朝日新聞が文字のフォントを変更した。横線を太くした。横線のドット数を、これまでの2ドットから3ドットに変更した。(文字面は 64x64 ドットぐらい。)
狙いは、「高齢化時代に即して、文字をくっきりと見せるため」である。
その結果は? 「狙いとは逆に悪くなった」と言えるだろう。 ──
具体的に示そう。
(1) 画数の少ない文字
画数の少ない文字(ひらがなの「し」など)は、線が太くなった分、見やすくなった。
(2) 画数の多い文字
画数の少ない文字(漢字の「襲」や「量」など)は、文字が黒っぽくつぶれて、見にくくなった。
なぜかというと、線は太くなったのだが、線と線の間の空白(白い部分)がつぶれてしまったからだ。

(図をクリックして拡大)
拡大した文字だと、特に読みにくいとも思えないだろうが、これが3ミリ角ぐらいの小さい文字になると、太い線の文字は字画がつぶれて見えてしまう。(インクのにじみもあるので。)
評価。
もともと見やすい文字(「し」)は、たしかにいっそう見やすくなった。しかし、もともと見やすいのだから、さらに見やすくする必要はなかった。
もともと見にくい文字(「襲」「量」)は、ますます見にくくなった。
全体をまとめれば、こうなる。
「見やすくしなくてもいい文字ばかりを見やすくして、見やすくしてほしい文字はかえって見にくくなってしまった。本末転倒」
要するに、元のままの方がよかったのだ。今回の変更は、改悪である。
ちなみに、新聞全体を眺めて、従来の朝日や、現状の読売と比べるといい。すると朝日は、画数の多い文字において、明らかに見にくい。文字の画数が多い漢字で、文字の判読がしにくい。
つまりは、「文字がまともに読めない新聞」に近づいてしまった。
こうなると、中身がどうのこうの、という以前の問題である。文字が読みにくいのだから、どうしようもない。特に、暗いところに立ったりして、照明が暗くなると、とたんに読みにくくなる。
ゆえに、私はみなさんに、はっきりと断言する。
「朝日新聞か、他の新聞か、どちらか迷ったら、答えは簡単だ。朝日を捨てた方がいい。なぜなら朝日は、内容以前に、活字が最悪であるからだ。こんな新聞を読むと、目を悪くするだろう。視力の低下をもたらす、健康に有害な新聞である。毒入り新聞とも言える。こんな新聞は、さっさと捨てるのが賢明だ」
朝日を読み続けると、老人の場合、白内障その他の眼病になりやすい。高齢の人は、朝日を契約しているなら、さっさと解約して、他の新聞に乗り換えた方がいい。読売でもいいし、毎日でもいい。とにかく、朝日だけは、やめた方がいい。
ただし、である。この問題は、フォントだけに起因する問題だ。したがって、朝日がフォントを旧来のフォントに戻したならば、「朝日をやめた方がいい」という言葉は撤回される。
ともあれ現状では、ひどいフォントであるから、朝日新聞を読むのはなるべくやめた方がいいだろう。じっくり読むのもやめた方がいい。なるべく、漫画だけにするといい。それ以外の情報は、タイトルだけにして、本文は読まない方がいい。
そんなことなら、ネットでニュースを見た方がマシ? そうですね。
ま、どっちみち、朝日を読むのは、9月11日以降は、やめた方がいいだろう。
9月11日は、朝日に文字テロが行なわれて、朝日の金字塔が崩壊した記念日である。
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【 追記 】
実を言うと、ベストの方法がある。こうだ。
「文字面の解像度を、64ドットから 56ドットに変更する」
この場合、(文字全体の大きさが変わらなければ)線の太さは 64/56 = 8/7 に変更される。14%のアップだ。この程度にすると、一番好ましい太さになる。
一方、線を2ドットから3ドットに増やすと、一挙に 50%のアップだ。これでは太くなりすぎる。
文字の字画の線には、最適の太さがある。それは、コンピュータでは、56ドットの解像度で実現される太さだ。
実は、朝日はもともと、56ドットでシステムを設計していた。その後、「文字を大きくする」という方針にして、ドット数を 56ドットから 64ドットに変更した。このとき、「ドットの粒を大きくする」という方針を取るかわりに、「ドットの数を増やす」という方針を取った。そのせいで、文字が細くなって、見にくくなってしまった。
そこで今回、文字を太くするために、「線のドット数を2から3にする」という変更をした。しかしそれでは、太くなりすぎるのだ。
しょせん、64ドットでは、どんな線にしても、「帯に短し襷に流し」となる。最適の線の太さを選るには、64ドットのシステムでは駄目で、56ドットのシステムを取るしかない。(ドットの粒を大きくするしかない。)
朝日は、根本的な対策を取らず、表面的なつじつま合わせのようなことをしたので、かえって状況が悪化してしまったのだ。