2006年02月25日

◆ アイヌ語

 新しい文字規格には、アイヌ語用の文字がある。「かきくけこ」や「せつと」などに半濁点「 ゜」などが付いた文字など。これはこれとして、アイヌ語について梅原猛の興味深い見解が掲載されていた。
「アイヌ語は独立した言語ではなく、(日本語の祖語である)縄文語に属すると見なせる」
という見解だ。(朝日・朝刊 2006-02-21 )──

 その趣旨はこうだ。
 「『アイヌ語は、(ヨーロッパ語などの)屈折語でもなく、(日本語などの)膠着語でもなく、(インディアンの語と同じ系統の)抱合語に属するので、日本語とはまったく異なる系統に属する』という金田一流の見解が主流であったが、そうではないだろう。むしろ、日本語の祖語である縄文語とほぼ同等だ。日本語は、アイヌ語とほぼ同等の縄文語と、朝鮮系からの言語との、融合である。基本的な動詞を見ると、日本語の多くはアイヌ語から来ていると見なせる。助詞も同様だ。ただし、Rで始まる音の語だけは、伝わっていない。というのは、朝鮮語にはRで始まる音の語がないので、朝鮮系の人々には使えなかったからだろう。とすれば、縄文語を朝鮮系の人々が使うことで、(意味を残したまま)文法構造が抱合語から膠着語へと変化して、古代日本語になったのであろう」

 この趣旨のもとで、いろいろと語を比較して、語源を推察している。確かに、アイヌ語と日本語には、非常に共通点が多い。「日本語の起源はまったくわからない」という俗説がけっこう出回っているが、そういうことでもないようだ。

 なお、「日本語の起源はタミル語だ」という大野晋の説もあるが、これはまったくの誤りだろう。「AとBが似ているときには、AがBの起源である」という結論を出すのは、論理になっていない。「AとBが似ているときには、AとBは共通の起源をもつ」というのが正しい。タミル語が日本語に似ているとしたら、共通の起源の語があったからで、それは、新型モンゴロイドの生まれたモンゴル地方であろう。そこから、日本・朝鮮系統と、北部インド地方とに分かれた、と見なせば、解決が付く。大野晋説のように、「タミル人が海を渡って日本に来た」という説を取る必要はあるまい。……これは、私の見解。

 ──

 なお、新しいJISの文字は、「アイヌ語の文字」ではなく、「アイヌ語の発音記号」と見なすべきだろう。アイヌ語は、文字をもたない言語だからだ。こんなものを「ひらがなの一種」または「現代日本語の一種」と見なすことがあっては、断じてならない。むしろ、「英語の発音記号ど同等のもの」と見なした方が良さそうだ。
(というのも極論過ぎるかもしれないが。いずれにせよ、外国語の発音記号と見なした方がいいだろう。どちらかと言えば、英語に対するギリシア文字のようなものだろう。英語においてギリシア語の文字を「英語の文字の一部」と見なすのは、かなり無理がある。それと同様。)

 ──

 梅原説に対しては、部分的な批判もあるようだ。
http://www.ainu-museum.or.jp/nyumon/nm13_ktb04.html

 JISの文字については、下記の 8390 と 83F0 のあたり。
http://www.eonet.ne.jp/~kotobukispace/ddt/jisx0213/sjis8xxx.html

 その一覧や文字コードは
http://sapporo.cool.ne.jp/kumanesir/ainucode.htm
posted by 管理人 at 19:36| Comment(0) |  文字規格 | 更新情報をチェックする
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