2006年10月28日

◆ インフラトン

 雑誌ニュートンに「インフレーション宇宙」の理論というものが紹介されている。そこでは、ビッグバン以前の「宇宙のインフレーション期」に、「インフラトン」と呼ばれる謎の粒子があったとされる。
 インフラトンとは何か? もちろん、謎だとされているのだから、現代物理学でははっきりとしない。(仮説はいくつかあるが。)
 ただし、超球理論を使えば、インフラトンの正体は判明する。

 ※ [ 語源 ] infraton < infration

 ──

 まず、「インフレーション宇宙」の理論というものを紹介すると、次の図の通り。

  \             /
    \           /      ビッグバン
     \      

       \   /
        \/     インフレーション


 解説しよう。
 最初(図の下の方)では、インフレーション期があった。この時期に、点のような狭い状況から、急激に空間がひろがった。それはごく瞬間的な短い時間のことであった。
 その瞬間的な短い期間を過ぎたあとで、物質が発生した。物質が発生すると、火の玉状態となり、ビッグバンが起こった。このまま、火の玉が急激に膨張して、宇宙ができていった。
 問題は、ビッグバン以前である。この時期(インフレーション期)には、物質はまだできていなかった。かわりに、インフラトンと呼ばれるものがあった。ただし、インフラトンが何かは、よくわかっていない。

ほぼ同村旨の内容は、次のサイトがわかりやすい。
http://spaceinfo.jaxa.jp/note/kagaku/j/kag03_j.html

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 本項は、インフラトンの話。
 ただし、その前に、インフレーション宇宙という説について解説しておこう。

 なぜインフレーション宇宙という説が出たか? それは、宇宙の背景輻射が均一だ、ということだ。
 仮に、ビッグバンが一点で爆発したとしたら、宇宙の背景輻射が均一であるはずがなく、あちこちでバラバラの値になっているはずだ。現実には、宇宙の背景輻射が均一である。それを説明するには、宇宙の全領域はいっぺんに均一な状態で発生した、と考えるといい。
 それを説明するのが、インフレーション理論という説だ。この説では、上記のように  型の図が描ける。宇宙の発生は、最初の一点であるが、物質の発生は、途中の という水平線の時点だ。
 要するに、宇宙の発生のあと、物質の発生までには、しばらくの時間がかかった。それまでの間は、物質のない状態だった。……そういうことを、インフレーション理論という説は示す。
 そして、物質のない状態というのを意味するのが、インフラトンである。

 なお、物質がないというのは、何もないという意味ではなくて、エネルギーがある。そのエネルギーは、真空に含まれている。(「偽の真空」と呼ばれることもあるが。)
 従来の物理学では、真空というのは何もない状態のことなので、エネルギーの満ちた真空というのは理解しがたいので、「偽の真空」というふうに呼ばれる。しかし、超球理論では、真空というのはもともと超球(= インフラトン)に満ちた状態のことなので、「偽の真空」という用語は必要なく、単に「真空」と呼べばよい。

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 さて。宇宙のインフレーション理論のポイントは何か? それは、
 「インフラトンというわけのわからないものを根源に据えて、変な仮説を構築している」
 という点ではない。
 「ビッグバンが起こる以前には、物質ではない何ものかがあった。最初から物質があったのではなくて、物質ではない何ものかのあった時期があった」
 ということだ。
 
 比喩的に言うと、赤ん坊がいきなり出現したのではなくて、その前に「赤ん坊でないもの」(胎児)というものがあった、ということだ。これは、まだ人間にはなっていなくて、精子と卵子の結合した状態から、徐々に形成されていったものである。ともかく、「人間以前のもの」である時期があった、ということが重要だ。
 宇宙のインフレーション理論は、そういうことを示す。

 ──

 宇宙のインフレーション理論は、それ自体では問題ない。ただし、ただし、「インフラトン」というものが何であるのかわかっていないのが、つらいところだ。これが現代物理学(宇宙論)の課題となる。

 まず、インフラトンの性質としては、宇宙のインフレーション理論から、次のことがわかる。
  ・ インフラトンは、物質ではない。(素粒子ではない。)
  ・ インフラトンは、いくらでも増えることが可能だ。

 後者の点は、注意が必要だ。
 たとえば、陽子や電子などの素粒子は、いくらでも増えるということはない。無から有が生じることはない。
 しかし、磁気双極子ならば、途中で半分に切ると、新たに二つの磁気双極子ができる。

