました。
ところで、あまり関係ないのですが、MS-DOSが無料で配布されたなんて話ありましたっけ?ググってもソースが出ないのですが。
もしあったとしても合法的な手段ですからなんら批判される要素がありません。もしそれが悪だというのならば、GNUやFSFはテロ集団か何かだとでもいうんでしょうか。
それを見て、何か書くかもしれないし、書かないかもしれない。
ここで論争するつもりはありません。私としては、勝手に個人的な意見を表明しているだけです。私は検察でも裁判所でもありません。それを読んで共感してもいいし、反発してもい。
私の意図は、単に「多様な意見の一つを開示すること」であり、それを他人に押しつけることではありません。もちろん、無視してくださっても構いません。
他の人の情報やニュースをざっと漁ってみた。
ほとんどの見解は、メチャクチャな論理であって、それだと、「サリンだって配布していい」という理屈になる。本人はそのデタラメ論理に気づいていないのだろう。で、その点を、本項では指摘したわけだ。
──
一方、なかなか有益な見解もあった。CNET の情報。
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20338740,00.htm
これは裁判所の主張の矛盾をついている。なかなか共感できる内容だ。私としても、特に不服はない。
ついでに言っておくと、私は今回の裁判所の判決については、肯定しているのではなく、否定している。「判決は軽すぎるので駄目」というのが、私の見解だ。詳しくは、本文を参照。
MS-DOSについて。──
初期のMS-DOSは、マシンにハード的に組み込まれていました。だから別途買わなくても、タダでついていたように思えたんですが、よく考えると、マシンと込みで買っていたことになりますね。間抜けでした。
そこで、本文は修正すべき旨を記述して訂正しました。
この事情は、Wikipedia のMS-DOSの項にも、いくらか説明があります。
こういう当てはまっているのかどうかすら主観にまかされるたとえ話から始まる理論はほとんど信用に足らないと思えるようになりました。やさしく読み解く振りをした詐欺みたいなもんですよね
比喩は理解を助けるために用いるべきものであって
比喩で評価をしたらいけまへん。
トンデモな比喩をしたらトンデモな評価になる,
これあたりまえ。
毒を以て毒を制す。つまり、世論が一つの毒に洗脳されているときに、別の毒で洗脳を解除するのが、私の狙いです。
別の毒だけを飲んでも無意味だ、というのは、その通り。
でもまあ、たいていの人は、「多数派の与えてくれる毒だけ飲んで洗脳されている方がいい」と思うものですが。
リンク
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20061222k0000m010142000c.html
一部の人が無料でソフトやデータを手に入れて得したと思ったら税金投入で国民が連帯責任を取らせてます。
Winnyって怖いです。
(ぶっちゃけ、他の記事はあんまり……(^_^;))
> 「P2P も有益だし、匿名性も有益だが、両者の組み合わせは駄目」
> ファイルを管理する能力をなくした Winny=「壊れたサーバー」
> 独裁国という国は、歪んでいる。歪んだ状況には、歪んだソフトが有効だ。しかし、歪んでいない国で、歪んだソフトを使うと、社会が歪んでしまうのである。
1行目と2行目はセットにして、『P2P+匿名性+管理機能“無し”=危険』と書いた方が正確でしょうね。
当時は南堂さんの意見を、すんなり"実感"できてませんでした。("理解"できてなかった訳ではありません)
(まあ細かな間違い(←今でも確実に間違いと断言できる内容)が南堂さんの意見に大量にあって、つい反発してしまったのもありますが)
今となっては恥ずかしい限りです。
高木さんの言うWinnyネットワークの危険性、そして南堂さんの意見がどのような意味を持つかを、8ヶ月かかってようやく"実感"できるレベルになれました。
(これは『Winnyネットワークを利用した反社会行為』を、構想中のあるシナリオでかなりリアルに表現できてしまった為です)
ということで
> [ 余談2 ]
は今の私には、普通に同意できます。
しかし全ての人が同意できないのは、「Winny=銃器」の例えを実感できないからなんでしょうね。
害を成せる事は理解出来るけども、害と益のバランスが実感できないといった感じで。
(といってもこの手の比喩は、混乱の原因になりがちですけど……)
それはそうとWinny裁判についてですが。
別に金子さんを有罪に(というか服役させたり金もらったり)しても、社会的メリットはあまり無いと思います。
(結果を不服に思った他者に、第2、第3のWinny作られても困りますしね)
それよりも既存のWinnyネットワークを消滅させる方が、社会的に有益です。
「既存リリース分のWinny配布禁止と、Winnyネットワークの撲滅に協力」を裁判所が命令するだけでいいかと思います。
これは「作者自身による否定」という意味を持ちますしね。(P2Pソフトの開発をしたければ、Winnyを捨てて新しく改善されたものをリリースすればいいですし)
有罪判決はWinny等での著作権侵害を(建前上勧めてないような逃げ口上で)明らかに勧めている各雑誌社にこそ必要でしょう。
こちらは確実にWinnyネットワークの構築の手助けをしていますし、著作権侵害"幇助"と立証しやすいですから。
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二極化経済はとんとんになる