2006年04月10日

◆ エセ進化論


 進化論としては間違っている理論(エセ進化論)と見なされている、二つの学説がある。「ラマルク説」と「ID(知的デザイン)説」だ。
 しかしながら、この二つの説は、現代の標準的な進化論と、実質的に等価になってしまう── ということが、今回の両生類の化石からわかる。──

 「ラマルク説」とは、「環境突然変異をもたらす」という説だ。
 ( ※ いわゆる「環境が進化をもたらす」という説は、「環境が自然淘汰をもたらす」という意味でとらえたときのみ、正しい。突然変異には影響しない。なお、自然淘汰だけがあって、突然変異がない場合には、進化はまったく起こらない。単に劣者の排除だけがあり、優者の誕生は起こらないからだ。……比喩的に言えば、クラスの最高点を上げるためには、劣等生をいくら排除しても駄目で、優等生を新規加入させる必要がある、ということ。)

 「ID(知的デザイン)説」とは、「超越的な何らかのものが、進化をもたらす」という説だ。その一部に、「超越的な何らかのものが、突然変異をもたらす」ということを含意する。

 さて。標準的な説の「逐次的な進化」とう説を前提としよう。(仮定。)
 すると、前項で述べたように、今回の両生類の化石の発見では、「短期間で大量の突然変異が起こった」ということになる。
 とすれば、その理由は、次のいずれかとなる。
  ・ 大量の突然変異をもたらしたのは、環境である。
  ・ 大量の突然変異をもたらしたのは、超越的な何らかのものである。
 この二つはもちろん、それぞれ、「ラマルク説」と「ID説」とに相当する。

 標準的な説を取る限り、この二つのどちらかを取るしかない。前者を取れば、ラマルク説。後者を取れば、ID説。いずれにしても、エセ進化論となってしまう。かくて、標準的な進化論は破綻する。

 ただし、もう一つ、別の道もある。こうだ。
 「矛盾があっても、見て見ぬフリをする
 現実には、矛盾がある。それは、
 「突発的な進化という事実を見る限り、短期間に大量の突然変異があることが必要となるのだが、その事実を無視する」
 ということだ。つまり、
 「化石を見る限り、短期間に急激な進化が起こる、という事実が、たくさん見られるのに、その事実を否定して、『本当は連続的に進化しているのだ』と思い込む」
 ということだ。これはいわば、
 「裸の王様が本当は裸であっても、事実を見ずに、『王様はすてきな服を着ているんだよ』と見なす」
 ということだ。事実を見ずに、虚偽を信じる。── そういう態度を取る限りは、標準的な進化論が破綻していても、その破綻を見て見ぬフリをすることができる。

( ※ 何だかメチャクチャみたいに思えるだろう。だが、量子力学だって、同様のことをしているのだから、たいていの科学者は、人のことは言えない。)
posted by 管理人 at 00:31| Comment(3) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ID説、超越的な何らかのもの>見えざる神の手?

この説が破綻すると、ハードSFのネタも一つ消えそうで、寂しいな。次は「クラス進化論」ネタによる堀 晃さん、谷 甲州さんあたりの新作を期待したいですね^^;
Posted by 大五郎 at 2006年04月10日 15:22
ラマルク説を「環境が突然変異をもたらす」と言い切っちゃうのは強引かな、と思いますが…。


>短期間に急激な進化が起こる
これは「断続平行説」という比較的「標準的な進化論仮説」としてずいぶん前に提唱されていますね。あまり受け入れられてないみたいですけど。

そもそも、大量絶滅によって(1)生態系ニッチが空くこと、(2)個体群サイズが減少すること(3)同種の個体群が地理的に離されること、等等は「標準的な進化論」において生物進化を加速させる理由になります。

また、誤解されているようですが、現在の進化総合説では、「突然変異」と「自然淘汰(今は自然選択という言い方が標準ですね)」はどちらも採用されています。
Posted by ハサ at 2009年01月16日 23:27
本項は前項の続きなので、前項を先に読んでください。
Posted by 管理人 at 2009年01月17日 08:56
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