        NNSS
         ↓
       NS NS

 ここでは、一つの磁石が二つに増える。こういうふうにして、磁石が増殖できる。インフラトンもまた同様に、いくらでも増えていくことができる、と見なせる。
 もう少しうまい比喩でいうと、真空から電子と陽電子が生じる。ここでは、0から 1 および -1 という二つのものが誕生する。こういうふうに、インフラトンはどんどん増えることができる。
 
 ──

 では、インフラトンとは、何か? 
 現代物理学でははっきりしない。だが、超球理論を使えば、インフラトンの正体は判明する。インフラトンとは、ただの超球なのだ。もう少し正確に言えば、回転する超球である。さらに正確に言えば、複素数次元で回転する超球である。
 一方、物質とは、複素数次元で静止している超球である。

 超球理論では、量子の移動は次のようになる。

   粒子   →   波   →   粒子


 ここで、次のように言える。
 粒子 = 静止した超球
  波  = 回転する超球

 回転する超球は、インフラトンに相当する。つまり、インフラトンとは、回転する超球であって、普通の世界に存在するものなのである。(普通は「真空」と呼ばれるもののこと。ただし、微小な粒子[= 超球]である。)

 結局、インフラトンというのは、謎でも何でもなく、ごく当たり前のものなのだ。ただし、インフラトンは、(真空と同様で)観測されないので、ちょっと理解しにくいのである。

(回転する超球は、観測されることはない。観測されるのは常に物質である粒子のみである。なぜ観測されないかというと、実数の次元にはなくて、複素数の次元にあるからだ。)

 以上のことが、超球理論からわかる。

 (参考)
 超球理論
http://openblog.meblog.biz/article/7425.html
http://www004.upp.so-net.ne.jp/nando/physics2/wabun.htm

 ビッグバン以前
http://openblog.meblog.biz/article/24630.html

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  【 結論 】

 で、結局、何が言いたいか? こうだ。
 「超球というのは、従来の量子論にはない概念なので、一見、奇妙で不思議なものに思えるかもしれない。しかし、超球というのは、実質的にはインフラトンとほぼ同一なのである。その意味で、超球という概念は、特に不思議ではない」
 (インフラトンという既知の概念を援用することで、超球という概念の正当性を裏付けできる。)


 なお、もう少し正確に言うと、次のようになる。

   超球 = 素粒子 + インフラトン

 現代物理学では、素粒子とインフラトンとは別個のものとして理解される。しかし超球理論では、素粒子とインフラトンはどちらも超球である。どちらも「超球」という広い概念で理解されるのだ。

 ──

 念のため、少し補足しておこう。
 「素粒子とインフラトンはどちらも超球である」
 と述べたが、正確には、「静止した超球/回転する超球」という差がある。つまり、こうなる。

 静止した超球 = 素粒子
 回転する超球 = インフラトン


 なお、先には、こうも述べた。

 粒子 = 静止した超球
  波  = 回転する超球


 だから、以上のことから、こう結論できる。
 「素粒子は粒子と見なされるが、インフラトンは波と見なされる」
 おおまかには、こう理解してよい。(細かく言うと、ちょっと違いがあるのだが、おおまかには、こう理解して差し支えない。)


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 [ 付記 ]

 本項の話のミソは、何か? 
 「重ね合わせ」というような従来の発想を取る限り、この世界の真実を見ることはできないし、したがって、「インフラトンとは何か」を理解することもできない、ということだ。

 従来の発想に従って、「重ね合わせ」という概念を墨守していると、矛盾に突き当たる。そのことは、「シュレーディンガーの猫」の話で指摘したとおり。
 → http://hp.vector.co.jp/authors/VA011700/physics/catwjs.htm
posted by 管理人 at 21:28| Comment(4) | 物理・天文 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
このページはいったん誤って削除したあとで復活させました。
元のページとは URL が異なっています。
Posted by 管理人 at 2006年10月29日 11:36
「宇宙を織りなすもの」を読んでいて
インフラトンを検索したらたどり着いた。
Posted by ふくろう at 2009年06月17日 20:30
すばらしい、インフレーションの意味が分かりました。ありがとうございます。
Posted by Shimizu at 2010年07月02日 17:17
nandoさんの記述する「超球理論」は、
物凄く、わかりやすいです。

量子力学、相対性理論について、
色々な疑問を解決できる理論です。

超球理論を読んだ後で、他の人の理論を
読むと、如何に、回りくどい説明をしている
かがわかります。もっと言うと、式ばかりで、
何を言いたいのかがわからない。

この「超球理論」が、広く、浸透する事を
望みます。
Posted by なべっち at 2018年12月21日 06:24
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