2006年04月09日

◆ 化石と進化(両生類の誕生)

 魚類と両生類の中間を埋める新種の化石が発見された。
http://www.asahi.com/international/update/0406/001.html
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/topics/n20060406_1.shtml

 これは非常に重要な発見だ。なぜなら、この発見により、標準的な進化論は完全に破綻してしまうからだ。 ──

 今回の化石の発見は、記事によれば、次の通り。
デボン紀後期の地層(約3億8000万年前)から、両生類に進化する途中の新種の魚類の化石が見つかった。胸びれに、手首にあたる関節があり、前脚が誕生する直前の状態だった。手足がある両生類とひれしかない魚類の間には大きな隔たりがあるが、今回の発見で溝が埋まりつつある。
 胸びれには4足動物の手首に相当する関節があり、手の骨格的な形態が誕生していた。川底に胸びれをつきながら前進することもできたようだ。また、魚類は首を持たないのが基本の姿だが、この化石には短いながらも首があった。両生類にかなり近い魚類だとみられる。
 約3億8000万年前の魚類には、手首にあたる関節は確認されていない。一方、約3億6000万年前の最も原始的な両生類の手足は、ひれから変わったばかりだった。今回の化石は、これらのちょうど中間段階にあたるという。
( → 朝日のサイト :上記)

 特に首があるのは他のどの魚類にも見られない特徴で、
 「首があったのにはとても驚きました。そのおかげで、頭部が肩帯に固定されず、動きやすかったはずです」
 とデシュラーは語る。
 肋骨は魚よりも発達し、しっかりとした骨格をもっていたことがわかった。
 「この肋骨だと、胴はしっかりとして、変形しにくかったはずです。水中で暮らす魚類に、このような胴は必要ありません。浅瀬での生活、さらには陸への進出にあわせて、こうした体ができあがっていったのでしょう」。
( → ナショナル・ジオグラフィック:上記)

 解説しておこう。

 (1)
 「魚類 → 両生類」という進化は、非常に大規模な進化である。これは「水生 → 陸生」という違いだけではない。各種の構造がまったく異なる。
 これに比べると、以後の「両生類 → 爬虫類 → 哺乳類 → (人類)」という進化は、ずっと小さい。せいぜい、器官の形や大きさがいくらか変わった、という程度のことにすぎない、とさえ言えそうだ。
 この進化は、生物の歴史で最大の進化だったのだ。

 (2)
 にもかかわらず、この進化は、ごく短期間に起こった。上記から再度引用すれば、
 約3億8000万年前の魚類には、手首にあたる関節は確認されていない。一方、約3億6000万年前の最も原始的な両生類の手足は、ひれから変わったばかりだった。今回の化石は、これらのちょうど中間段階にあたる。
 ということだ。
 つまり、最大規模の進化が、わずか 2000万年ほどの、ごく短期間で起こったことになる。

 (3)
 今回の化石は、ようやく見つかったが、それまでほとんど同種のものは見つからなかった。学者たちは長年、必死になって探したが、なかなか見つからなかった。今回、ようやく見つかったが、そのことは、次のことを意味する。
 「その化石は、存在しないのではなくて、存在するが非常に少ない」
 「その生物は、存在しなかったのではなくて、存在したがが非常に少なかった」
 これは重要だ。すぐ上の (2) では、「進化が短期間に生じた」と述べたが、それだけではない。その進化は、ごく少数の集団で生じたのだ。大量の生物がいて急速に進化が生じたのではなく、ごく少数の集団の内部において急速に進化が生じたのだ。

 (4)
 以上のことから、次の説は否定される。
 「進化は偶発的な突然変異の蓄積によって起こる」
 つまり、次の説は否定される。
 「偶発的な突然変異によって小進化が起こり、その小進化が蓄積して大進化が起こる」


 なぜか? 仮にそうだとすれば、次のようになる必要があるからだ。
 「進化はなだらかに連続的に起こる。魚類から両生類のように大規模の進化は、長い時間をかけて少しずつ進化が蓄積することで起こる」
 「大きな進化が比較的短期間に生じるとしたら、その進化をもたらす生物は大量に存在したはずだから、その中間種の化石は大量に残っているはずだ」
 しかるに、そのどちらも、今回の化石の発見で否定された。

