2006年08月28日

◆ 近接惑星

 恒星のすぐそばを改定する巨大ガス惑星というものが観測されている。恒星のすぐそばにあるので過熱していると推定される。これらのものは「ホット・ジュピター」と呼ばれる。それはいかにして形成されたのか? 

   ※ 最後の  【 後日記 】 が重要です。

 ──
 
 ※ 本項の前半は読む必要がありません。

     
     そもそも、ティティウス・ボーデの法則というものがある。私としてはこれを正しいものと見なす。
     ところが、ホット・ジュピターは、この法則に反する。そこで、「ティティウス・ボーデの法則はただの偶然にすぎない」という見解が、天文学の主流である。( → 上記サイト)
     しかし、数学的に確率を考えるなら、こんな偶然が起こる確率は、皆無に等しい。とうてい受け入れられない解釈だ。では、どうすればいいか? 私は、次のように考える。
     「ティティウス・ボーデの法則は、偶然ではなく、正しい。それは太陽系が渦からできた、という説と表裏一体である。一方、ホット・ジュピターがある、ということは、ホット・ジュピターが渦からできたものではない(普通の惑星とは少し違う)、ということを意味する」

     上記の解釈は、次のようにまとめられる。
     「ホット・ジュピターは、もともとは惑星系の外側にあったのだが、何らかの理由で、軌道を外れた。そのせいで、重力で落下して、恒星のそばに落ちた」
     こういう説はすでにある。ただし、「そんなに簡単に惑星が落下するはずがない」という反論がある。( → ホット・ジュピター

     そこで、私の説を示そう。
     まず、ホット・ジュピターという用語のかわりに、近接惑星という用語を使おう。(特に木星型のガス星に限らず、惑星一般に拡張するため。)
     さて。近接惑星が落下した、というところまでは、既存の説で足りる。問題は、「そんなに簡単に惑星が落下するはずがない」という反論だ。これを打ち崩すように説明すればいい。それには、次の説明を示す。

     「一つの惑星が軌道上から、惑星系の中心に落ちるのには、軌道の変更のために、莫大なエネルギーを必要とする。そんなことはありえない。しかしながら、惑星が、一つの惑星からなるのではなくて、二つの惑星(または一つの惑星と一つの月)からなるのであれば、事情は別だ。二つの惑星があって、両者の重心を変えないまま、一方が中心に落ちて、他方が中心から遠ざかる、ということは可能だ。そのためには、両者の結びつきを切り離すために、何らかの衝撃が加えられればいい。その衝撃は、比較的小さくて済む」

     (前)           ↑↓    (  が時計回りに回転中)
         恒星        二重惑星

     (後)         ←     →   ( 二つの  が逆方向へ)

     今、巨大惑星と巨大衛星があったとしよう。この二つは二重惑星として、共通重心のまわりを回転している。ここで、両者を切り離す方向に、衝撃(ジャイアント・インパクト)が加わったとする。すると、回転量が増えて、かつ、両者の距離が離れる。すると、それまでの結びつきが切り離されて、両者はどんどん遠ざかっていく。
     そのとき、一方は恒星に向かって落下していき、他方は恒星から離れる方向に遠ざかっていく。前者は近接惑星となり、後者は迷子の星となる。迷子の星は、どこかの惑星系にたどりついて、そこで、別のジャイアント・インパクトを引き起こす。

     以上により、ホット・ジュピターの生じた過程はわかった。ホット・ジュピターは、切り離された二重惑星の一つなのである。
     それが発生する確率は、ジャイアント・インパクトが起こる確率にだいたい等しい。特に珍しいわけではない。ただし、前提として、二重惑星が発生している必要がある。この確率は、高くはないが、さして低いわけでもない。

    ( ※ なお、二重惑星が切り離されたときの、惑星の飛び出し方の方向が問題となる。まっすぐ恒星の方を向いて進めば、高速で落下したあとで、近接惑星となるだろう。恒星には向かわず、軌道に近い方向を向いて進めば、ゆるやかに落下したあとで、恒星に吸収されてしまうだろう。)

