前項では「ITバカ」の例を述べたが、それとは対極的な「IT利口」を示そう。
まず、「法律バカ」というのがある。「飲酒運転をしたら厳罰にすればいい」という主張だ。たとえば、読売新聞・社説。( → 該当サイト ) ──
しかし、こういう「厳罰を」という方針では、無効だ。なぜなら、「飲酒運転で事故を起こしたら、さっさと逃げる」という轢き逃げが増えるだけだからだ。
実際、社説も、そのことがわかっている。わかっていて、「さらに厳罰を」というふうに述べるだけだ。知恵がない。
根源的に考えよう。そもそも、飲酒運転が多いのは、なぜか? 罪が軽いからか? 違う。「やってもどうせバレっこない」と思っているからだ。これが根源である。
とすれば、「厳罰を」という方針は無効である。(バレなければ、厳罰なんか関係ない。)
では、どうするべきか? 根本対策は、こうだ。
「飲酒運転をしたら、ほぼ必ずバレるようにする」
これが決定的かつ本質的な方法である。そこで、そのために、IT機器を利用すればいい。これが「IT利口」の方法だ。
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では、どうするべきか?
まず、現状では、こうだ。
「道路で飲酒運転の取り締まりをする」
これだと、発見率は1%ぐらいか? ほとんど無効である。税金の無駄遣いと言ってもいい。大多数の人は、酒を飲んでもいないのに、いちいちチェックさせられるので、いい迷惑である。
ここには、問題がある。
「飲酒運転をしていない人が、いちいちチェックさせられる」
こんな検問は、増えれば増えるほど、迷惑だ。やめてもらいたいですね。社会の害悪。警察による犯罪みたいなものである。いくら立派な名分があっても、他人に迷惑をかけるのは、いけないことだ。
では、なすべきことは? こうだ。
「飲酒運転をしていない人は摘発されず、飲酒運転をした人だけが摘発される」
では、どうすればいいか? 罠をかければいいのだ。つまり、こうだ。
「酒を出す飲食店の出口で、そこを出た自動車の車種・色を、報告者がチェックする。その情報を、百メートル先で待ちかまえている検問に連絡する」
報告者 受信者
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飲食店
一般の道路でチェックしたって、飲酒運転者は見つからない。効率が悪い。それより、飲食店の出口でチェックする。その先で、バッチリつかまえる。この方が、ずっと効率が高い。
罠ですね。頭いい!
民衆には「ずるい」と言われそうだが、ずるくなんかないですよ。善良な人は、ちっとも被害を受けない。違法捜査でもない。
なお、「酒を飲んでいない」と判明した運転手には、「ご迷惑料」として、缶飲料(コーヒーや茶など)を一つ差し上げるといいでしょう。その一方で、飲酒運転をした人からは、罰金を百万円ぐらい召し上げる。その金で、缶飲料を買えばよい。
「懲役20年の厳罰」なんて、私はお勧めしませんね。そんなことをやっても、死んだ人が生き返るわけではないし、刑務所の維持費がかかるだけだ。せいぜい、「恨み」を晴らせるぐらいで、ちっとも建設的でない。
それよりは、高額の罰金を召し上げて、その金で、検問の費用をまかなえばいい。その方がずっといいですね。
私? もちろん、缶飲料をもらう方がいいです。 (^^);
さて。
これがどうして「IT利口」か? 報告者と検問との間を、無線機で連絡するからです。ケータイで十分でしょう。ちっともハイテクなんか使っていない。そこがいいですね。味がある。 (^^)
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なお、この方法を取った場合、違反者に対し、飲酒運転(事故なし)の刑罰が厳罰主義でとても高ければ、民衆の反乱が起こるだろう。その意味で、ただの飲酒運転には、ひどい厳罰はふさわしくない。
私としては、懲役や禁固なんかにしないで、「罰金百万円」ぐらいにするのが適正だと思う。その金を払えない人には、自動車の没収と免停十年間にする。免停でも運転したら、その時点で懲役刑にすればいい。
ともあれ、厳罰主義を避けるためにも、摘発率を大幅に向上させるべきなのだ。「厳罰主義よりも、摘発率の向上を」というのが、私の主張である。これが賢明なやり方。
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【 追記1 】
検挙率を大幅に上げる方法がある。
いちいちポリ袋に呼気を吐かせて、それを機械でチェックしていたら、どうしたって、けっこう時間を食う。時間を食えば、調査対象の数が減る。すると、摘発される人の数も減る。かくて、ほとんどの人は見逃される。運の悪い人が摘発されるだけだ。
検挙率を大幅に上げるには、調査対象の数を大幅に増やす必要がある。そのためには、一人あたりのチェック時間を、5秒程度に減らせばいい。では、どうやって? 方法は、二つある。
(1) ハイテク機器
