今回の事例(2004JISの導入のときの人々の状況)は、企業の対処の参考にもなる。 ──
2004JISの導入により、略字の姓名の人からは、大量の抗議が来るかもしれない。企業はそれを恐れる。
だが、苦情がたくさんあるからといって、「顧客の抗議があるから、この方針は失敗だった」とは言えないのだ。なぜか? 怒る人は抗議をするが、喜ぶ人は感謝をしないからだ。
略字の「榊原」さんは、苦情を申し立てるだろう。しかしそれと同じ分、正字の「榊原」さんは、感謝している。ただし、感謝しても、感謝を述べない。……だから、企業に来るのは、感謝のかわりに、苦情ばかりだ。そして、それを見て、「苦情だらけだから困る」と思い込む。
こういう発想(物事のデメリットだけを見る発想)からは、進歩というものは決して生まれない。進歩とは、必ず、メリットと引き替えにデメリットがあるからだ。たとえば、iPod nano には、軽さというメリットと引き替えに、曲数の不足というデメリットが生じた。ここで、デメリットだけに着目していては、先に進めない。
「デメリットがあるから駄目だ」というマイナスの発想ばかりをしている企業は、守旧派となり、市場では生き残れないだろう。「苦情だらけだから困る」と思ったなら、まず、自らの守旧的な発想(マイナスの発想)を、転換する必要がある。物事の半面しか見ない態度を、あらためる必要がある。
つまり、自己を反省して、自己改革する必要がある。さもなくば、岡田民主党のように、その企業は国民から見放されてしまうだろう。
2005年09月14日
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組織に身を置き、選択・決定に関与する人間は、
自戒すべきですね。小生も自己反省の要が有りそうです。