2006年02月26日
◆ 市場の予測
キーボード付きの携帯電話( W-ZERO3 )について、先日述べた。
http://openblog.meblog.biz/article/5731.html#comment
その裏話が、朝日週末版 be 青色版にある。( 2006-02-26 )
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なぜ、これまで、同様の機種が発売されなかったか? 企画が出ても、マーケッティングをすると、「売れない」という予測が出たから。今回に限っては、開発者の強い意欲により、予測に逆らって、開発を続行し、発売した。
で、発売したら、爆発的な人気。発売目には予約が殺到し、二カ月たった今でも品切れに近くて、1週間待ち、ということもざらであるようだ。
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以上のことを、評価しよう。
ここでは、市場は巨大ではなくても、同様のライバルがいないから、市場を独占できる。独占できれば、値引きしないで、圧倒的な利益を得ることが可能だ。はっきり言って、シャープは値付けを誤った。もっと高い値段を付けておけば、その値段で売れたはずだ。……で、これもまた、予測を誤ったから。「売れない」という予測のせいで、何もかも誤った。(ま、商品を出しただけ、他社よりはマシだが。)
では、なぜ、見込みを誤ったか? 簡単だ。マーケッティング会社に市場予測を頼んだからだ。その予想は、必ず、こうなる。
「これまでに発売されなかった新分野の機種は、該当する市場が現時点では存在しないので、それを受け入れる市場がないゆえに、その商品は市場に受け入れられないという結論が出る」
要するに、「売れる物が存在しない」という現状を見て、「どうせ将来も売れるはずがない」という予測を出すわけだ。
たとえば、昔、ファミコンというゲーム機が爆発的な人気で売れた。しかし、マーケッティング会社に市場予測を頼んだならば、「売れるはずがない」という予測を出したはずだ。
「ゲーム機の市場なんて、ほとんどありません。そんなものを出しても、売れっこありません。だからファミコンなんか開発するのをやめましょう」
本来ならば、「売れる物がないということは、ライバルがいないということなのだから、未踏の分野に進出すれば、市場を独占して、ボロ儲けができる」と結論していいはずだ。そして、それが、現実である。なのに、その現実を認識できない。
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実は、同様のことは、他のケースにも当てはまる。たとえば、
「三菱自動車のアイという軽自動車は、エンジンを後ろに積んで、後輪駆動にしたので、広い室内と、デザインの自由度と、十分な安全対策を得ることができた。ゆえに、高価でも、爆発的な人気。2週間で1万台の注文」
という例だ。(読売・日曜版 2006-02-26 )
ところが、これもまた、マーケッティング会社に市場予測を頼んだら、「月に 2000台も売れません。つまり、全然駄目」という予測だった。なぜ? 理由は、前述と同じ。現状を見て、将来を予測する。
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要するに、いずれにしても、「先見の明」がないのである。というか、現実そのものを、根源的に勘違いしているのだ。
実を言うと、上記のケータイも、三菱のアイも、同等の原理のものを、私は前から提案または構想していた。「こういうものがほしい」というふうに。たぶん、私だけではなかったろう。同じことを考えた人は、たくさんいたはずだ。なぜなら、「最良のもの」を考えるなら、それが必然的に生じるからだ。「最良のもの」は、山野町店のようなものであるから、誰がどう道を歩んでも、必ず同じところにたどり着く。私以外にも多くの人が、同じ頂点をめざしたはずだ。つまり、上記のケータイも、三菱のアイも、同等の原理のものを、私以外のたくさんの人が構想したはずだ。
しかしながら、いずれの構想も、日の目を見なかった。なぜか? マーケッティング会社に市場予測を頼んだりするからだ。
それでも、今回のシャープは、市場予測には反した行動を取っただけ、立派である。一方、ひるがえって、他社のすべては、市場予測に従った経営方針を取る。シャープと同様の商品を出した会社は、(少なくとも日本には)一社もない。どうせ、今ごろはあわてて、物真似の商品を開発しているのだろうが、市場があるとわかってからやったのでは、先行者利益を得ることはできない。その間にシャープは次世代機を開発しているはずだ。
とにかく、市場予測頼みの経営方針が、根源的に狂っている。良いものを作ろうとせずに、既存の市場に合致するものばかりを作ろうとする。そのせいで、物事の本質を見抜けなくなる。
ま、このことは、何事であれ、同様だ。
( ※ マスコミのライブドア報道もまた、この一環かもしれない。「ホリエモンは悪だ」という既存の需要に合わせて、そのための記事を乱発するから、物事の本質を見抜けなくなる。)
過去ログ

http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/961219/pino.htm
なんかこんな感じのです。大きいのは小型液晶がなかったせいだと思う。
でも、いまは違う。
今回のこの機種に限っては当たらないという予測はなかったと思う。
というのは、海外ではスマートフォンというジャンルで市場が確立されてます。知っている日本人はどうしようもなく欲しがってたし、下手すると日本で使えなくても買っている人さえいた。
マーケティングして「買わない」っていう結果が出たら、それは精度が悪すぎると思う。
「品切れに近い」というのも、最近の風潮で、作りすぎによる在庫ロスを抱えない方策なので仕方ないところだと思います。
わたしがぜひ欲しいのは腕時計型PHS「WRISTOMO」の後継。
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/13342.html
要求外の機能は削っていいので、軽薄短小路線でぜひ。
大型液晶を使ったスマートフォンには、その大型画面を埋め尽くせるだけのデータ送受信が必要であり(でなければ画面の意味がない)、低廉な通信コストを実現したWillcomの上でこそ意味があったと言える。
とくにauの商法は悪質で、着うたフルやGPSナビなどの魅力的な機能は開発するけれどパケット代を高いまま維持しておいてトラフィックを抑えているため、機能につられて加入者は増えるんだけど、使い続ける人は少ない。
GPSナビウォークで道案内してもらって目的地まで行くと1時間歩いて500円ぐらいパケット代がかかります。3時間歩いて1500円にはなりません。電池が切れるから(笑)タクシーに乗った方が速くて安いくらいだ。
これに対して、Willcomは月2900円の音声定額サービスに加入するだけで、0.021円/パケット。データ定額サービスに1000円払うと0.01円/パケット。
おおむね通信料金が10倍違う。使い方が異なるのも当然ですね。