前項の質問は、こうです。
「船がありました。その船には95 席の一等船室と 200席の2等船室あります。そこに 100 人の乗客が来ました。100人を乗せようと思ったら1等船室に入れない乗客が5人でてしまいます。そこで船長は、100人の人間の中から前科のある人を5 人見つけて海に放り込みました。前科者を1等船室に入れると、そのぶん前科のない人が1等船室に入れなくなるからです。
‥‥船長がガラ空きの2等船室のことを話題にしないのは、前科者を海に投げ込むことだけが願いだからですか?
Posted by 山猫 」
この比喩は不適切です。
第1に、前科者は、海に投げ込まれません。他の人と同部屋になるだけです。一点の辻さんは追い出されるわけではなくて、二点の辻さんと同部屋になるだけです。
ただし、表札が変わります。これまでは「一点の辻」だったのに、今度は「二点の辻」の表札になります。同部屋の二人のうち、一人は喜び、もう一人は怒ります。仕方ありません。
二点の辻さんは、怒りっぽくないので、これまではあまり目立たなかっただけです。で、二点の辻さんは我慢してきたのに、怒りっぽい一点の辻さんは、
「どうしても同部屋はイヤだ」
と言い張って、自分から「海に飛び出したい」といっているんです。私は「今まで通り同部屋にいなさい」と言っているんですけどね。
第2に、空席はありません。なぜなら、「シフトJISのコードポイントをすべて埋めつくし、将来の拡張の余地をなくす」というのが、規格委員会の方針だったからです。現在の規格もそうなっています。特定の理由で禁止領域になっている部分はありますが、原則として、空席はありません。( unicode の領域に使える席があるというのは、全然別の話で、別の船に席があるというのと同じです。関係なし。)
空席がないという点は、私は何度も批判し、「将来の拡張の余地を残せ。そのためには余分な記号(2バイト欧文文字など)を削除せよ」「誤字にすぎない人名漢字も、できる限り削除せよ」と主張したのですが、規格委員会は、聞く耳をまったくもちませんでした。
というわけで、席が満席であることは、私の主張とは正反対なんです。私は「空席を用意しておけ」と主張してきたわけですから。
結局、「なぜ空席がないのか?」という質問には、「南堂久史をトンデモ扱いして、空席を残せという主張を圧殺したからだ」と答えるべきでしょう。
当時の経緯については、「文字講堂」のあちこちをご覧ください。たとえば、下記。
http://hp.vector.co.jp/authors/VA011700/moji/codesian.lzh