 (5) 
 この矛盾を解決するとしたら、次のように考えるしかない。
 「進化が逐次的に起こるとしたら、その突然変異は、偶発的に生じたのではなくて、一挙に大量に出現したのだ。魚類から両生類へという進化のための突然変異は、あるとき急激に大量に発生したのだ」
 しかし、これはもはや、「突然変異が確率的に生じる」という基本原則をはみ出している。かわりに「生物を出現させるための突然変異は、あるとき急激に大量に発生したのだ。何らかの理由で」という原理を取る。そして、これはもはや、「神による生物の進化」と述べるのも同義だ。「何らかの未知のものが生物を進化させた」という神秘主義になってしまっているからだ。
 かくて進化論は、「神による生物の誕生」を主張するに至った。何たる皮肉!

 (6) 
 では、真実は? 
 上の (5) の論理は間違っていない。ただし、前提が間違っている。
  「進化が逐次的に起こるとしたら、……」
 という前提が間違っているのだ。正しくは、
  「進化は、逐次的(直列的)に起こるのではない。並列的に起こる」
 つまり、
  「大進化は、小進化(突然変異)の蓄積という形で起こるのではなく、複数の小進化(突然変異)の組み合わせという形で起こる」 
 この原理を理論化したのが、クラス進化論だ。
  → http://hp.vector.co.jp/authors/VA011700/biology/

 結語
 今回の化石の発見は、「何があったか」よりも「何がなかったか」(少なかったか)を示す。そのことで、
 「進化は逐次的に起こる」(小進化の蓄積によって大進化が起こる)
 という標準理論が誤りであったことを、明白に実証する。
 そして、今回の事実に適合することのできる合理的な原理は、
 「進化は並列的に起こる」
 というクラス進化論の原理だけなのだ。
 今回の発見は、「何が誤りであったか」を示すことで、「本当は何が真実であったか」を明らかにする。
posted by 管理人 at 09:08| Comment(4) | 生物・進化 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
魚類と両生類の中間を埋める新種の化石>画期的な発見ですね。
管理人さんの「クラス進化論」を立証する化石発見、地球帰還中の科学衛星「はやぶさ」、同じ雑誌(ナショナル ジオグフィック日本語版)にある「ユダの福音書」の発見といい、今年はワクワクしそうな年ですね。
Posted by 大五郎 at 2006年04月09日 22:15
翌日分で、補充的な話をしています。

http://openblog.meblog.biz/article/12169.html
Posted by 管理人 at 2006年04月10日 00:33
ひれに間接ができた、というちょっとした形態の
進化よりも、体表面、呼吸系、心臓を始めとする
循環器系、排泄系、それらを調節する内分泌系、
神経系などが、同時期に、それぞれ調和を保ちつつ
(でないと生存できない)進化したことが非常に
重要と思われます。

そして、それを説明する適切な理論が望まれます。
(当然、従来の逐次的進化論では説明不能。)

拝読した限り(小生の低脳で理解した限り)では、
サイトに公開されているクラス進化論では、この
あたりがまだ弱いのではと感じます。

正規版の出版を待ちたいと思います。
Posted by けろ at 2006年04月13日 22:58
感想をありがとうございます。
見事に核心をとらえていますね。

直列でなく並列で各部分が進化したというのが基本で、そのための原理を示すのが、クラス進化論です。

まずはこの原理を基盤として、その上に、あれこれと具体的な建物を構築します。

しかしまあ、何事も、基盤を理解してもらえないと、先に進めない。

で、せめて「異なる発想もある」というふうに、意見の並立を認めてくれるといいんですが、今の学会では「標準理論以外はトンデモだから、断固として排除とする」という方針なんですよね。困ったことです。
(と嘆いてばかりいるのでは無責任だ、と最近になって反省したので、もっと努力します。)
Posted by 管理人 at 2006年04月14日 00:03
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