2006年09月20日

◆ スリムケース


 先に「BTOパソコン」の項目では、「私はミニタワーがいい」と述べた。一方、「スリムケースもいいな」と思う人もいるだろう。しかし、スリムケースには「熱」という問題がある。 ──

 この問題はどこから来たかというと、初めは次の疑問があった。
 「 Dell のパソコンはどうして壊れやすいのか? いくら低コストとはいえ、調達先は多様だから、別に粗悪品ばかりを使っているということもないはずだが、なぜ、壊れやすいのか?」
 その理由として思いついたのが、
 「 Dell のパソコンはスリムケースが多い」
 ということだ。で、スリムケースだと故障が多いのは、発熱のせいだろう、と想定したわけだ。

 一方、富士通やNECでも、スリムケースのパソコンは多い。ただしこちらは、個人向けのAV用パソコンとして使われることが多く、自宅でちょっと使うぐらいだ。一方、Dell のパソコンは、企業向けのクライアントパソコンが多いので、業務用に連続長時間使用が多い。こうなると、使用時間が多くなって、故障の頻度も高くなって当然だろう。

 以上は、推定だ。で、「スリムケース 熱」で検索したら、案の定、「スリムケースは熱の問題がある。熱がこもりやすい。HDが壊れやすい」という記述がたくさん見つかった。
 特に近年はひどいらしい。Celeron D や Pentium 4 だと発熱のせいで、スリムケースではまともに駆動しない、ということがしばしばあるらしい。(報告は複数。)

 ま、駆動しないかどうかはともかく、HDが壊れやすいことは確かだろう。「 Dell のパソコンは故障しやすい」というのは、「 Dell のパソコン(スリムケース)は熱がこもりやすいので、長時間駆動でHDが壊れやすい」というふうに理解すると、納得できる。
 つまり、部品のせいじゃなくて、ケースのせいであるわけだ。

 また、スリムケースだと、熱がこもりやすいことから、ファンがうるさい、という問題もあるようだ。ま、当り前ですね。

 なお、スリムケースがすべて駄目だということはなく、昔のセレロン 566MHz ぐらいだと、排熱も非常に少ないので、特に問題はないようだ。

 ──

 で、何が言いたいか? 結論は、こうだ。
 「スリムケースは省スペースで便利だということだが、熱がこもるせいで故障しやすいという難点をかかえる。その難点をわきまえるべし。故障を覚悟してまでスリムケースを採用するメリットはないだろう」

 ただし、どうしてもスリムケースにせざるを得ない場合もある。その場合には、こうだ。
 「上記の難点を避けるには、金で問題を解決できる。つまり、2万円ぐらい余計に金を払って、モバイルパソコン用の低発熱のCPUを使えばいい。この場合、電気代は(フル稼働の場合で)総額1万円ぐらいは浮くから、まるまる2万円高くなるわけでもない。静音化というメリットもある。」

 具体的な例は、下記。
 → 低発熱スリムケースパソコン(パソコン工房)

 ※ この商品をお勧めしているわけではありません。
   ちょっと面白い話があるので、リンクを示しただけです。

 ※ 私のお勧めは? やはり、ミニタワーですね。熱の問題もあるが、
   内蔵HDを2台使えるところが決定的。
posted by 管理人 at 23:53 | Comment(3) | コンピュータ_01 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これはまさにその通りですね。
我が家では、スリム型とマイクロタワー型の2台のパソコンを並べて使っています。
どちらのCPUもカタログ上の消費電力量は同じ。
取り付けてあるCPUクーラーも、同じ型です。

M/Bのおまけのユーティリティソフトで温度を表示させると、
CPUの温度では、
マイクロタワーの方は、どう酷使しても、50度を越える事はまれなのに比べ、
スリムケースの方は、数分の連続稼動で60度を越えてしまいます。
このCPU、最高動作温度が69度と書いてあるので、もうほとんど余裕がありません。
ケース内の温度も、
マイクロタワーは今の季節、ほぼ30度前後なのに比べ、
スリムケース内の温度は、同じ条件でも40〜42度。
マザーボードが違うので、センサーの位置など、厳密に同じ条件下での測定ではありませんが、だいたい10度強、スリムケースの方が熱くなっています。

温度を下げたくても、スリムケースでは大口径のファンが使えず、HDDクーラーなどをつける隙間すらなく、お手上げの状態です。
Posted by 兼業主夫 at 2006年09月21日 20:14
企業やプロバイダが使用しているサーバは、ブレード型といって、それこそ厚みが45mm程度しかない、放熱最悪の代物ですが、
スペース効率を考えると、だいぶ高い部品を使用してでも、何十台とラックに縦に積み上げられるスペースメリットが最重要なので
常識で考えたら通風は絶望的なのではないかという形状でも力業でなんとかしちゃってますね。
ラックの前は騒音というより轟音ですが。。
壊れたら引き出しみたいに抜いて差し替えちゃうと言う使い捨て感覚も、信頼性重視ならではということで、家庭用で使用する用途とは対極にあるかも知れません。

放熱のためといって蓋を開けているマニアな人も多いですが、蓋を閉めないと風がきちんとながれないし、何よりCPUが盛大に出す電磁波で体がだるくなりますから、
家庭用で長く使うなら大きい箱できちんと蓋閉めて使った方がマシンにも人にもよさそうです。
Posted by むらっきー at 2006年09月21日 20:28
ケース内温度の上昇はHDDだけではなく、
マザーボードに乗っている電源ラインの
平滑用電解コンデンサも死にやすくなります
で、大抵CPUの真横にコンデンサがあるわけで
突然マシンが落ちたり、フリーズしたりして
マシンが不調だなと思っていると
CPUがお焦げになることも有ります
Posted by ふーちゃん at 2006年10月03日 11:50
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