    ( ※ お断りしておくが、以上のすべては仮説である。「くだらん」と思うかもしれないが、少なくとも現時点では、他に代わる仮説はない。合理的な説明であれば、それで十分だ。少なくとも、「何が何だかさっぱりわからない」という未解明状態よりは、ずっとマシであろう。未解明状態というのは、気持ち悪いので。とにかく、仮説がないよりは、仮説があった方がいいのだ。仮説が正しいかどうかは、また別問題。)

     ──────

     《 参考 》
     次の仮説も考えられる。
     「恒星(太陽)が爆発して、ガスを大量に放出する。それが惑星間に充満して、惑星の運行を妨げる。惑星はガスに衝突して減速するので、惑星は太陽に吸い寄せられて、太陽との距離がどんどん縮まる。ある程度縮まったころには、そのあたりのガスはもはや先に太陽に吸い寄せられてしまっているので、そのあたりはガスがなくて真空となり、惑星はもはやそれ以上は太陽に近づかない」




  【 後日記 】 (2007-05-14 )

 実は、もっと根源的な説がある。こちらの方が正しいようだ。

 そもそも、ホット・ジュピターは、たくさん見られる。
 また、似たものとして、恒星二つが双子になっている連星も、たくさんある。
 これらは、稀な現象ではなく、たくさんある。とすれば、「たまたまできた」というよりは、「元もとそういうふうにできた」と考える方が妥当だ。

 実は、星のできる過程をシミュレーションすると、次の結論が得られる。
 「恒星と惑星系ができるときの初期条件を変えると、次の三通りができる。
  ・ 連星           ● ●
  ・ ホット・ジュピター   
  ・ 太陽系型        ・・・・・・・・・
     (恒星が1個、小さな惑星が10個ぐらい)
 」

 つまり、この三通りは、どれもがだいたい同じぐらいの頻度でできる。太陽系型の構造が基本になるわけではない。とすれば、「最初に太陽系型の構造ができて、そのあとでその構造がホット・ジュピターになった」というふうに見なすのは、妥当ではないわけだ。
 普遍的に見られる現象は、決して偶然のたまものではあるまい。

 ( ※ カール・セーガン著「コスモス」を参考にした。)
posted by 管理人 at 00:00| Comment(4) | 物理・天文 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
以前テレビで見たのですが、どこぞの大学(多分日本)で計算によるシミュレーションをやってました。
木星クラスかそれ以上の大きさの惑星が、二つあると惑星系は安定する。しかし、一つもしくは三つ以上だと軌道が不安定で、最終的に恒星の極めて近くを回る巨大惑星が残る。他は系外へ飛ばされてしまう。
そういう結果だったと思います。
しかし、何分、記憶が定かでないので、正確なところ(信憑性とか)がわかりません。
どなたか詳しい情報があったらお願いします。
Posted by 水響 俊二 at 2006年08月30日 02:11
興味深く拝見しました。

>そのとき、一方は恒星に向かって落下していき

ただ、これでは、長楕円軌道に入るだけで、いずれ元の場所に戻ってくることになると思います(あるいは中心恒星に激突する)。「エキセントリック・プラネット」の方の説明にはいいのかも知れませんが、ホット・ジュピターの成因としては、低軌道になった時点で力学的エネルギーを失うメカニズムの問題が残っています。
Posted by hagiwara_m at 2006年08月30日 17:22
>これでは、長楕円軌道に入る

なるほど! 鋭い! 頭いい! 

>低軌道になった時点で力学的エネルギーを失うメカニズム

太陽系形成初期ならば、途中にいっぱい微惑星やガスがあるから、ぶつかっていくうちに摩擦抵抗を受ける、というアイデアはどうでしょう? 

特に、落下の方向が、ガスの渦に逆らう方向であれば、大丈夫。太陽系の惑星が時計回りなら、逆時計回りの方向に落下すれば、大丈夫。

これなら、うまく摩擦抵抗を受けそうです。……いや、摩擦じゃないな。衝突や吸収合体による運動エネルギーの中和ですね。

これでまた仮説が一つできた!
Posted by 管理人 at 2006年08月30日 21:45
本項の仮説を補強する証拠が見つかった。
 宇宙をさまよう、迷子惑星。
  → http://himasoku.com/archives/51751240.html
Posted by 管理人 at 2012年11月17日 19:03
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