口元に検査機を置いて、あっという間に検査できる、というふうなハイテク機器を開発すること。ただし、大量に配置すると、莫大なコストがかかる。現実にはまず無理でしょう。
(2) 人間の鼻
人間の鼻で、運転手の呼気の臭いを嗅ぐ。「怪しいな」となったら、正式に検査する。怪しくなかったら、さっさとパスさせて、次の人をチェックする。
この二通りのうち、(2) がお勧め。これはローテクですね。いや、テクノロジーはゼロかな。 (^^);
望むらくは、このチェックをする人が、若い婦警さんであること。これなら運転手もいやがらずに協力します。もしかして、ムラムラ、としてキスする人も出るかもしれない。それでも大丈夫。相手は婦警さんですから、「現行犯で逮捕」となります。すぐにムラムラするような人は、さっさと逮捕された方がいい。 (ついでにおまえもだろ、とは言わないでください。 (^^); )
ま、鼻というのは、ばてやすいので、すぐに感度が低くなるかもしれないが、ま、酒をいっぱい飲んだあとなら、簡単にバレバレでしょう。私の勧告は、「婦警さんにちゃんと特殊手当を払って上げましょう」とうことだけ。さもないと、婦警さんのなり手がいなくなります。 (^^);
[ 補足 ]
上記の (1) の「ハイテク機器」(アルコール呼気検出器)というのは、実は、かなり安価であるようだ。ドライバー用にロック機器をつける、というシステムがかなり開発されているので、大量生産もされかかっている。で、このうちの検出器だけなら、1万円程度でできる。
この検出器を警官がもって、ドライバーに「ぷっと一息してください」と言えば、それで済む。赤ランプか青ランプがついて、それでおしまい。赤ランプなら正確な数値も出る。で、そのあとは、別の精密な検査機で再検査して、逮捕する。
ともあれ、1万円で検出できるから、たいしてコストはかからないようだ。ロック装置なんかなくてもいいから、検出器だけ使えば済むわけだ。
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【 追記2 】
実は、飲酒運転そのものをなくすには、「事後摘発」よりも「事前防止」の方がはるかに有効だ。で、そのためには、ハイテク機器なんかまったく必要ない。次のようにすればいい。
「料理店では、誰が運転手であるかを、はっきり明示する」
たとえば、運転手は誰であるかを自主申告させて、記帳に署名させて、「運転手シート」というものを渡す。このシートを、料理店の自分の席のテーブルに置く。このシートは目立つ色なので、誰が運転手であるかは一目瞭然。当然、そこには酒を出さない。
事故があった場合には、どこで飲んでいたかを調べて、店の記帳を見る。そこで署名がなければ、「事前に飲酒運転を意図していた」と見なして、悪質犯と見なし、厳罰とする。署名があれば、当然、シートを使ったはずだから、シートのある客に酒を出した店の責任となる。店を営業停止処分にする。
ともあれ、「酒を飲んで事故を起こしたら厳罰にする」というより、「酒を飲ませない工夫」をすることが大事だ。
その意味では、「アルコール検出器」というのは、事後対策なので、本質的ではない。一種の「恐怖政策」であるが、あまり賢明ではない。
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ついでに言えば、ライブドア事件でも、「経理で違反した奴を厳罰に処すれば経理の違反がなくなる」という発想(厳罰主義)は、賢明ではないですね。
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【 追記3 】
アルコールを含んだ呼気を検出する装置がある。これを義務づけようという動きもある。
→ 読売新聞
しかし、これには、次の難点がある。
(1) シラフのときにも、毎度毎度、呼気を吹きつけなくてならないので、不便。
(2) 酒をまったく飲まない人にまで、無用な検査を強いる馬鹿らしさ。
(3) 同じ部分を何度も口にくわえるので不衛生。
(4) 他人が使ったら、間接キスなので、気持ち悪い。
(5) 簡単に装置をあざむける。
最後の点が最も重要だ。機械をあざむくなんて、人間には簡単にできる。たとえば、こうする。
「装置のチューブ部分(呼気を吹き込むために、口でくわえる部分)に、ポリ袋をかぶせる。空気を入れたポリ袋を、手で押さえつけると、空気がチューブに入るので、呼気を入れたのと同じになる。この空気は、アルコールがゼロなので、簡単に機械はあざむかれる」

С= ポリ袋で吹き込む
あとで検問に引っかかったら? 大丈夫、機械のせいにすればいい。
「機械がOKだと言ったんですよ。だから運転したんです。ホントですよ。実際にこの自動車は動いているじゃないですか。それは機械がOKだと言った証拠です。ゆえに私は無罪です。機械が故障していたのが悪いのであって、私が悪いんじゃありません」
平気でしらばっくれる。ポリ袋を使って機械をだましたのだ、とは告げない。だいたい、だまされた機械が悪い。
(警察が、ポリ袋ならぬポリグラフ[=嘘発見器]を使えばバレるかもしれないが、ポリグラフは使用を拒否できるので、拒否すればいい。)